内向的だから営業に向いてない? 不向きだとされる理由と内向的な人が持つ営業職に役立つ適性を解説

内向的な性格の人は営業に向いてないといわれがちです。見知らぬ人とのコミュニケーションを成立させて商談につなげる姿から、営業職が外交的な人にこそ向いていると思われるのも無理はありません。しかし、内向的だから一律に営業に向いてないわけではなく、営業職で成功している内向的な人が少なくないことも事実です。この記事では、内向的な性格が営業に向いてないとされる理由と、内向的な人が持つ営業職に役立つ適性について解説します。

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そもそも内向的な性格とは?

内向的な性格が営業に向いてないか否かを考えるにあたって、そもそも内向的な性格とはどのような性格を意味するのかを確認しておく必要があります。

内向的な性格とは興味が自身の内面に向いていること

内向的な人といえば、控えめで自分の主張をしない人、対人関係に消極的な人といったイメージが浮かんできます。人によってイメージする姿は異なるとしても、内向的な性格を定義するなら「外部よりも自己の内面に興味が向いている性格」といえるでしょう。そのため、他人の目からは人とのかかわりを避けているように見えるケースもあります。

とはいえ、あくまでも興味が向いている方向が主として自分の内側だというだけであり、外部を拒絶しているわけではなく、対人恐怖症でもないという点に注意すべきです。外向的な性格の人とは異なり、かかわる人が多くないことによる経験値の少なさが対人関係に影響することはあるかもしれません。しかし、他人との間でしっかりとした関係性を構築する能力の有無とは別の話です。

内向的な性格であっても、人間関係の構築は問題なくできます。それどころか、大勢とワイワイやるよりも少数とじっくりと付き合うことで、より深い関係の構築も可能です。

静かな居場所を好む

内向的な性格の人は人見知り、引っ込み思案といった言葉で表現されることもあるように自己主張が強くなく、物静かで静かな居場所、環境を好む傾向が強いといえます。そのため、他人とかかわらない仕事が向いていると誤解されやすく、これが営業に向いてないといわれる原因のひとつです。

なぜ内向的だと営業に不向きだとされるのか?

内向的な性格が営業に不向きだとされる一般的な理由について解説します。

コミュニケーションが苦手

イメージについて述べたように、見た目が静的である内向的な人は、他人とのかかわりに消極的でコミュニケーションが苦手という画一的な評価をされやすい存在だといえるでしょう。

営業職といえば顧客とのコミュニケーションが重要な仕事・職種です。初対面の相手によい印象を与え、継続的に関係を構築する必要があります。しかも、友人を作るためにコミュニケーションをとるわけではなく、自社の商品・サービスを提案し、売らなければなりません。場合によっては利害が衝突する場面の調整も必要です。内向的な性格によってコミュニケーションが苦手になるのであれば、このような任務を背負っている営業には不向きとされるのも仕方ないでしょう。

積極性に欠けるというイメージ

内向的な人は外向きの行動に出にくい、積極性に欠けるイメージがあります。営業は顧客に対する積極的なアプローチが欠かせない仕事です。とくに、タイミングに左右される商談や他社との競合が厳しいケースではタイムリーな活動が重要で、出遅れが致命傷になりかねません。

したがって、活発な行動や精力的なアプローチといった意味での積極性に欠ける内向的な性格は、営業に向いてない理由のひとつだと評価されやすいといえるでしょう。

協調性に欠けるイメージ

内向的な性格の人は興味が自己の内面に向いているため外部との協調性に欠けるイメージがあります。
・外部には興味がなく意識が向かない
・興味がないから外部との関係に重要性を感じない
・興味がないから外部の課題に気付かないしソリューションも浮かばない
・興味がないから外部へのアプローチに乗り気にならない
以上のような傾向があると考えられていることから、顧客との関係性に即した職務遂行や商談、決断に向いておらず、また社内の連携も不足するため営業に不向きだとされています。

数字のプレッシャーに耐えられない

静的な見た目の内向的な性格は、プレッシャーに弱いイメージを持たれがちです。営業職は日々数字との戦いでもあり、予算達成の重圧は相当なものがあるといえるでしょう。そのため、プレッシャーに弱いと思われている内向的な性格は、数字に追われる日々に耐えられず、営業職に向いてない理由になりやすいのです。

営業マンに対する固定観念

そもそも営業マンとは社交的で顧客に対し積極的でガンガン攻め、次から次へと飛び回る動的な存在であるという固定観念があることは否定できないでしょう。顧客だけでなく社内からも無理難題を押し付けられ、対応に追われる超多忙なイメージがあります。その対極ともいえる内向的な性格が営業に向かないと考えられるのは自然なことかもしれません。

営業職といってもさまざまで向き不向きも一律ではない

内向的な性格が営業に向いてない理由を見てきましたが、イメージとしては納得できるものの、どの理由もすべてのケースに該当するものではありません。内向的な性格が営業に向いてないと思っても、営業にはさまざまな種類があり、内向的な性格に向いている営業職がある可能性もあります。ここでは内向的・外向的の観点から営業職を対面営業と非対面営業の2種類に分け、それぞれの代表的な営業職について見ておきましょう。

対面営業

対面営業とは文字通り顧客と差し向かいで行なう営業職のスタイルです。対面営業には主として以下の職種があります。
・フィールドセールス
一般にイメージする営業、外勤営業です。担当エリア内の顧客を直接訪問します。1日に何件もの顧客を訪問し、その間の移動時間も必要なことから飛び回るイメージが強い営業職です。

オーソドックスな営業職の任務として、新規開拓から取引先となった後のフォローまで、幅広い業務を担当するケースが多いといえます。その一方で、営業プロセスの分業化が進んでいる企業やプロジェクトにおいては、インサイドセールスが育てた顧客の商談、クロージングを任務とする特化型の職種としての存在感を強めているところです。

・リテールセールス
リテールとは一般消費者に対する小売りを意味しており、リテールセールスはいわゆる販売職のことです。店舗などの拠点内でのみ活動し、来客を待って対応する点で営業職とは別の職種だとする考え方もあります。しかし、個々の販売員にノルマ(または販売目標)が設定されるケースなどでは、営業職と呼んで差し支えないでしょう。リテールセールスは一度に多くの顧客を相手にする点が特徴のひとつです。

・イベントセールス
イベントセールスは展示会などのイベントにおいて接客を担当する営業スタッフです。限られた空間と時間のなかでの営業活動となることから、必ずしもイベント中に売上を作るわけではありません。イベントでリード(見込み客)を獲得し、その後の商談につなげるケースも一般的です。

非対面営業

非対面営業は顧客と対面しない営業職です。内向的な人には対面営業よりも取り組みやすい営業職のスタイルだといえるでしょう。ただし、ここでいう非対面とは現実空間で顔を突き合わせないことを意味しており、Web会議システムなどで顔を合わせる可能性はあります。
・インサイドセールス
インサイドセールスは内勤営業の一種です。営業プロセスの分業化が進んでいる会社やプロジェクトにおいて、顧客との信頼関係を構築し、フィールドセールスが商談を詰めてクロージングしやすい段階までリードナーチャリング(育成)を行います。また、外勤営業を必要としないSaaSなどのサブスクリプションサービスでは、営業プロセス全般を担う職種として注目されているのがインサイドセールスです。

インサイドセールスの業務遂行には電話やチャット、Web会議システムなどのコミュニケーションツールの活用が欠かせません。

・カスタマーサクセス
カスタマーサクセスは契約締結に至った既存客に対し、自社商品・サービスの導入支援や活用支援を実施する営業職です。営業プロセス分業化の現場ではフィールドセールスから顧客を引き継ぎます。アップセル(上位商品・サービスの販売)やクロスセル(関連商品・サービスの販売)を推進して数字を作る責務を負っているケースも少なくないようです。

・オンラインセールス
Webで営業を行うのがオンラインセールスです。インサイドセールスに似ていますが、オンラインセールスは営業プロセスの分業化とは直接関係がありません。また、SaaSなどのサブスクリプションサービスに限った職種でもなく、あくまでもオンラインで営業活動を行う職種です。外勤営業のフィールドセールスに対して内勤営業のインサイドセールスがあることにならえば、リアル店舗で営業を行うリテールセールスの対極にあるのがWeb店舗のオンラインセールスだといえるかもしれません。

営業職で役立つ内向的な人の性質

内向的な性格の人が持つ営業職に役立つ性質について解説します。

傾聴力がある

内向的な性格の人は多くの場合、自分から押していくタイプではないため、話すよりも聴くことが得意な傾向が見られるようです。この傾聴力があることにより、顧客のニーズをしっかりとヒアリングできます。

探求力がある

外向きよりも内向きな内向性は、幅広い対象をターゲットにするのではなく、数は少なくても物事を深く考える性質、探求力につながっています。顧客の課題や解決策をじっくりと検討する力です。

慎重さがある

内向的な性格の人はトラブルを避けたい気持ちが強いといわれており、さまざまな角度から最適解を吟味する慎重さにつながっています。商談成立には欠かせない能力のひとつです。

粘り強さがある

内向性は短期に結果を求めない性質でもあり、探求力とともにひとつのことにじっくりと取り組む姿勢につながります。粘り強く顧客との関係を築き、ゴールを目指すことが可能です。

押しが強くない

押しが強いことが営業の条件のようにいわれることがありますが、すべてのケースで押しの強さが必要なわけではなく、逆効果になることもあります。内向的であることは冷静で客観的な目を持つことにつながることから、押し売り感がなく、顧客ニーズに対する柔軟な対応が可能です。

内向的な人が営業職を考えるときに注意すべきポイント

内向的な人が営業職への就職・転職を考えるときに注意すべきポイントについて解説します。

自分の苦手意識を再確認する

営業職への就活や転職活動において、対面だと実力を発揮できそうにない、飛び込み営業よりも待ちの営業が合っているといった苦手意識や合っていそうな点を再確認することが重要です。自分を知ることで数ある営業のなかからより適性の高い職種を選ぶことができます。逆にいえば、拙速な選択は営業職としての自分の可能性を損ねることになりかねません。

業種・商材・営業スタイルを考える

内向的な人の性質により適しているといえるのは、時間をかけて顧客に寄り添う営業、入念な準備で臨む営業だといえるでしょう。たとえばBtoBの大型商材や基幹システムといった中長期のスパンで成果を求める営業職があります。

また、ライフスタイルと顧客の置かれた状況の変化に対応する個人向けの保険商品などなら、時間をかけて顧客に寄り添うことが重要であり、内向的な人の性質をフル活用できるでしょう。データ重視のアプローチを前提とする営業も同様で、結果を出すスピードが求められる飛び込みメインの新規開拓営業が無理な人でも活躍できる可能性があります。

たいていの業務は慣れる

営業職に就いている内向的な性格の人は少なくありません。転職可能な職種に営業職が多いこともありますが、たいていの業務は慣れるものだからです。最初は戸惑う部分が多かったとしても、次第に慣れて続いている側面があります。

優秀な営業マンとして顧客と折衝する姿からは社交的なんだろうなと思える人が、プライベートでは他人とうまく喋れないケースがあるように、続けていればその先に大きな成功が待っている可能性も考えられます。ただし、どうしても無理そうなら別の道を選ぶことも重要です。

営業職に特化した転職サービスの活用

最終的に営業職に転職するしないはともかく、後悔しない選択を助ける手段として営業職に特化した転職サービスの活用をおすすめします。

たとえば9Eキャリアなら、特化型だからこそより自分にマッチした営業職への転職サポートを受けられるでしょう。

内向的だから営業に向いてないと決めつけずに自分に合った営業職がないか探してみよう

「営業職に興味はあるけど自分は内向的だから向いてないだろう」と思っていたとしても、やってみれば営業職が合っていたというケースは少なくありません。初めから決めつけて諦めるのはもったいない話です。まずは特化型サービスに相談するなどして、自分に合った営業職を探してみましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

未経験から営業職を目指している方も、まだ迷われている方も転職ご検討されている方はまず会員登録いただき、面談のご予約をお願いいたします。

これまでのご経験やご志向性をお伺いさせていただいた上でキャリアプランや具体的な求人をご提案させていただきます。

 

 

 

この記事の監修者

荒川 翔貴

学生時代に100名規模の営業団体を設立後、大手メーカーで新人賞、売上4,000%増を達成。その後人材業界に転身し、ベンチャー企業にて求職者・企業双方を支援。プレイヤーとして社内売上ギネスを塗り替えながら、3年で事業部長に昇進し組織マネジメントも経験する。

 

現在は株式会社9Eのキャリアアドバイザーチームリーダーとして、入社半年で再び社内ギネスを更新するなど、常に成果を追求し続けている。▶︎詳しく見る

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