営業職のやりがいとは? 業界別に見る働く魅力や「つらい」「大変」といわれる理由・対処法を解説
営業職はあらゆる業界で企業と顧客をつなぎ、売上に直結する大切な仕事です。顧客との信頼関係や目標達成にともなう収入アップなどのやりがいや魅力も多くあり、人気の職種でもあります。この記事では営業職のやりがいや魅力をさまざまな観点から解説します。業界別の営業職の特徴や「つらい」「厳しい」とストレスを感じている人の対処法もあわせて紹介していますので、目次一覧を参考にご覧ください。
営業職のやりがいや魅力とは?
営業職は「きつい」「大変」「厳しい」というネガティブな声が聞かれる一方で、非常にやりがいや魅力のある職種です。顧客と直に接して、さまざまな交渉を行うことが多い営業職には、他の職種ではなかなか感じられないやりがいがあります。
顧客と信頼関係が築ける
営業職は多くの顧客との出会いがあります。ビジネスや取引を円滑に進めるためには、顧客および顧客企業との信頼関係の構築が不可欠です。信頼関係が築ければ、ストレスが少なく取引が進められます。また、信頼関係は人脈作りにつながるのも大きなポイントです。
ビジネス上で築いた人脈はキャリアを積むための「財産」ともいわれ、非常に貴重なものです。将来キャリアアップやビジネスチャンスにつながる可能性もあります。多くの人との出会いがある営業職ならではの魅力といえるでしょう。
努力が結果に反映される
営業職は自社の商品やサービスを売るという特性から、他の職種に比べて自分の頑張りや努力が結果に表れやすいといえます。営業職の働きは会社の売上に直結するため「自分は会社に貢献できている」という充実感を得られます。
売上高や成約数など、成果が明確な数値として表されるのも大きな魅力です。努力を重ねた分がそのまま結果に反映される仕組みは、働く意欲をアップさせてくれるでしょう。
自己成長につながる
営業職を続けていると、常に簡単な案件だけとは限りません。難しい交渉やトラブルに直面することもあります。しかし、こういった難局を乗り切るのは、自己成長のよい機会ともいえます。新たな経験から得た知識を自分のものにする姿勢も大切です。
営業職では次のようなスキルや知識が身につく機会があります。
・問題解決能力
・傾聴力
・対人スキル
・柔軟な思考力
・論理的思考
・ストレス耐性
・専門知識
これらのスキルは、たとえ営業職から別の職種に転職した場合でも必ず役に立ちます。
営業職がやりがいを感じるのはどんな時?

営業職は顧客とのやり取りに限らず、あらゆるシーンでやりがいが感じられます。働き方への考え方や個人が持つ価値観、何に重きをおいているかなどによって、やりがいを感じる瞬間は異なり多様です。具体的には、どのような時にやりがいを感じるのでしょう。シーンごとに詳しく解説します。
顧客から感謝された時
企業と顧客をつなぎ、顧客の要望に応えられるよう提案やサービスの提供を行う営業職は、どんな職種よりも顧客との距離が近いのが特徴です。そのため、顧客や顧客企業の利益になったりニーズを満たせたりといった場面では、直接感謝される醍醐味があります。
自社の利益を上げることは確かに大切な職務ですが、顧客からの感謝の言葉は、意欲向上につながるでしょう。特に営業パーソンは人とのつながりを重視する人が多い傾向にあります。「自分の仕事が顧客の役に立っている」という実感は、自己肯定感を高め、大きなやりがいに直結するでしょう。
顧客と信頼関係を築けた時
営業職には既存の顧客と取引をすることもあれば、新規顧客開拓のため訪問営業や飛び込み営業が必要な場合もあります。新規顧客獲得では商談のアポイントがとれない、訪問しても拒絶されるなどがほとんどといってもよいでしょう。しかし、顧客の都合のよい時間にアポイントをとったり、最適な商談を行ったりといったアプローチでよい結果に結びつく可能性があります。
顧客を獲得できただけで十分やる気が出てきますが、信頼関係を構築できた時、より大きな充足感を得られるでしょう。最初のアプローチが困難だった場合はなおさらです。継続的な取引先になった時に「次も〇〇さんで」と指名される喜びも営業職ならではです。
トラブルを解決できた時
顧客とのやり取りの中では、トラブルが避けられない状況に陥ることが少なくありません。販売する商材の価格や顧客側からのクレームなど、交渉や販売後に折り合いつかないことが多々あります。こちら側に非があった場合は、謝罪や誠実な対応などが求められます。それでも収拾がつかないケースでは、問題を解決するために営業職の手腕が問われます。顧客のニーズを理解して「どうすれば解決できるのか」と考え、実行にうつすことが必要です。困難なトラブルを解決できた時こそ、安心とともにやりがいを感じるはずです。
努力が成果として評価された時
営業職にはノルマが課されていることが多く、達成すると昇給やインセンティブ、ボーナスアップなど収入面でのメリットがあります。その他、営業成績の優れた社員には昇進・昇格や表彰などが行われる企業も多いです。
自分の努力や苦労が正当に評価され、報酬や昇進などの形で評価されるのは、どの営業パーソンにとってもうれしいものです。仕事への意欲や生産性、定着率がアップし、会社への帰属意識が高まります。
会社やチームに貢献できたと感じる時
営業職は個人だけで動くのではなく、チーム、ひいては会社のために努力する職種です。近年、複数人で営業活動を行うチーム営業が増加しており、一定の効果を得ています。チーム間のコミュニケーションや情報共有、分業体制、サポートが充実していれば個人で活動するよりも高いクオリティの提案や交渉ができるためです。
また、成果を上げられればチーム全体で喜びを共有でき、チームの一員としての充足感が高まります。「自分は必要とされている」という思いと成功体験で、自分の存在価値を改めて認識できるでしょう。
自己成長を実感した時
営業職として経験を積んでいくうちに、顧客の信頼を得た時や成果が出た時、トラブルを解決できた時など、業務において自分の成長を実感できる瞬間はやりがいを感じます。営業職は人と深く関わり、難しい一面がある一方でさまざまなスキルを体得できます。
営業職でしか得られないスキルや知識は多彩で、ビジネスパーソンとして大きく成長できる職種といえるでしょう。将来的に転職して別の職業に就いた場合にも役立つスキルです。
営業職の対象顧客別やりがい

対象顧客が変われば、営業職が果たす役割や仕事の進め方、商材の種類などが異なります。やりがいを感じる場面も同様です。「法人営業」と「個人営業」それぞれの特徴とやりがいをご紹介します。
法人営業
企業や各種団体が顧客となる法人営業では、扱う商材や取引が大規模なものになる傾向があります。企業の課題解決や業務効率化につながる商材が多く、契約にいたるまでの意思決定のプロセスが複雑で時間を要することも少なくありません。商材によっては担当者が企業にコンサルをするスキルも必要です。競合の多さもネックです。
当然、契約できれば会社に大きな利益をもたらすため、成果が出た時の達成感も大きくなるでしょう。ファーストコンタクトから契約まで粘り強さも求められ、続けるうちに汎用性の高い営業力が確実に身につきます。また、顧客企業の経営者層と深く関われ、他では実現できない貴重な人脈が築けるのも法人営業の醍醐味といえるでしょう。
大規模な商材やプロジェクトの場合、チームで活動を行うため、成功体験を上司や同僚と共有できる点も魅力です。また、顧客企業の分野に関するリサーチが必要な場合、専門知識が深まり自社だけでは習得できない知識やマーケティングスキルが身につくのも大きな強みです。
個人営業
個人営業とは、個人や個人事業主に向けてサービスや商品を提案・販売する仕事です。法人営業に比べて売上高はやや低くなるものの、飛び込み営業やテレアポなど全くの新規から始まることが多いです。そのため、相応の難しさがあります。新規の顧客は「企業を知らない」「商材を知らない」「興味がない」上に、不信感を持たれる可能性も考えられます。
しかし、新規開拓を含む個人営業は難易度が高い反面、法人とは違ったやりがいや達成感があります。まず個人営業では顧客との距離が近く、緊密な意思疎通が必須です。アプローチ次第で信頼関係を築きやすく、ダイレクトに顧客の反応を見られることがやりがいや意欲につながります。信頼感を持ってもらえれば、長期的な取引につながることもあるでしょう。
良好な関係が構築できれば、顧客に寄り添った提案や交渉ができるようになり、営業成績も上がるでしょう。インセンティブなどの収入面でのメリットもやりがいを感じる要因です。
営業職の業界別やりがい

営業職の仕事内容や難易度、必要スキルは携わる業界によって、大きく異なる部分があります。ターゲット層や扱う商材が異なれば、営業手法も変わるためです。業界別のやりがいや特徴、魅力などを解説します。
IT業界
IT業界はBtoB営業がメインです。一口にIT業界といっても、扱う商品やサービスによって業務内容やアプローチ方法が異なります。現在、どこの企業でもDX化が進んでおり、需要が高く競合も多いのが現状です。エンジニアやプログラマーなど技術者との調整も必要で、高い対人スキルや提案力が必要とされます。
最先端の技術を扱うため難しさもありますが、それだけ契約できた時の達成感が大きいといえるでしょう。ITに関する知識が身につき、将来の転職にも有利になります。業界自体が成長過程にあるため、ひとつひとつの取引で自分が成長するのを実感でき、長く続けるための意欲も高まるでしょう。最新技術を学ぶ意欲のある人におすすめの業界です。
不動産業界
不動産業界は、個人や法人に向け不動産の販売や賃貸の仲介などを行います。自宅、事務所など扱う物件やエリアによって若干異なりますが、大きな資金が動く半面、条件面の交渉や提案力などのスキルが必須です。さらに不動産に関する法律や専門的な知識を学ぶ必要があります。税金や資産運用、建築に関する知識もあれば理想的です。
不動産の販売では、高額な取引になるため、難易度はやや高めといえるでしょう。物件の金額が大きいほど仲介手数料も高くなり、営業職に対するリターンも大きくなります。仕事に対する意欲や競争意識が高まり、よい刺激になる点も魅力です。さらに顧客のニーズに添った提案ができた時は、喜びもひとしおです。顧客からの感謝の言葉によって大きな充足感が得られるでしょう。
金融業界
銀行や保険会社、カード会社、証券会社など顧客の資金を扱う金融業界は、顧客は法人と個人に分かれます。法人営業では融資や資金調達、個人営業では金融商品の販売や資産運用、ローンなど、業務は多岐にわたります。どちらの場合も大切な資産を扱う以上、顧客も慎重になり、比較対象になる競合も多いことから、卓越した営業力が問われる仕事です。顧客のニーズを正確に把握し、顧客の利益に貢献できる最適な提案や交渉が必要といえるでしょう。
顧客からの強い信頼を勝ち取れれば、継続して利用してもらえるのは大きなメリットです。また、他の業種に比べて成果報酬が高い傾向にあり、やりがいとともに仕事に対する意欲も感じられます。継続して成果を出し続ければ、キャリアアップにつながるでしょう。
人材業界
人材業界は、就職や転職を検討している求職者に対して希望に合う企業を紹介、または人材を求めている企業と契約を行う職種です。営業職が接する相手は求職者と企業になり、両者がともに納得できるよう調整や交渉を行うため、板挟みになってしまうこともあります。しかし、求職者と企業のマッチングが成功すれば、双方から感謝され、達成感ややりがいが非常に大きいです。
人材不足が深刻な業界では人材紹介業の需要が高く、社会に貢献している充足感もあります。さらに求職者の就職・転職という人生の大きな転機に立ちあって支援するという役割に意義を見出せます。成功報酬型の給与体系では、マッチングが成功すれば収入アップにつながり、将来のキャリアアップも期待できます。
営業職が「つらい」「厳しい」といわれる理由と対処法

営業職はやりがいや魅力が多くある一方で、仕事の特性上「つらい」「厳しい」という声も聞かれます。もちろん適性も関係してきますが、どういった点でネガティブな声があるのでしょうか。具体的な理由と対処方法をご紹介します。
成果が出ないとノルマが達成できない
営業パーソンのストレスで最も多いのがノルマの存在です。営業職の多くはノルマや目標が設定されており、達成できればインセンティブなどのメリットがあります。しかし、成果が出せないとノルマが達成できず、「なぜ自分だけ」とストレスを感じ、仕事に対するやる気さえも失ってしまう人がいます。
ノルマをストレスに感じる場合、なぜ成果が出ないかを冷静に分析して、営業の手法を変えるのもひとつの方法です。また、結果を出している同僚や先輩に相談して、ノウハウを教えてもらうのも効果的です。
残業が多い傾向にある
営業職は顧客の都合に合わせて商談を行うことが多いため、場合によっては定時に帰れないことがあり、残業時間が多い傾向にあります。長時間労働で疲弊してしまい、本来の力を発揮できないケースもあり得ます。「営業職は残業が当たり前」という、やや古い体質の会社が現実に存在するのも現状です。
顧客ファーストの姿勢は重要ですが、長時間労働や残業時間が多く、あまりにもひどい場合は、上司に業務時間の改善を訴えたり、労働基準監督署や労働局、弁護士などの専門家に相談したりといった方法をとりましょう。よい仕事をするためには職場環境は非常に大切です。
自社が扱う商品やサービスに魅力を感じない
営業職で最も大切な要素のひとつに挙げられるのが、自社の商品やサービスへの深い理解と正しい知識です。営業職が商材に自信が持てなければ、顧客に勧めることに身が入らなかったり、勧めることに罪悪感を持ってしまったりといった可能性があります。そのような状態では、営業職としての仕事を遂行できません。
長く同じ商材を扱っていると、つい本来の良さや魅力を忘れてしまいがちです。商品やサービスを改めて見直す、他社と比較するなど、視点を変えて商材の良さやアピールポイントがないかを考えてみましょう。レビューなど利用者の感想を参考にするのもよいでしょう。
新規の顧客対応がストレス
飛び込み営業やテレアポでは断られることが大半です。話を聞いてもらえず、冷たくあしらわれることも多々あります。特定の営業パーソンが気に入らないわけではなく、単に「忙しい」「面倒」「興味がない」などの理由だとはわかっていても、自分を否定された気持ちになりストレスを感じる人がいます。
負の感情が蓄積された状態では「断られて当たり前」という意識に変えるのは難しいでしょう。あまりにもつらければ、既存顧客が中心になる深耕営業やルート営業への配置換えを人事に願い出るのもひとつの方法です。
営業職にやりがいを見いだせない時は?

あらゆる対策を講じても現職にどうしてもやりがいを見いだせない時は、転職を考えるのもよいでしょう。現職で培ってきた営業スキルを強みにして、別の会社の営業職に転職するのがおすすめです。働く環境が変われば、営業手法や商材、仕事の進め方も変わり、ストレス要因がなくなる可能性があります。
転職する際には、自分がストレスやつらさを感じてきた理由を分析して、異なる業種や手法をとる会社を選びましょう。転職エージェントの担当者に自分が得意とする営業手法や向いている業界などを伝えると効率的に転職活動ができます。
営業職はやりがいや魅力のある職種!理想のキャリアを実現しよう
営業職は企業や顧客の役に立ち、社会的意義も大きいやりがいのある仕事です。難しさや厳しさもある一方で、努力や苦労が自己成長につながります。「つらい」と感じることがあっても、気持ちの切り替えや自己分析でやりがいを感じられるよう努力する価値があります。
営業職のやりがいや魅力を十分理解して、転職を含め理想のキャリアを築いていきましょう。
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この記事の監修者
荒川 翔貴
学生時代に100名規模の営業団体を設立後、大手メーカーで新人賞、売上4,000%増を達成。その後人材業界に転身し、ベンチャー企業にて求職者・企業双方を支援。プレイヤーとして社内売上ギネスを塗り替えながら、3年で事業部長に昇進し組織マネジメントも経験する。
現在は株式会社9Eのキャリアアドバイザーチームリーダーとして、入社半年で再び社内ギネスを更新するなど、常に成果を追求し続けている。(▶︎詳しく見る)

