営業職で必要となるマインドとは? 成果を出すためのマインドセットを解説

これから営業職への転職を目指す方や、現職として働いている方の中には、たとえば「好きでもない商品や商材を売らないといけない」と負担に感じていたり、「自分にできるだろうか、販売成績が伸びず上司に怒られるのではないか」と不安になっていたりという方もいらっしゃるかもしれません。

営業という職種は確かにけっして簡単な役割というわけではありませんが、マインド(考え方)を整理することで、心理的負担がなくなったり、無理なく求められる成果へつなげることも可能です。
本記事では、営業職に携わっていて現在課題を感じられている方や、今から営業の世界へチャレンジする方へ向けて、営業マインドの要点をご紹介します。さまざまなマインドを参考に、ぜひ営業職のキャリアを成功させてください。

 
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仕事や役割における「マインド」ってそもそもどういうこと?

まずは「マインド(mind)」という言葉そのものの意味合いをおさえておきましょう。
特にビジネスにおいてマインドという表現をもちいる場合には、どのような職種・職業であっても、その役割に最適なかたちで取り組むうえで必要な「思考」「行動や態度」といったものを指すことが一般的です。

表現として「マインド」というふうには特別に意識していなくとも、これまでの職業で「この仕事にはこういう考え方が必要だな」と自然に認識したことがあるという方は、多くいらっしゃるのではないでしょうか。

このマインドについて、よく紹介される例え話をご参考までにひとつご紹介します。

例え話「3人の石切り職人」

教会の建設現場で作業に勤しむ3人の石切り職人がいます。そこに、通りすがりの人が現れて「ここで何をしているの?」と尋ねました。
それを受けて3人の石切り職人は、各々が別の答え方をしたのです。

Aは「生活する為に石を切っているんだ」と。Bは「世界一の石切り職人を目指してるのさ」と答え、最後のCは「この国の人々みんなに、安らぎを与える為の教会を造るんだ」と答えたというのです。

この例え話では、概ね以下のような解釈が語り手によって提示されます。
【石切り職人A】・・・あくまでお金のために、給料(収入)を得るために仕事をしている
【石切り職人B】・・・自分のスキルを高めることを目標にして日々の石切り作業に勤しんでいる
【石切り職人C】・・・明確なビジョンやミッションに対する考え方をもっていて、与えられた仕事(石切り)をただこなすのではなく、自分がやっていることの先につながるゴールを捉えていて、仕事とは教会を立てる事(自分は石を切るけれど)であり、教会が建たたなければ意味がないと考えている

これはもちろんあくまで要点を単純化した例え話であり、3人の石切り職人のそれぞれの答えについては、どれが正しいということは一概にいえず、また見方によっては全員正しいともいえるでしょう。人によっては、「そもそも見知らぬ人への挨拶程度の返事だけでポリシーを決めつけられちゃ困る!」と憤慨される方もいらっしゃるかもしれませんね。

この例え話で大切だとされているのは、「職人Cのように自分が携わる仕事に明確な定義があるほうが、より仕事にやりがいを感じやすく、また顧客満足のための考案や取り組みまでもを自主的におこない、自己成長を実現しやすい」というビジネス的な観点です。

このように、自分の役割を俯瞰的に正確に捉え、ただ与えられたこと・言われたことをこなすのではなく、目指すゴールへ到達するための考え方をもち、自主的に行動することまでを含めて「マインド」という概念となるのです。

自分の職種におけるマインドを整理するためには、自分の仕事の本質をあらためて見直す必要があるといえるでしょう。

営業職に必要なマインド・基本的な考え方

自社の商品やサービスといった商材の魅力を顧客へ伝え、売り込む役割である営業職に必要なマインドにはどんなものがあるでしょうか。
ここではよく挙げられる、代表的なものをいくつかご紹介します。

前向きさ

ポジティブとも言い換えられるでしょう。さまざまな顧客と対峙し営業活動をおこなうにあたっては、壁や困難が付きものです。ときには、「この顧客にとても時間をかけたのに、最終的に買ってもらえなかった」「商材の魅力をうまく伝えきれなかった」など、気持ちが落ち込む日々が続くこともあるかもしれません。
しかし、営業職においては失敗はよくあることです。失敗のたびにくじけていたのでは、心が持ちませんし成功も遠のいてしまうでしょう。

失敗しても気持ちを上手に切り替えて、「さあ次!」「さっきの失敗を次は活かそう」と前向きに行動するマインドが、営業職には求められます。

誠実さ

営業職の要は、「企業の顔」として顧客との信頼関係を築くことにあります。特にBtoBビジネスにおいては、「この担当者が言うなら間違いないだろう」と思ってもらえるほどの、確固たる信頼を得ることが長期的な成功につながります。

そのためには、ただモノを売ろう、売ろうとする姿勢ではなく、誠実に顧客へアプローチすることが重要です。
営業現場では、一見小さな言動であっても、そこに押し売り感や営業トーク感が垣間見えることによって顧客の心離れが起きてしまいます。顧客が話したニーズなどの内容はきちんと受け取って、以後の提案に反映する、約束をきちんと守る、顧客の仕事や生活を邪魔しないよう迅速に対応する、などなど、誠実なマインドを常に心がけましょう。

顧客志向(顧客中心主義)

前述の誠実さにもつながりますが、顧客志向、つまり「顧客がもつニーズや課題を最優先に考える」というマインドもとても大切です。
たとえば商材を売るときに「こんなに良い機能があります。きっと役に立つので買って損はないですよ」という考え方では、顧客志向とはいえません。
顧客のビジネスの状況や抱える課題をまずは真摯にヒアリングし、またその際には顧客がまだ気づいていないような潜在的なニーズまでも汲みとります。そのうえで、顧客のことを最優先と考え、顧客のために真に価値のある商材を提案する、という考え方や行動が重要となります。

顧客志向の延長線上に自社商材の販売があれば、「導入はしてもらったけれどすぐに使われなくなった」ということも起きにくく、長期的な顧客関係も構築しやすくなるでしょう。

目標達成への意欲

営業職であるからには、「目標達成への貪欲さ」や、それを実現するために何が必要かを考える力、そして躊躇せず行動を起こす行動力が重要です。
目標として定められるものが何かについては、ひとくちに営業職といってもさまざまです。自身のプランや取り扱う商材、属する組織によっても異なり、また、同じ組織にいても時期によって目標が変わってくることもあるでしょう。
たとえば売上目標、自分のキャリアプランといったように目標を定め、それを達成するための検討と行動を徹底して積み重ねていくことが大切です。

掲げた目標を達成するための具体的なステップまでイメージしておけば、営業活動の中で困難さや壁を感じることがあっても、自信を持って迷いなく行動することの手助けになるでしょう。

営業力を強化するために重視したいマインドセット

「マインドセット」とは、ここまでご紹介した個々のマインドも含め、過去の経験や、経験で得られた価値観、信念などをもとにかたちづくられる、物事の考え方や捉え方の大きな枠組みのことを指します。
個人がもっている信念や価値観だけでなく、たとえば企業文化や風土に基づく考え方にも影響を受けたうえで、「日々営業活動をおこなうにあたってのマインドの枠組み」であり、たとえば都度「このように考えて行動しよう」と強く意識せずとも、自然にその枠組みで行動できるようになる、というイメージに近いでしょう。

以下では、営業職でよく挙げられるマインドセットをいくつかご紹介します。

失敗をおそれずに挑戦する

営業というものはそもそも失敗するものである、と捉え、失敗をおそれることなく調整しつづけるという考え方です。

自己管理を徹底する

営業職においては、自己管理を自然に徹底できることが重要となります。
顧客との約束や、資料の準備といった時間管理、長期的な視野で行動をおこなうための目標設定、現状の成果に捉われすぎず頑張りつづけるためのモチベーション維持、といったさまざまな「自己管理」が含まれます。

ポジティブな思考を維持する

仕事で行き詰ったときにも、たとえば帰宅後はすっきりと気持ちを切り替え、趣味の時間でストレス解消するといった行動を自然にとれるようになることが大切です。

自社の商品やサービスに自信を持つ

自分が顧客へ売り込む製品やサービスを、心の底から「ぜひ使って欲しい、利用して欲しい」と感じるためのマインドセットです。
自社の企業理念や製品の長所、開発ストーリーなどに自分自身が馴染んでおき、自分のものとすることによって、自然に「良いモノを紹介しているのだ」という考え方を得られるでしょう。

長期的視点を持つ

「営業は狩猟ではなく農業だ」という例えがしばしば聞かれます。
狩猟のように「今日・明日の空腹を満たすために目の前の獲物を狩る」のではなく、営業職においては顧客との関係性をじっくり時間をかけて育む、農業のような取り組み方が大切だという意味です。
商材の種類にもよりますが、基本的には営業では一度の商談で即決を得て契約が取れるということは稀であり、顧客との対話を回を分けて積み重ねながら、ニーズや課題にぴったりとフィットする提案をできて初めて、成果に結びつきます。

継続的に学び続ける

どの業界の場合であっても世界は常に変化を続けており、製品機能やサービス内容のトレンド、顧客のニーズなども日々変わり続けています。
自社が属する業界や、ターゲットとしている顧客側の業界について、常に最新情報を収集しておくことが、成約数の増加や、顧客からの信頼性向上につながります。
営業職は忙しい仕事ですが、自己管理の一環としてなるべく、関連するセミナーや研修に参加したり、関連書籍や雑誌、Webサイトをチェックしておけると理想的です。

「マインドセット」と「スキル」の両軸が営業力向上につながる

ここまでご紹介したように、自分の役割に適したマインドセットを得ることはとても重要です。たとえば、コミュニケーション力やトーク力、分析力といった営業スキルがとても高い状態の人物が入社したとしても、営業のための考え方・行動といったマインド面が整っていなかったとしたら、成果が出にくい場合があります。
なぜなら、顧客はただ口が上手かったり、人が良さそうだったり資料がしっかりしている営業担当者というだけでは、取引相手として認めてくれない可能性があるからです。

何より顧客視点に立ち、顧客のために自信を持ってしっかりとした提案をしてくれる、営業マインドを持った担当者のほうが長期的な信頼を得やすいでしょう。
また、先述しているように特に新規開拓営業の場合には、失敗があっても落ち込み過ぎず気持ちを切り替えられる、改善点を見つけながら次に活かすといった営業職ならではの気の持ちようや心構えがとても重要となります。

一方で、「マインドがしっかりしていればスキルなんか無くてもよい」というわけではありません。
営業のためのマインドの一環として、自己成長・スキル向上があります。
営業活動を日々重ねるなかで、ヒアリング力や提案力、プレゼンテーションや交渉の術、クロージングスキルなどを磨いていけると理想的でしょう。

「出来る営業担当者」とそうでない人のマインドの違い

最後に、世間的に「出来る営業担当者」と、そうでない人との違いにはどんな点があるかに注目しておきましょう。

もちろんケースバイケースであり、属する企業の社風や取り扱う商材、取引先の性質などさまざまな要素によって異なってくる点であるため一概には言えませんが、ここでは一般的に「出来る営業担当者」といわれる人の事例によくみられる傾向として、参考にしていただけたら幸いです。

ご自身なりの正解は、ぜひ皆さんが試行錯誤しながら追及してみてください。

単純に「売れれば良い、儲ければ良い」ではなく「タスクとノルマ」を理解しているか

ひとつひとつの商談で「売れた、会社の利益をもたらした」という達成感を得ることも大切ですが、出来る担当者は長期的な目標が常に念頭にあり、そのためのノルマや、自分に設定すべきタスクを意識しています。

営業とは失敗の連続である、ということを知っているか

ビジネスやマーケティングでよくいわれる言葉に「千三つ(せんみつ)」というものがあります。これは、「1000件のうち3件の確率」、つまり0.3%程度成功すれば御の字、という考え方です。
もちろん実際にはその時点での目標値などが別途あることは前提として、「千三つ」という心構えで、とにかく数をあたってチャレンジ、という考え方の営業担当者が「出来る営業担当者」になれるのかもしれません。

「出来ない理由」を探すか、「どうやったら出来る?」を探すか

営業活動中に困難な壁が立ちはだかった際、あなたは「これは〇〇だから無理なんだ、仕方ない」と考えますか? それとも「〇〇で今できない状況なら、△△すれば進展しそうだな」と考えますか?
方法論は人それぞれですが、「出来る担当者」の多くが、後者のチャレンジを続けています。

営業に必要なマインドを理解し、営業職の仕事を成功に導こう

本記事では「マインドってそもそもどういう概念?」というところから、営業職にとって必要とされるマインドセットの代表例、「出来る営業担当者」の一例などを紹介しました。

営業職では多くの人が活躍しており、成功するための方法論も多種多様です。ぜひ今回ご紹介したポイントをきっかけに、ご自身なりの営業マインドを構築して、行き詰った状況の解決や、営業力向上、キャリア成功といった良い結果につなげてください。

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この記事の監修者

荒川 翔貴

学生時代に100名規模の営業団体を設立後、大手メーカーで新人賞、売上4,000%増を達成。その後人材業界に転身し、ベンチャー企業にて求職者・企業双方を支援。プレイヤーとして社内売上ギネスを塗り替えながら、3年で事業部長に昇進し組織マネジメントも経験する。

 

現在は株式会社9Eのキャリアアドバイザーチームリーダーとして、入社半年で再び社内ギネスを更新するなど、常に成果を追求し続けている。▶︎詳しく見る

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