営業マンがずっと社内にいる理由とは? TOP7とその弊害や外出するための理由別対策を解説

営業がずっと社内にいると聞けば、なぜ外出しないのだろう、顧客を訪問しないのだろうと疑問に感じる人が少なくないでしょう。その裏側には、営業は外出するものだという前提があります。しかし、テクノロジーの進化やさまざまな分野で多様化する社会において、営業のスタイルも一様ではありません。この記事では、営業がずっと社内にいる理由や外出できるようにする対策と、営業の外出機会減少につながる環境の変化について解説します。
営業がずっと社内にいる状況の是非
営業がずっと社内にいるという状況について語られる背景には、「営業は外回りをしているもの」という常識的ともいえる固定観念があります。そのため、ずっと社内にいることの是非を問う気持ちが生まれるのです。
営業の定義
営業がずっと社内にいることがよいのか悪いのかを考える前に、営業とは何かの定義づけをしなければならないでしょう。営業とは自社の商品やサービスを販売し、売上・利益を追求する行動であり職種、または要員のことです。そこに社内にいるか外出しているかの違いは関係ありません。それにもかかわらず、営業がずっと社内にいる状況がフォーカスされるのは、営業といえば全部まとめて外勤営業が念頭に浮かぶためだといえます。
インサイドセールスなどの内勤営業は外出しない営業スタイルが前提であり、ずっと社内にいるのが当たり前だからです。
ずっと社内にいることが必ずしも悪いわけではない
営業は外出するものという前提で考えた場合でも、営業がずっと社内にいるからといって、直ちに問題があるとはいえません。たまたま一時的に社内での作業が続いているだけの可能性があるためです。営業の仕事は思いのほか多岐にわたっており、社内にいなければできない事務処理もそれなりにあります。
また、一時的ではなく頻繁に営業がずっと社内にいるとしても、企業が組織としてそのようなシステムを採用しているのであれば、システムの是非はともかく、社内にいること自体を問題視するほうがおかしいといえるでしょう。
正当な理由で営業がずっと社内にいるにもかかわらず、周囲が批判的な目で見ることのほうが問題だと考えることもできます。社内に余計な軋轢を生むおそれがあるためです。
とはいえ、営業がずっと社内にいることによって何らかの弊害が生じるようであれば見過ごすことはできません。
営業がずっと社内にいることで生じ得る弊害
営業がずっと社内にいることで起こり得る弊害について解説します。
営業成績が上がらない
営業がずっと社内にいるということは、客先を訪問しない状態が続いていることになります。訪問スタイルの外勤営業の場合、客先を訪問しなければ商談が進まず、営業成績が上がりません。また、顧客との関係性が薄れてしまい、将来的な業績にも悪影響を及ぼす懸念があるといえるでしょう。
営業成績が上がっていても何か課題が潜んでいる
営業成績が上がっていたとしても、本来外出しているはずの時間にずっと社内にいるという状況は、外出を阻む要因があり本人に負担がかかっている可能性があります。この場合、潜んでいる課題を可視化して解決しなければなりません。
営業がずっと社内にいる理由TOP7
営業がずっと社内にいるのはなぜなのか、その理由TOP7を解説します。
事務仕事が忙しい
事務仕事が忙しいと営業がずっと社内にいる状況が生まれます。営業の業務内容は企業によってまちまちです。訪問活動を専門的に行うなど顧客対応オンリーの会社もあれば、営業にかかわるあらゆる業務を担当する会社もあります。他社では営業事務職が担っている事務仕事でも営業マンの職務範囲となっているケースは珍しくありません。
また、営業事務職のマンパワーが不足しているため、本来の業務ではない事務仕事を営業マンがやらなければならないケースもあります。このような状況は先に述べた外出を阻む要因であり、何らかの対策が必要です。営業マンがプレイングマネジャーの場合は、管理職としての社内業務が増えることからずっと社内にいる頻度がアップします。
リモート商談が定着している
新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、社会全体に外出を控える状況が出来上がりましたが、事業活動においてもリモートワークが急速に普及したものです。リモートワークは事務系の仕事だけでなく、多くの会社で営業にも適用され定着しました。訪問営業が再開されてからもその習慣が抜けずに電話で営業をしており、ずっと社内にいるケースがあります。
営業プロセスを分業化していない
マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス(営業マン)、カスタマーサクセスが連携して営業活動を行う営業プロセスの分業化をしていない企業やプロジェクトでは、営業マンがカバーする業務範囲が広くなるため、ずっと社内にいる状況が多くなります。
ただし、個々の営業マンが営業プロセス全般を受け持つスタイルは、そもそも旧来の営業(外勤営業)そのものです。かつては外出時間を確保できていたにもかかわらず、ずっと社内にいるのだとすれば、阻害要因の存在を考える必要があるかもしれません。
訪問先がない
営業プロセスの分業化が進んでいる企業やプロジェクトにおいて、営業マン(フィールドセールス)はひとつ前のプロセスを担当するインサイドセールスからリードが回ってこないと訪問先がないため、ずっと社内にいるしかなくなります。このようなケースでは成績が上がることはないため、ずっと社内にいる営業マンは成績が悪いというイメージの強化につながるようです。
訪問のやり方を教えてもらっていない
リモート商談がメインだった時期に入社した営業マンは、そもそも上から訪問営業のやり方を教えてもらっていないケースがあります。やり方がわからないから外出せずにずっと社内にいるわけで、成績が上がらない時期が続いてしまい、ずっと社内にいる営業マンは成績が悪いというイメージが強化される流れです。
営業は結果がすべてだから
外勤営業であっても外出しないで成績を上げる方法がないわけではありません。インサイドセールスが行っているような、ITツールを駆使した非対面の営業活動をキチンとやれば、成績を上げることも可能です。そして、営業は結果がすべてと考える人が少なくないことから、数字を出していれば何をしていてもよい、ずっと社内にいてもよいという話になっている可能性があります。
外回りが苦手
外出しなければならないことはわかっているし、訪問営業のやり方を知らないわけでもないのにずっと社内にいる営業マンがいます。彼らのなかには客先で酷い目に遭ったなど何らかの出来事がきっかけになって、外回りが苦手になっており、客先に行きたくないからずっと社内にいるケースもあるようです。このケースでは阻害要因を取り除くまで問題が続きます。
営業マンが外出するための理由別対策
営業がずっと社内にいる理由別に対策を解説します。
事務仕事が忙しいケース
事務仕事の負担が大きくてずっと社内にいる場合は、営業事務のマンパワーを増やすことが直接的でわかりやすい解決策です。人員増が無理なら契約書作成は法務部門や総務部門に、請求関係は経理部門などが引き取るなどの支援策が考えられます。また、営業事務を含む業務全般の効率化を図ることで負担を減らし、外出する時間を捻出することも考えられるでしょう。ただし、企業として営業マンの社内業務を本来業務としており、特に課題としていない場合は除きます。
リモート商談が習慣化しているケース
リモート商談が習慣化しているケースでは、現状における商談数、成約数、売上・利益が妥当なものであるかを検証してそのまま認めるのか、それともインセンティブを考えるなど、訪問機会を増やすのかといった判断が必要です。
営業プロセスを分業化していないケース
営業マンが営業プロセスのすべてを担っており、そのためにずっと社内にいる状況が生まれている場合は、そもそもの職務分担をどうするのかという話になります。営業プロセスの分業化を推進して営業マンにフィールドセールスの役割のみを求める策がひとつです。分業化しない場合は、訪問活動を活発化するための業務再編を行う必要があるでしょう。
注意すべきは、かつては社内業務を抱えながらも訪問していたという”実績”の再現を指向しないことです。その理由として昔に比べてプレゼンが複雑化、多様化しており準備が大掛かりになっていることが挙げられます。また、昔はサービス残業などの長時間労働でカバーしていた部分があり、ワークライフバランス重視の現在では無理があります。
訪問先がない
営業マン(フィールドセールス)の訪問先がないためにずっと社内にいる場合は、マーケティングやインサイドセールスの状況をチェックし、必要な対応をとらなければなりません。新規リードの訪問先を増やせない間は、営業マンが既存客に対するアップセルやクロスセルも含めた訪問活動を行ったり、過去のリードに対するテレアポを実施したり、リソースを無駄にしない運用が求められます。
訪問のやり方を教えてもらっていないケース
訪問のやり方を教えてもらっていないから外出できないケースでは、早急に営業研修を実施する必要があります。OJTも進めて早期に単独で有効な訪問ができるように仕上げましょう。
営業は結果がすべてというケース
営業は結果がすべてというケースでは、その結果が妥当なものかを客観的に検討する必要があるでしょう。大口の受注をした営業マンがしばらく外出しなくなるといった事象はありがちです。しかし、トータルで見ればそこまで成績がよいわけではないケースもあります。
また、結果が十分に評価できるものであったとしても、それだけでは安心できません。クロージングに持ち込めるリードの在庫が豊富であればともかく、そうでなければ先細りになるおそれがあります。商談が途中で止まっているリードに対するアプローチを促すなど、訪問活動の重要性を再認識させることが必要です。
外出が苦手なケース
外出が苦手なケースでは、なぜそうなったのか原因を特定しなければ解決策を見いだせない可能性があります。時間をかけて解決する必要があるかもしれません。
外出していればいいわけではない
ここまで見てきて注意したいのは、営業がずっと社内にいること自体が悪いわけではなく、その原因と結果が重要である点です。社内にいるから問題なのだと考えてしまうと、外出していればそれでよいという話になりかねません。しかし、外出していればよいというものではなく、有効な外出でなければ意味がないどころか交通費等の無駄づかいになりかねないことを念頭に置く必要があります。
訪問件数の中身が重要
外出していればよいわけではないという大前提のなか、外出はするものの、公園やパチンコ屋でサボっている営業マンもいれば、キチンと顧客を訪問している営業マンもいます。この区分けは訪問件数という指標を使うと簡単に行えるでしょう。
しかし、訪問件数が多ければよいというものでもなく、中身が重要です。サボっているよりはよいですが、数をこなすことで中身が薄くなるおそれがあります。ギリギリ顧客に存在を忘れられない程度の顔出しで終わっているとすれば、成果につながる可能性は低いでしょう。
最近は少なくなっているようですが、商品・サービスの代金回収方法が手集金となっている顧客も存在しており、当該顧客への訪問が集金業務だけで、一切のアプローチが行われていないケースもあります。
短い時間でもしっかりと商談できることが大切
優秀な営業マンは件数をこなしながら、中身もしっかりと整えています。たとえ10分20分客先にいたとしても、とりとめのない話で終ってしまってはもったいないというものです。滞在時間は5分でも、時間いっぱい使って関係を構築したり、商談を進めたりすることが大切だといえます。
営業がずっと社内にいる環境ができつつある社会の変化と営業職への転職
ここまでは営業が外出していないのはイレギュラーだとする考えを中心に見てきましたが、そもそも現在はこの前提自体が変わりつつあります。
効率化重視時代にマッチした業務環境
デジタル技術の進化、ITツールによる効率的な営業活動が実現することで、今の時代はリモート環境であっても対面と遜色のない営業活動ができるばかりか、手元の端末を操作することで客先に出向くよりもタイムリーな資料提供や提案、商談が可能な状況が生まれています。
営業プロセスの分業化と内勤化と連携重視
かつては営業マンによる訪問が中心だったリード獲得、初回接触が営業プロセスの分業化により内勤でできるようになっています。最初に述べたインサイドセールスなどの活躍が顕著です。各職種間の連携が重視されることから、営業マンであっても同じ社内にいる時間が長いほうが効率がよい面も見られます。
顧客がオンライン環境を活用している
非対面での活動が進んでいるのは営業をかける側だけでなく、顧客にもいえることです。ずっと社内にいることが訪問を求めていない顧客に合わせた営業活動であるケースも考える必要があります。
新時代の営業職への転職は特化型転職サービスの活用がおすすめ
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営業がずっと社内にいることの是非は理由によって変わる
営業がずっと社内にいるとしても、何も問題がない場合もあれば、早急に手を打つ必要がある場合もあり、一概にどうこうはいえません。是非の判断は理由によって変わります。営業がずっと社内にいても、それがよい結果につながるのであればむしろ歓迎すべきかもしれません。急速に変化する社会にあって、営業のカタチも変わりつつあります。営業職への転職を考えている人は、柔軟な思考を大切にするとともに、特化型転職支援サービスを活用して転職成功を実現してください。
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この記事の監修者
荒川 翔貴
学生時代に100名規模の営業団体を設立後、大手メーカーで新人賞、売上4,000%増を達成。その後人材業界に転身し、ベンチャー企業にて求職者・企業双方を支援。プレイヤーとして社内売上ギネスを塗り替えながら、3年で事業部長に昇進し組織マネジメントも経験する。
現在は株式会社9Eのキャリアアドバイザーチームリーダーとして、入社半年で再び社内ギネスを更新するなど、常に成果を追求し続けている。(▶︎詳しく見る)