営業支援に役立つAIツールの活用方法とは?具体的な事例や導入手順、注意点も解説
2025年は「AIエージェント元年」とも言われ、AIテクノロジーが急速に進化しており、さまざまな業務で変革をもたらしています。特に企業はDXを推進しており、デジタル技術を活用して変化に対応できる経営・ビジネスの実現を目指しています。その背景から、AI関連技術が次々と導入されており、営業職でもそのスキルが求められるようになりました。
本記事では、営業支援に役立つAIツールの活用方法や導入手順、注意点を解説します。AIツールを知り、上手に活用して生産性を高めれば、営業活動において多くのメリットを得ることができます。また、成功事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
9Eキャリアの転職支援サービス
9Eキャリアは、営業職の中でも将来性の高い職種に特化して転職支援を行っています。
具体的にキャリアチェンジ・キャリアアップしたい職種が決まっている方は、下記よりご選択ください。
現時点で職種が決まっていない場合は、転職の目的から最適な職種をご提案します。
営業AIツールとは
営業AIツールとは、営業プロセスをAI(人工知能技術)によって効率化するツールのことです。AIはユーザーから与えられた指示に基づいて、さまざまな作業を自動で行います。では、AIツールを使うことで具体的にどのようなことが行えるのでしょうか。最初にAIツールの機能について解説します。
営業AIツールの基本機能
営業AIツールは、単独で存在するほか、SFA(営業支援システム)や、CRM(顧客関係管理システム)の一部として備わっているものがあります。主に以下の機能が搭載されています。
・文書自動生成機能
指示された内容の文書を自動で生成する機能です。AIには自然言語処理(NLP)が備わっており、ユーザーの指示した内容を理解して文書の自動生成が行えます。例えば「毎週金曜日13時から1時間、A社との打ち合わせをスケジュールするメールの文面を作成して」「この議事メモを要約して」といった形で、文章を自動的に生成できます。
・音声自動文字起こし機能
インサイドセールスでのオンライン会議では、商談の音声をテキスト化します。商談の内容の要約や、重要ポイントの洗い出し、問題やToDoの整理なども自動で行えます。また、内容をもとに議事録やメール、日報などの自動生成も可能です。
・データ分析機能
SFAやCRMといった営業支援システムに蓄積されている顧客情報、過去の商談履歴などの情報を分析し、顧客のニーズに合った提案内容を提案します。例えば商談の進行状況に基づいて、成約確度の高い製品の提案や代替プランなどを提示します。
営業AIの活用事例を紹介

すでに営業AIツールを使って、営業課題を解決している具体的な事例があります。ここでは、その一部を紹介します。
顧客データ入力の自動化
名刺交換によって得られる顧客情報や、商談内容を営業システムに登録する作業は、営業担当の大きな負担です。AIツールを使用すれば、システムへのデータ入力も自動で行えます。例えば名刺をスマホで撮影すれば名前や会社名を自動で読み取り、自動的にシステムへの連携を行います。手作業で営業システムに登録を行うよりも作業時間および入力ミスの削減につながります。
提案書や議事録などの文書自動生成
営業プロセスの中では、非常に多くの文書を作成します。特に顧客との商談において必要な提案書や、商談内容の議事録は、必ず作成するでしょう。AIツールを使用すれば、これらの文書を自動作成できます。例えば議事録の作成を自動でできると商談中にメモを取る必要がなくなるだけでなく、要約やその後のアクションなどもまとめてくれるので、負荷軽減に大いに役立ちます。
データ分析に基づいた営業戦略の提案
営業経験が浅い時期は、顧客へ「いつ」「何を」提案すればよいか判断が難しいでしょう。AIツールを使用すれば、過去の受注データを分析して受注確度を予測し、適切な提案を行ってくれます。例えば「今この商品を提案すれば成約確度が高い」「この企業は解約のリスクが高まっている」といった提案が得られるので、経験の浅い営業担当でも質の高い営業活動が行えます。
営業AI導入のメリット

これまで紹介したAIツールの機能や活用事例のもとに、AIツールを活用することのメリットを解説します。
大量データの有効活用
AIツールでは、これまでシステムに蓄積されている顧客データや営業データなど、大量データをインプットして分析し、効果的な情報を簡単に引き出すことが可能です。顧客の行動履歴をもとに精度の高いマーケティングについても提案してくれ、長期的な営業戦略の改善や顧客満足度向上にも活用できます。
サービス品質の向上
システムにデータとして登録しさえすれば、担当者の頭の中にあった情報や経験、過去失注した内容も含めて、顧客に合わせた提案・支援が得られます。これまで営業といえば、担当者の能力や直感によって行ってきた部分が多くありました。AIを導入すれば、大量データの分析に基づいた営業活動ができるので、品質を向上させ、成果を最大化することが可能になります。
作業の効率化
システムへの顧客データの入力や文書作成、スケジュール調整などの作業をAIに任せることができ、大幅な作業の効率化が実現できます。従来では、日中に商談し、商談が終わって帰社後に残業しながら文書作成や次の商談準備をしておく、というスケジュールが日々続くというケースも少なくはありませんでした。これでは営業職に対してブラックな印象を持つ人もいるでしょう。AIを活用すれば作業時間・負荷を軽減して人材リソース不足を補うことができ、余裕をもった営業活動が行えるようになります。
営業AIの導入ステップを具体的に解説

AIのメリットを考えると、導入を検討したいと考える人もいるでしょう。しかしツールを導入するには、押さえておかないといけないステップがあります。実際に営業AIツールを導入するには、具体的にどうすればよいでしょうか。ここではツールの導入手順について解説します。
導入の目的およびゴールの設定
営業ツールを導入する中で最初に行うべきことは「導入目的およびゴールの設定」です。現在の自社の営業活動における課題を整理し、解決するための目的を設定しましょう。また、例えば作業時間の削減が目的であれば「データ入力や文書作成に平均4時間かかっている作業時間を、半分に削減する」とゴールも合わせて設定することで、導入効果を確認しやすくなります。
導入するAIツールの選定
目的が決まったら、目的にあわせたツールを選定していきます。営業ツールは非常に多くの種類があるため、必要な機能があるかきちんと見定めることが重要です。選定時には使いやすさや費用対効果なども確認しておきましょう。無料で利用できる試用版があればそれを利用するのがおすすめです。
特定の組織で試験的に導入、効果の検証
ツールの導入は、利用する組織を限定してスモールスタートで行い、効果を検証しましょう。最初から広範囲にツールを導入するとトラブル発生時の影響が大きく、営業活動全体に影響を及ぼしかねません。小規模から始め、効果の検証を行いながら少しずつ導入範囲を広げていきましょう。また、都度ツールの利用による問題点を洗い出し、フォローする体制を整えることも重要です。
全社展開、定着化
ある程度フォロー体制がととのい、ツールの効果も確認出来たら、全社展開して効果を最大化します。具体的には、マニュアルを整備し、ツールの使い方や利用時のルールを学ぶための勉強会を行っていきます。また、ツールの利用を定着化させるため、活用事例やノウハウを蓄積し、共有しましょう。
おすすめ営業AIツール10選

ここでは、営業ツールの中でも特にAI機能を活用したものを10個紹介します。大企業向けのものや使い勝手に定評があるもの、営業プロセスにあわせてカスタマイズ可能なものまであります。参考にしてみてください。ツールの詳しい情報が知りたい場合は、各ツールの公式サイトをご確認ください。
Microsoft Dynamics 365 Sales
「Microsoft Dynamics 365 Sales」は、マイクロソフト社が提供するCRM ソリューションです。大きな特徴としてAIツール「Copilot」が統合されている点や、OfficeツールであるMicrosoft 365と親和性が高いことが挙げられます。使いやすさとAIによる作業効率の高さの両面から、多くの企業で採用されています。
Salesforce
「Salesforce」は、世界で高いシェアを誇るSFA・CRMプラットフォームです。AI機能「Einstein(アインシュタイン)」が統合されており、クラウド上で一元管理されたデータをもとに、さまざまな分析やアクションの提案が行えます。
HubSpot
「HubSpot」は、マーケティングから営業・カスタマーサービスまで一連のプロセスを統合管理するプラットフォームです。AIツール群「Breeze」が備わっており、顧客対応やコンテンツのパーソナライズといったさまざまな作業向けのAIエージェントが利用できます。世界135か国以上27万8,000社を超える導入実績があり、信頼性・安定性が高いツールといえるでしょう。
GENIEE SFA/CRM(旧名:ちきゅう)
国産SFA/CRMツール「GENIEE SFA/CRM(旧名:ちきゅう)」は、株式会社ジーニーが提供する営業支援ツールです。国産ツールということもあり、日本の営業現場にあわせた豊富な機能が備わっています。AI機能も搭載されており、過去のデータを分析したうえでの次のアクションの提示や、議事録やメールの自動作成も可能です。
JAPAN AI SALES / JAPAN AI MARKETING
AIプラットフォームを手がけるJAPAN AI株式会社は、SFA/CRMと連携しての入力工数を大幅に削減する「JAPAN AI SALES」と、マーケティングプロセスを効率化する「JAPAN AI MARKETING」を提供しています。AI技術に強い企業が開発しているため、さまざまなモデルが扱えるなど強力な機能が利用できます。
Sansan
「Sansan」は、名刺管理だけでなく企業情報、営業履歴を一元管理するツールです。AIエージェントが提供されており、Sansan以外の営業システムとの連携が可能です。また、Sansan MCPサーバーも提供されているため、Microsoft Copilotなど、他社の生成AIツールと連携してSansanのデータを有効活用できます。
MUSUBU
「MUSUBU」は、日本最大級の企業情報データベースです。AIにより企業の求人情報や関連資料、ニュースなど最新情報を素早く収集し、取得することができます。特に新規開拓やターゲットリストの作成に活かせ、営業活動の効率化に繋がります。
Mazrica Sales
「Mazrica Sales」(マツリカセールス)は、直感的に使えるUI/UXで使いやすさに定評があるSFA/CRMツールです。AI機能「Mazrica AI」は、目標に対する実績を可視化する「余日管理機能」、とるべきアクションを提示する「インサイト機能」、営業担当者の強み・弱みを可視化する「セールスメトリクス機能」が備わっています。
Sales Crowd
「Sales Crowd」は、 株式会社Sales Crowdが提供するSaaS型の営業支援プラットフォームです。1万社以上の支援実績をもとに、企業にあわせて必要な機能のみを備えたカスタマイズが可能です。また、法人データベースからAIによるターゲッティング機能をもとに、ターゲットに合った顧客を自動でピックアップし、リストを作成することもできます。
アポドリ
「アポドリ」は日程調整に特化した営業AIエージェントです。対象顧客のリスト作成やアプローチ実行、活動分析まで営業AIが人の代わりに遂行してくれます。企業の営業プロセスにあわせてカスタマイズも可能なため、商談獲得数の向上が期待できます。
営業AIツールの選び方

営業AIツールを選ぶ際は、最低限以下の観点を押さえましょう。
・目的の機能が備わっているか
・他システムとの連携が可能か
・セキュリティ対策は十分か
それぞれ詳しく見ていきます。
目的の機能が備わっているか
導入時に組織や営業活動における問題を整理し、その問題を改善できる機能が備わっていることが重要です。ツールは目的によってさまざまな種類が存在します。ツールの機能をしっかりと見定めるとともに、使いやすいものを選ぶと、ITに不安な人でも安心です。
他システムとの連携が可能か
SFAやMA、CRMなど、すでに他システムを利用している場合は、連携が可能なツールを選択しましょう。データ連携ができれば一元管理が可能となり、導入や管理の負担を抑えられます。
セキュリティ対策は十分か
営業活動においては顧客情報など機密性の高い情報を取り扱うため、セキュリティ対策が十分備わっている物を選択しましょう。導入実績や口コミ・評価を見ると、信頼性が高いツールを選択できる可能性が高まります。
メーカーのサポート体制は整っているか
営業AIツールを提供するメーカーのサポート体制を確認しましょう。具体的には、問い合わせ方法、問い合わせの受付時間をチェックします。メーカーが海外企業の場合、日本語による問い合わせが可能かどうかも見ておくとよいでしょう。トラブルが発生したときに迅速にやりとりができることを重視したうえで、日本国内でメーカーサポートが受けられる企業を選んでおけば安心です。
営業AI導入の注意点

AIは大変便利な機能ですが、押さえるべき注意点があります。利用する際には、ここでご紹介する点を忘れないようにしましょう。
最終的な判断は担当者が行う
AIは大量データを分析し自動生成やアクションの提案を行いますが、その判断が絶対正しいとは限りません。例えば使用したデータに偏りがあったり、外れ値が多く存在したりすると、誤った内容を生成・提示することもあります。AIはあくまで支援ツールであり、出力された内容を確認したうえで、どう扱うか最終的な判断はAIを利用した担当者が行うようにしましょう。
費用対効果を意識する
一般的にAIツール導入には費用がかかるため、費用対効果を見極めることが大切です。ツールによっては、料金プランごとにAI利用回数が異なっていたり、AIクレジットは別途追加での購入が必要になったりする場合もあります。そのため、ツール導入後は必ず効果を測定し、費用に見合った効果が出ていることを確認するとよいでしょう。
運用体制を整える
新たにツールを導入した場合は、組織内にツールの利用を定着させるため、運用体制を整える必要があります。利用者がツールを有効活用できているかについての定期的なモニタリングや、トラブル発生時に対応するための問い合わせ窓口の設置を行いましょう。営業担当者向けに使い方・利用ルールの研修などを行うことも有効です。
営業AIに関するよくある質問

最後に、営業におけるAI導入・活用についてのよくある質問をご紹介します。
営業でAIを導入するにはどうすればよいですか?
営業AIツールを導入するには、以下の流れで行うとよいでしょう。
1.現在の営業活動における課題や改善点を洗い出し、ツール導入の目的を定める
2.導入するAIツールを選定する
3.小規模の範囲で試験的に導入し、効果の検証を行う
4.組織全体に展開し、定着化を進める
重要なポイントは「導入目的を定める」こと、「小規模な範囲で導入し、徐々に展開範囲を広げる」という点です。ツールを導入しても、問題が改善されなかったり、ツールが使われなかったりしては効果がありません。しっかり導入効果が得られるよう、ポイントを押さえましょう。
AIで営業にできることは何ですか?
AIツールを使用すれば、営業活動で頻繁に行う作業の自動化や効率化を実現できます。例えば以下の作業が挙げられます。
・営業リストや提案書などの文書の自動生成
・メールや問い合わせフォームなどの自動送信
・顧客データの傾向や予測分析
ただ、AIツールはあくまでも「支援」です。AIが出力した結果は、必ず確認しましょう。
営業AIツールでできないことは何ですか?
営業AIツールは、人間関係の構築や、ゼロから物を作り出す創造的なアプローチはできません。あくまで与えられた指示をもとに過去のデータに基づく一般的な提案のみを行います。顧客との関係構築はAIではできないため、営業職は「コミュニケーション能力」が重要な武器になります。
営業AIを活用して一歩進んだ営業活動をしていこう
これまで営業職は「毎日残業でブラック」なイメージを持たれていたかもしれませんが、AIツールの普及により、効率よく作業ができるようになりました。AI技術によって定型業務は効率化できるようになったものの、営業職は「コミュニケーション能力」や「創造力」がより一層求められるようになっています。
「AIは人間の仕事を奪う」とよく言われますが、営業職の仕事で必須となるコミュニケーションはAIではできないため、仕事が奪われることはありません。むしろAIは効率よく営業活動するうえでの強力なパートナーといえるでしょう。
9Eキャリアで後悔のない営業職転職を
9Eキャリアは、営業職への転職に特化した転職エージェントです。営業未経験者にも対応しており、キャリアの棚卸しから書類添削、面接対策、検索では見つからない非公開求人の紹介まで一貫して無料で支援しています。
また、営業職への転職に特化した”求職者のことを1番に考える”伴走型転職エージェントです。
①“特化型”だからできる、他では出会えない厳選求人
②企業の裏側まで熟知したエージェントによる支援
③書類も面接も通過率が上がる、伴走型の転職支援
という特徴があります。
9Eキャリアの転職支援サービス
具体的にキャリアチェンジ・キャリアアップしたい職種が決まっている方は、下記よりご選択ください。
現時点で職種が決まっていない場合は、転職の目的から最適な職種をご提案します。
この記事の監修者
荒川 翔貴
学生時代に100名規模の営業団体を設立後、大手メーカーで新人賞、売上4,000%増を達成。その後人材業界に転身し、ベンチャー企業にて求職者・企業双方を支援。プレイヤーとして社内売上ギネスを塗り替えながら、3年で事業部長に昇進し組織マネジメントも経験する。
現在は株式会社9Eのキャリアアドバイザーチームリーダーとして、入社半年で再び社内ギネスを更新するなど、常に成果を追求し続けている。(▶︎詳しく見る)