「営業職を辞めたい」と感じるのはどんな理由? 営業という仕事の大変さと魅力・つらいときの対処法を紹介

営業職はやりがいがあり、販売や成約といった成果を得られれば自分自身の達成感だけでなく、高収入につながる可能性もある職種です。営業職として成績を上げて評価され、活躍している人も多くいるでしょう。しかし一方で、「きつい」「辞めたい」という声が聞かれることもあります。

営業職に限らないことですが、その職業ならではの悩みや大変な部分を知っておくことも重要です。本記事では世間の営業職の皆さんが「辞めたい」と感じる場合の理由や、その対策などをまとめて解説します。営業職をこの先続けるか、辞めるかどうか迷っているかたは、ぜひ参考にしてください。

 
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「営業職を辞めたい」と感じるときってどんな場面・瞬間?

営業職として働き続ける中で、辞めたいと感じる状況にはさまざまなものがあります。営業活動中や業務中などで、営業職を辞めたいと感じる可能性のある具体的なシーンを紹介します。

ノルマや上司からのプレッシャーがきつい

営業職には、売上目標や目指すべき契約数、成約数などのノルマが数字として課されます。毎月ノルマを課されることが精神的なプレッシャーになっている人も多いでしょう。さらに、営業部署によっては求められるノルマを達成できそうにないときや、なかなか達成できないときが続く場合に、上司から厳しく叱責を受けたり、強い圧力をかけられたりといった職場もあります。

ノルマの数字に追われたり、上司から厳しい対応をされたりすることで、仕事に行きたくない、営業職を辞めたいと辛くなってしまうケースも珍しくありません。

良い成果をなかなか出せず引け目を感じる

営業職として良い成果が出せないときは、同僚や先輩と比較して焦りやストレスを感じ、営業職を辞めたいと思ってしまう人も多いかもしれません。顧客の元へ足を運ぶ回数や飛び込み営業を増やすなどの努力をしても、実際は成果につながらないこともあります。営業部署によっては、成績が出せないことを理由に上司の指示で自分自身は営業活動の役割から外され、事務作業など他のメンバーのサポートに回されてしまうこともあります。この場合には自分の努力が実らないことに加えて、自信を持てず仕事にも前向きになれずに辞めたいと感じてしまうでしょう。

休日出勤や残業が多い

営業職では1日の限られた時間の中で、営業活動や商談、事務作業と多くのタスクをこなします。さらに、顧客のスケジュールの希望や都合に合わせて動かなければいけなかったり、万が一のトラブル発生時には残業や休日出勤も当たり前だったりします。企業や営業部署によっては、働き方改革が進まず残業が常習化しているところもあるかもしれません。

営業職そのものが長時間労働となる傾向にあり、体力的に辛くなったり、なかなかプライベートの時間が持てないときも、営業職が嫌になる場面のひとつです。

コミュニケーションが苦手で毎日の仕事がつらい

営業職は顧客との商談をはじめ、社内の関係者や他の部署の人とも連携をするなど多くのコミュニケーションをとりながら仕事を進めていきます。他人との対話が前提となっている業務であるため、人とコミュニケーションをとるのが苦手な人には、そもそも向いていない職業とも言えます。

顧客と上手に会話ができない、商談時に緊張してなかなか話が進まない、商材を説明するのが苦手、などコミュニケーション能力の問題で成果が取れないことも多く発生します。その結果営業の仕事へのやる気も失われ、他の仕事の方が向いているのではないかと考える人も多いでしょう。

飛び込み営業や電話営業などの新規開拓が苦手

取り扱っている商材によっては、新規の顧客を自分で発掘する新規開拓営業がおもな手法となることがあります。そのため、今まで取引のなかった企業や法人、個人へ飛び込み営業や電話営業などの方法で接触していきます。

飛び込み営業や電話営業は断られることがほとんどです。話をまともに聞いてもらえなかったり、冷たくあしらわれたりすることもあるでしょう。新規開拓営業を続けるうえで、相手から冷たい対応をされたり、なかなか新規顧客が獲得できなかったりすることが大きなストレスとなり、営業職を辞めたいと感じる原因になります。

大きなクレームを受けて精神的にまいった

自社の製品やサービスに欠陥があったときやトラブルが発生したときは、営業担当者が対応します。また、商談中など自分の対応が原因で顧客を怒らせてしまった場合は、クレームに発展することもあるでしょう。業務上で大きなクレームを受けてしまい、顧客や上司に怒鳴られたり、職場で噂の的になってしまったりということもあります。クレームが原因で精神的にダメージを受けたときにも、営業職を辞めたいと感じる人が多いです。

年収が低い

営業職は足を使ったり、多くの人と接したりと肉体的にも精神的にも多くの負担やストレスがかかる職種です。基本給とは別に自分の実績に合わせて年収や給料が上がるインセンティブ制度を導入している営業部門も多いものの、それでも働き方や業務量に収入が見合っていないと感じることもあるかもしれません。

また、入社した企業が同じ業種の他の企業と比較して、もらえるボーナスが少なかったり、昇進のスピードが遅かったりといったこともあります。将来にもあまり明るい展望を持てないことから、営業職に対するモチベーションが下がってしまうこともあるでしょう。

「営業」という役割自体が自分には合っていないと感じた

営業職そのものが自分には向いていないと感じ、他の職種への転職を検討する人も多いでしょう。
たとえば人と話すのが好き、得意という人は営業活動でもそれが活かせるものの、人と接するのが苦手な人は、営業活動そのものが苦痛と感じてしまうことも多いです。自分がメインではなく支援を行うほうが得意という場合には事務職、コミュニケーションは苦手でもITやWeb関連の知識や知識を持っているならエンジニア、といったように営業職以外の職種のほうが自分に向いていると思ったときも、営業職を辞めたくなるきっかけのひとつです。

「辞めたい」と感じる気持ちは甘えじゃない!

営業職を辞めたいと思う場面には多くのケースがみられますが、具体的に辞めたくなる理由は人それぞれで異なります。理由や原因によっては、営業職を辞めたいと思うことは決して甘えではありません。

「楽して稼ぎたい」「長時間働きたくない」「会社の利益には興味ない」などの理由での辞職や転職は甘えと思われても仕方がありませんが、「自分には適正がない」「年収面で将来が不安」などが営業職を辞めたい理由の場合には、営業職の業務や自分自身のキャリア、この先の人生について真剣に考えていることの証明ともいえるからです。

辞めたいと思う原因や理由を明確にし、自分自身のキャリアプランなどを考えて、適切な判断を行いましょう。

営業職の大まかな種類と向き・不向き

営業職と一口に言っても、対象となる顧客や手法によりさまざまな手法があります。営業の種類によって、向き不向きがあるのも事実です。おもな営業職の3つの種類別の特徴と、どんな人が向いているか、向いていないかを詳しく解説します。

新規営業

新規営業とは、取引のない顧客に対してアプローチを行い、商品の購入や契約、新規取引獲得などにつなげる営業業務です。初対面の人と接したり、ゼロから信頼関係を構築したりする必要があるため、コミュニケーション能力や交渉力、プレゼンテーション能力などのスキルが求められます。

新規営業は人と話すのが好きな人や積極的な行動ができる人、断られてもめげない粘り強さがある人やメンタルが強い人が向いています。また、新規営業ではインセンティブ制が導入されていることも多いため、数字での評価にやりがいを感じる人にも向いているでしょう。

反響営業

反響営業とは、Webサイトや広告からの検索や問い合わせ、キャンペーンの応募などで接点を得た顧客にアクションをとる営業スタイルです。すでに商品やサービスに対して興味を持っている顧客がターゲットとなるため、顧客の持つ悩みや課題、ニーズを理解するヒアリング力や共感力が求められます。人に対して丁寧かつ誠実な対応ができる人が向いているでしょう。

ルート営業

ルート営業とは、既存顧客のもとへ定期的に訪問するスタイルの営業です。顧客との取引関係を維持、かつ強化しながら新しい商品やサービスの提案を行います。既存の商材の使い勝手や課題、不満、疑問点などを聞き取ることで、顧客に発生している新しい課題や悩み、ニーズを引き出します。課題を解決したりニーズを満たすために、新しい商材や上位商材の利用を提案するのが、ルート営業の手法です。

新規営業よりもプレッシャーは少ないものの仕事がマンネリ化しやすい傾向もあるため、コツコツ顧客と向き合える人や、商材のメリットを的確に説明できる力・問題解決力を持っている人などが向いています。

営業職を辞めたいと感じたときには思い出して! おすすめの対策・対処

営業職を辞めたいと思っている以上、無理して仕事を続けても良い結果には結びつきません。営業職を辞めたいと思っているときに試したい、対処法を順に解説します。

辛いという気持ちを自分のなかにため込まない

営業を辞めたいと思うほど悩んでいるということは、お客様から冷たい対応をされる、ノルマがきつい、長時間労働でなかなか休めないなど、さまざまな辛い思いをしているということです。
営業職において業務内容から肉体的にも精神的にも辛いと感じる場面はたくさんありますが、その辛さを自分のなかにため込んでしまわないようにしましょう。ストレスや辛い気持ちをため込んでしまうと、次の日になっても気持ちを引きずってしまい、仕事が嫌だ、辛い、という気持ちがどんどん大きくなっていき悪循環になります。

嫌なことや辛いことがあっても退勤したら一旦忘れてリフレッシュする、お客様に断られても前向きな気持ちに切り替えるなど、嫌な気持ちを日々ためないことも、営業職として活躍するうえでは重要です。

「ノルマを気にしない」日をつくる

ノルマに対してプレッシャーやストレスが大きく、辛くて営業を辞めたいと思っている場合は、思い切ってノルマを気にしない日を意識的につくってみるのも良いでしょう。たとえば「今週はノルマを気にせず、今担当しているお客様が持っている問題解決のことだけ考えよう」「今月の半ばまでは無理せずリラックスして過ごして、自分の心を大切にしながら仕事しよう」など、ノルマは最重視せずに仕事を進めてみる方法です。
ノルマのプレッシャーから解放されると、忘れていた営業職のやりがいや楽しさを思い出し、次の週や月からは意欲的に営業活動を行えるようになる可能性があります。

同僚の営業成績と比較しすぎない

なかなかノルマが達成できない、周囲の同僚や先輩は着実に売上や契約を上げている、など周囲の営業成績と比較してしまい、自分は成果が出せていないことで辛いと感じているときには、競争意識を持つことは逆効果になってしまいます。
周囲の営業成績と比較しすぎないようにしつつ、自分は今週どれだけ頑張れたのか、過去の自分と比べて少しでも伸びた点はあったのか、手応えのある営業手法を見つけたか、など自分自身が営業職の人材として成長できているかどうかに目を向けてみましょう。

特に営業職は過程は評価されず結果のみが評価されてしまうため、周囲とはどうしても比べられやすくなります。同僚と比較して自分に自信がなくなっているときには、同僚ではなく過去の自分を比較対象にしてみるのがおすすめです。

「楽しく、上手くやれてる仲間」の行動や考え方を取り入れる

自分の周囲で楽しそうに仕事をしていたり、ノルマを毎月クリアしていたりといったように、上手くいっている営業マンの真似をしてみるのもおすすめです。以下のようなポイントで、上手くいっている人の行動や考え方を真似してみましょう。
・どういう方法でお客様にアプローチしているのか
・何時に出社して何時に退社しているのか
・休憩時間はなにをしているのか
・どんな本を読んでいるのか
・同僚や上司とはどんな話題を話しているのか など

上手くいっている人の真似をすれば自分との違いや、なぜ自分は上手くいかないのか、具体的な原因を掴める可能性があります。自分の行動や考え方の改善ポイントが分かるチャンスとなるため、周囲に上手くいっている営業マンがいれば、行動をしっかりと観察し、真似してみましょう。

信頼できる上司や同僚のありのままの気持ちをぶつける

営業職が辛い、辞めたいと思っているときには、実際に会社を辞めてしまう前にまずは気持ちを周囲の信頼できる人に相談してみましょう。上司や先輩、同僚などに正直な気持ちを言ってみることで客観的なアドバイスが受けられたり、自分自身で抱えてしまっている感情や気持ちを整理できたりするため、解決策が見つかることがあります。

「営業職を辞めたい」という気持ちが生まれたときにまず確認しておきたいこと

上記で紹介した、営業職を辞めたいと思っているときの対処法を実践してみても気持ちが変わらない場合、辞めたい・辛いと感じている以上、営業職を仕事として無理に続けることは推奨できません。
とはいえむやみにすぐ現在の営業職を退職し、他の求人に応募、採用されたとしても、その転職先でも「思っていたのと違う」と後悔を重ねてしまうかもしれません。

営業職を辞めたいと思ったとき、退職する前にまずは確認しておきたい各ポイントを以下に解説します。

「仕事に慣れていないだけ」「乗り越えるべき段階」ではないか

未経験から営業職として採用されて働いている場合、最初はなかなか売上や成約といった結果を出すことはできません。営業職へ就職または転職したばかりで上手くいかず、仕事が辛い、辞めたいと感じているときには、仕事や環境にまだ慣れていない可能性が高いです。営業職として働き始めてから3ヶ月から半年程度の場合は、失敗を繰り返したり先輩からアドバイスをもらったりして、徐々に仕事に慣れていく段階です。営業職として仕事を始めたばかり、または1年未満の場合は乗り越える段階だと考え、簡単に退職や転職をせずに経験を積み、営業職としてのノウハウを学んでみましょう。

もちろん3年以上など営業職として十分な期間働いているものの、辛さや辞めたい気持ちが勝っているという場合には、退職や転職を検討しても良いと言えます。

営業職をもし辞めたら、いま感じてる不安やストレスは本当に解消できそうか

今抱えている不安やストレスは、営業職を辞めることで解消できるものなのかどうかを見極めてみましょう。退職や転職をしても、今の不安や悩み、ストレスが解消できない可能性があるためです。

たとえばコミュニケーション能力がもともとない、人と接するのが苦手という人の場合は営業活動そのものが苦痛につながっているため、営業職以外の職種へ転職することで解決する可能性があります。ただし、企業内での他の部署への異動願いを出したり、自分の働き方を変えたりといったように、今の会社を退職せずに解決できる場合もあります。

まずは不安やストレスの原因をしっかりと把握し、解決方法が退職や転職しかないのか、営業職そのものではなく自分自身のスキルレベルや考え方が辛さやストレスの原因ではないかを考えてみましょう。転職や退職で解決できない原因の場合、転職や退職を繰り返してしまい自分のキャリア形成がいつまで経ってもできない、といったデメリットが発生する可能性があります。

具体的に営業職の「何がいやなのか」

営業職を辞めたいと感じたときには、営業職の何に対して不満があるのかを明確にしましょう。営業職の何が嫌なのかを把握することで、自分が抱えている不満や辛さの解決方法を探れることがあります。

前述通り、現在抱えている不満や辛さを営業職を辞めることで解決できるかどうか、現職のままで改善できるかを慎重に考えることが重要です。辛い、辞めたいという感情だけでの即断は避け、自分の能力やスキル、強み、適性、価値観などを自己分析しながら、次にやるべき行動を慎重に検討しましょう。

今までの経験や実績、学びや成長を踏まえた将来のキャリア形成も検討することで、将来の道や目標、働くうえで譲歩できない条件なども明確にできます。自分のキャリア形成の軸を構築し、ブレないように行動することで、現職にとどまるにしろ、転職するにしろ、後悔のない選択ができるようになるでしょう。

営業の離職率は高い? さまざまなデータで確認

営業職は他の職種と比較すると定着率が低く離職率が高い、といった意見を見聞きしたことがある方もいるかもしれません。実際に営業職の離職率は高いのかどうか、さまざまなデータをもとに検証してみました。

厚生労働省発表の令和6年雇用動向調査結果の概要(※1)によると、令和6年の全業種・職種での離職率は14.2%でした。一方で、日本労働調査組合が全国の20代、30代、40代の営業職の男性・女性を対象に行った「営業職の勤務意識に関するアンケート」(※2)によると、最近退職を検討したと回答した人は全体のうち69.6%、20代でみると79.9%、30代が71.8%、40代が56.8%という結果となっています。
職種全体での離職率は20%に満たないものの、営業職では幅広い年代で半数以上の人たちが潜在的に退職を検討したことがある、と分かります。

さらに同調査では、以下が退職を検討する理由として挙げられました。
・第1位が「給料が安い」で33.5%
・第2位が「将来が不安」で31.7%
・第3位が「モチベーション維持」で30.9%
・第4位が「上司や会社のプレッシャー」で23.4%
・第5位が「休みが休みにならない」で22.8%

ただし、過去の同調査では退職を検討した理由の第2位として挙がっていた「長時間労働」が、上記回では第7位となりました。働き方改革による長時間労働是正など、営業分野でも働き方を見直す動きが出ていることが伺えます。

また、営業職の中でも特に以下の業種の離職率が高い傾向にあります。
・不動産業界
・保険業界
・卸売・小売業界
・金融業界

不動産業界や保険業界は取り扱う商品が高額のため、顧客の成約に結びつきにくく営業活動の量が多くなりがちな傾向にあります。また、ノルマの設定金額も高めとなるため、ノルマのプレッシャーやストレスが大きくなりがちという点も背景にあるでしょう。

卸売・小売業界は、既存顧客への営業活動がほとんどのためキャリアアップがあまり望めず、将来への不安を感じて転職を検討する人もいます。さらに、1日に回る顧客の数が多く取り扱う商材の価格が低めのため、激務の割に給料が低くなりがちなことに不満を持つ人も多いと言えるでしょう。

金融業界は特に証券業界の営業活動が厳しい傾向にあります。新規顧客の開拓をするもののなかなか成約に至らず、精神的に疲弊してしまう営業マンも多くいるためです。

結論として、営業職は他の職種と比較すると離職率が高めであることが分かりました。ただし、働いている企業や業界、取り扱っている商材と、働いている本人の適性や性格がミスマッチを起こしている場合もあります。企業そのものに研修体制やフォロー体制が整っていないため、未経験から挑戦した営業マンがなかなか定着しない、といったケースもあるでしょう。

営業職として仕事が辛い、辞めたいと考える背景には、さまざまな理由があります。他の職種と比較して営業職の離職率の高い背景にも、営業職そのものの仕事が辛いのではなく、本人と企業、商材の不一致や働く環境など、さまざまな要因があることを覚えておきましょう。

※1 出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/25-2/dl/kekka_gaiyo-01.pdf
※2 出典:PRTimes / 日本労働調査組合「営業職の勤務意識に関するアンケート」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000074057.html

「辞めたい」と感じたときこそ振り返っておこう!「営業のやりがい・楽しさ」


営業職の仕事は、辛さやストレスだけでなく楽しさややりがいも多くあります。前述の日本労働調査組合「営業職の勤務意識に関するアンケート」でも、営業として働くことで感じるメリットとして、第1位(26.3%)「達成感」、第2位(26.0%)「相手に喜んでもらえる」で、第3位(23.4%)「いろいろな人と仕事が出来る」という回答が挙がっています。

営業職を辞めたいと思うときには、営業のやりがいや楽しさを振り返ることで、仕事へのモチベーションが取り戻せるかもしれません。営業職の仕事上で得られる、やりがいや楽しさを順に紹介します。

努力が成果に直結しやすい

営業職における最大のやりがいとも言えるのが、自分の頑張りや努力が成果に直接結びつきやすいという点です。たとえば自分が多くの顧客にアプローチやフォローを行った結果、売上や契約を多く取れた場合、売上金額や契約数といった明確な数値で成果があらわれます。
企業によっては、出した成績に応じてインセンティブが支払われ収入がアップしたり、表彰や昇給などで評価する制度を設けているところも多いです。自分の努力や頑張りが数字として明確にされるため、大きな達成感が得られるだけでなく、自分自身の成長も実感できるでしょう。

また、営業の仕事に決まったやり方はなく、自分の工夫や努力によってやり方を変えて成果に結びつけることもできます。努力そのものは評価されないものの、努力をすれば結果となって返ってくることや、頑張りが認められるプロセスを体験できることは、営業職の大きな魅力と言えるでしょう。

顧客に直接感謝される

営業職は顧客へただ製品やサービスを売るだけでなく、顧客の悩みや課題を解決する方法として、自社の商材を提案します。顧客へ勧めた商材が顧客の悩みや課題解決に役立ったときには、直接「助かった」「ありがとう」と感謝される機会も多いでしょう。顧客と対面でやりとりをするからこそ、顧客から直接感謝される機会が得られ、営業職としては大きなやりがいにつながります。
また、最初は希薄だった新規顧客との関係性も、取引を重ねるごとに信頼関係が深まっていきます。顧客からの感謝や信頼を得られることは、営業マンとしての大きな収穫であり、財産とも言えるでしょう。

「会社の成長を支える」重要な役割を担える

営業職は頑張った分だけ自分の成績を数値として可視化できるため、評価や年収アップ、自分自身の成長につながるだけでなく、会社全体の利益や成長に自分自身が貢献していることも実感できる職種です。自分が会社を支えている気持ちで仕事に打ち込めることも、営業職ならではのやりがいと言えます。

顧客の成功をも支えることができる

自分が顧客に提案した商材によって、顧客の業務効率化や事業拡大、利益向上などの成功につながることも多いです。顧客に感謝されるのはもちろん、自社だけでなく顧客や顧客の企業そのものの成功も営業職本人が支えているという実感が得られるかもしれません。

あらゆるキャリアにつながる多様なスキルを身に着けられる

営業職は未経験から挑戦できる職種であるものの、営業活動や日常業務を通じて以下のようなスキルを得ることも可能です。
・コミュニケーション能力
・問題解決力
・提案力
・メンタルの強さ
・忍耐力 など

いずれのスキルも、営業職以外のさまざまな職種・業種に活かせるものです。営業職のプロとして管理職を目指すのはもちろん、得たスキルを活用して異業種や他の職種へ転職したり、独立したりといったキャリアの実現もできます。
幅広い職種へ応用できる多様なスキルを身につけられるという点は、今後における、自分の将来的なキャリアを描くうえでも非常に大きく役立つでしょう。

近年はプレッシャーやストレスの少ない「新しい営業のかたち」も浸透

営業職は自分の足で顧客のもとへ向かって飛び込み営業を行ったり、残業は当たり前で長時間勤務をしたり、といったように泥臭いイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし近年では、各企業で営業職の多様な働き方も試みられており、さまざまなタイプの営業職も誕生しています。

営業職を辞めたいと考え転職を検討する場合には、応募先がどのような業務や働き方をとり入れている企業なのかをチェックしておくことも重要です。近年誕生した新しい営業の働き方の特徴を、導入事例や従来型の営業との違いとともに解説します。

リモート営業

リモート営業とは、オンライン会議システム・ツールなどを利用し、オンラインで商談や顧客とのやりとりを行う営業手法です。コロナ禍をきっかけに、非対面非接触の営業手法としてリモート営業が広く浸透しました。アフターコロナ以降も営業職の新しい働き方としてとりいれる企業が多く、リモート営業によって営業担当者の移動時間削減や、拘束時間の削減によるワークライフバランスの向上が期待されています。
またオンライン上で場所を選ばず顧客にアプローチできるため、遠隔地にいる見込み顧客の発掘や、既存顧客への定期的なフォローの効率化も可能となりました。

リモート営業は、特に顧客への継続的なフォローが必要となる、SaaS商材を取り扱う企業を中心に導入されています。企業によっては営業メンバー全てを対象にリモート環境で働く体制を整備し、営業活動で発生する負担の軽減につなげています。その結果、営業職の定着率アップと離職率の低下、コスト削減の両立も実現しています。

フレキシブルな勤務時間

営業職の離職率が高い理由のひとつに、残業の常習化や顧客の都合に合わせて発生する長時間労働、トラブル発生などの対応を行う休日出勤など、負担のかかりやすい勤務時間体制がみられます。劣悪になりがちな営業職の勤務体制を改善するために、フレキシブルな勤務時間の導入を行っている企業もあります。

たとえば、業務開始時間や終了時間を自由に設定できるフレックスタイム制度は、多くの企業が導入しています。顧客の都合に合わせたスケジュールを組みやすくなり、無駄な待機時間がなくなり、全体的な業務時間の短縮にもつながるでしょう。また、育児や介護、通院など自分の都合によって勤務時間を調整することも可能なため、仕事とプライベートの両立や、ライフワークバランスの実現もしやすくなりました。フレキシブルな勤務時間は、営業職社員の満足度向上につながり離職率が下がるだけでなく、会社の生産性向上や業務効率化にもつながります。

成績評価から努力評価へのシフト

営業職は、売上や契約数といった実績が評価される「成果主義」を採用している企業が一般的です。成果主義では営業職の収入に直結するやりがいや達成感が得られるメリットがある一方で、ノルマや過度なプレッシャーによるストレスも生んでしまい、離職率を上げる要因のひとつとなっています。

営業職の精神的な負担を減らし離職率を下げるために、成果主義から努力主義へのシフトを行っている企業もあります。たとえば実際に出した売上や契約数のほかに、以下のような営業活動における過程での行動や努力を数値として記録し、評価対象とするのが努力主義です。
・顧客訪問回数
・商談回数
・資料作成への取り組み など

成績だけでなく営業活動の過程そのものが正当に評価されることで、営業職の自信ややりがいにもつながるでしょう。

個人負担を軽減するチーム制営業

営業職は個別でそれぞれの顧客を担当することも多く、ひとりに多くのストレスや負担がかかってしまうこともあります。個人にかかる業務負担を軽減する目的で、個人制ではなくチーム制営業を試験的に取り入れる企業も増加しています。

チーム制営業とは、チームで顧客対応や案件を担当する営業スタイルです。チームで営業活動を行うことで、営業職個人にかかる負担を軽減できるだけでなく、より戦略的な営業活動も展開できるというメリットもあります。顧客への対応やアプローチに関して悩みや課題が発生した場合でも、チームメンバーにすぐに相談できる体制が整っているため、コミュニケーションの活性化による営業職のメンタルケアにも有効です。すでにチーム制営業を導入している大手不動産企業ではチーム制営業の導入後、導入前よりも営業職の離職率が大幅に減少したという事例もあります。

どうしても「向いていない」「辞めたい」と感じたら、転職も自分のための選択肢!

さまざまな改善策を行ったり、自分のやり方を変えたりといった対応を行ったとしても、「営業職は辛くて辞めたい」と思ったときには、自分の適性や能力をより活用できる、社内の別の部署への異動を検討するといった方法もあります。信頼できる上司に相談してみましょう。

一方で、営業職そのものには大きなやりがいがあるものの、職場の上司のプレッシャーが辛い、正当な評価が受けられず将来が心配、など現職の企業では環境を変えるのが難しいという場合には、転職を検討するのがおすすめです。

転職活動には多くの方法がありますが、現職を続けながら転職先を探したいときや、年収アップやキャリアアップも見据えた転職を実現したいときには、転職支援のプロである転職エージェントの利用がおすすめです。転職エージェントを利用することで、面接対策や履歴書、職務経歴書作成のサポートなどが受けられるだけでなく、人気企業などの非公開案件の紹介を受けられることもあります。

営業職としての転職を成功させるために覚えておきたい、転職エージェントにできることを順に紹介します。

他の会社の営業職へ転職

営業職として、同業種の他社へ転職する方法です。競合となる他社へ転職すれば、今までの営業職として培ってきた経験や身につけたスキルをそのまま営業活動に活かせます。
企業側からも即戦力として期待されるため、転職後にスムーズに仕事がスタートできる、仕事環境にも早く慣れやすい、といったメリットを得られるでしょう。場合によっては、今まで作った人脈や既存の取引先を活かして、転職後の早い段階から継続的な取引のある顧客を獲得することも可能です。

ただし、転職前と同じようなポジションへ転職した場合、企業が変わっても転職前に辛いと感じたことが変わらず残った、という結果になる可能性があります。たとえばノルマがきつい、プレッシャーが辛い、給料が低い、といったことが不満で同業他社の営業職に転職したものの、転職先でも同様の悩みや辛さを持ってしまう可能性があります。
取り扱う商材やターゲットの顧客もさほど変わらないため、企業の風土や環境、やり方なども似ている可能性が高いためです。同業他社への転職を検討する場合には、転職先企業の働き方や給料、環境などのリサーチは徹底して行いましょう。転職エージェントを利用すれば、あらかじめ求人企業の情報を得ることも可能です。

なお、同業他社に転職するときは「競業避止義務」の定めが就業規則にないかどうか確認するようにしましょう。競業避止義務とは、同業他社にとって有利になる行為、同業他社を設立する行為等、いわゆる競業行為を行わない義務のことです。競業行為は自社の不利益となるリスクが高いことから、多くの企業が禁止しています。また競業避止義務の定めがなくても、他社に転職したことに対して顧客から不信感を持たれてしまう可能性もあります。

営業職の経験を活かしたキャリアチェンジ

営業職では、コミュニケーションスキルや交渉力をはじめとした、他業種にも活用できる多くのスキルを身につけられます。営業職で得た能力やスキル、経験を活かして、異職種や未経験の職種に挑戦するのも選択肢のひとつです。営業職でのスキルを活用すれば、異なる職種でも活躍でき、高い評価を得られるでしょう。また今まで経験のない職種に就くことで、新しいスキルの習得や、適性や将来を考えた新たなキャリアプランの形成も期待できます。

ただし、営業職での経験や身につけたスキルがあるものの、未経験の場合は即戦力とみなされないことから、転職前よりも年収がダウンしてしまう可能性も高いです。未経験で即戦力としてみなされるには、関連する資格の取得を検討する、職種の専門知識や業界について勉強しておく、といった対策を行っておきましょう。

職種は営業職のままに、異業種の営業職へキャリアチェンジする方法もあります。営業職は営業のスタイルや顧客へ提案する商材によって、働き方や職場環境、雰囲気、営業手法が大きく異なってきます。今の働き方や環境に不満がある場合には、異業種の営業職へ転職するのもひとつの方法です。

たとえば既存顧客と長期的に取引を行うルート営業を行っていて、業務がマンネリ化していてやりがいがない、商材の価格が高くノルマがきつい、といった不満を持っている場合、新規開拓営業や反響営業を行う営業職へ転職する方法があります。新規顧客への積極的なアプローチができるほか、ルート営業では身につかなかった営業手法やスキルの取得も期待できるでしょう。

自分の強みや適正、得意または苦手なことを踏まえて、自分に合う営業スタイルや企業への転職が実現できれば、より営業職として成長しつつ、日々充実して働くことができるでしょう。営業職に強い転職エージェントを利用することで、自分の適性や得意分野、希望する働き方などを踏まえた求人の紹介を受けることも可能です。

これから営業職へチャレンジする人も、活躍中の人も「辞めたい」と感じたら自分のための最良の選択を

営業職を辞めたいと考えるシーンや理由、辞めたいと思ったときの対処方法や、営業の離職率が高い背景などについてまとめて解説しました。
営業職を辞めたいと思う背景にある要因にはさまざまなものがあり、自分の行動・意識の見直しや社内の異動で解決できるものもあれば、転職が解決策になるものもあります。
辞めたいと思ったら簡単に辞めてしまう前に、冷静に将来を見据えたうえで、最良の判断をしましょう。

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この記事の監修者

荒川 翔貴

学生時代に100名規模の営業団体を設立後、大手メーカーで新人賞、売上4,000%増を達成。その後人材業界に転身し、ベンチャー企業にて求職者・企業双方を支援。プレイヤーとして社内売上ギネスを塗り替えながら、3年で事業部長に昇進し組織マネジメントも経験する。

 

現在は株式会社9Eのキャリアアドバイザーチームリーダーとして、入社半年で再び社内ギネスを更新するなど、常に成果を追求し続けている。▶︎詳しく見る

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