エンジニアから営業職へ転職するには?職種選びのポイントを解説

「自分の技術知識を活かして営業に挑戦したい」そんな思いから、営業職への転職を検討するエンジニアが増えています。また特に昨今では、AIやクラウドなどのIT技術の急速な発展により、営業職においてITスキルをもったエンジニアの需要が非常に高いという背景もあります。

技術職から営業職へというキャリアチェンジは簡単ではありませんが、しっかり準備をすれば十分実現可能な選択肢です。本記事では、エンジニアから営業職への転職で成功するためのポイントや、職種選びについて解説します。

 
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営業職とは?種類と仕事内容を解説

営業職は、企業の商品やサービスを顧客に提案・販売する役割を担う職種です。しかし「営業」と一言で言っても、仕事内容や求められるスキルは多岐にわたります。特に近年では、モノを売るだけでなく、顧客の課題を解決する「コンサル型営業」や「ソリューション営業」など、より高度な提案力が求められる傾向にあります。特にSaaSやクラウドサービスなどIT関連の場合、説得力のある提案を行うには、IT技術力が欠かせません。そのため、ITエンジニアのスキルをもった営業は近年需要が高まっています。

エンジニアから営業へ転職を目指すには、自身の技術力や経験を活かしやすい営業スタイルを理解しておくことが重要です。まずは営業の主な種類と、それぞれの仕事内容を詳しく見ていきましょう。

営業の種類

営業職にはさまざまな種類があります。分類の仕方も、顧客の種類や営業の目的、営業手法によって複数の種類に分けられます。

例えば顧客の種類では、「法人営業(BtoB)」と「個人営業(BtoC)」に分けられます。法人営業は、企業を顧客とする営業スタイルで、製品やサービスの提案を通じて、顧客企業の課題解決を支援することが目的です。商談だけでなく、提案書作成や稟議対応などのプロセスも重要です。中長期的な関係構築が求められるため、丁寧な対応と継続的なフォローも欠かせません。

個人営業は、一般消費者を対象とした営業スタイルで、扱う商品・サービスも幅広いです。住宅、保険、通信、金融などの業界で展開されており、一人ひとりのニーズに合わせた提案力が求められます。商談は訪問による対面のほか、電話やオンラインなど多様な形式で行われ、感情的な要素も影響します。共感力や傾聴力、タイミングを見極める判断力が必要です。

次に、営業の目的によっても種類が異なります。新規顧客を開拓する「新規営業」と、既存顧客に対して営業活動を行う「既存営業」(ルート営業)です。

新規営業は、新たな顧客を開拓するスタイルで、自社の製品・サービスの価値を伝え、興味関心を引き出すことが求められます。成果が出るまでに時間がかかることも多いため、粘り強さとメンタルの強さが必要です。対して既存営業(ルート営業)は、すでに取引のある顧客との関係を維持・強化しながら、継続的な受注やアップセル・クロスセルを目指す営業活動です。顧客理解の深さや丁寧なフォローアップが成果を左右するため、信頼関係の構築がカギとなります。

さらに、営業手法によっても種類があります。顧客訪問型の「フィールドセールス」、電話やオンラインで行う「インサイドセールス」などです。さらに、IT業界では「プリセールス」や「ソリューション営業」など、技術的知識を活かせる営業職が注目されています。自身の経験と適性に合った営業スタイルを理解することが、転職成功の第一歩となります。

営業の仕事内容

営業職の仕事は大きく以下の流れに沿って行います。

1. 営業計画の立案、目標設定
最初に顧客のニーズや市場や競合の動向を分析し、ターゲットとする顧客を選定して営業活動の方向性を決めます。方向性を決めたら、売上や訪問件数、成約率などにおいて具体的な数値を決め、目標を設定します。

2. 顧客へのアプローチ
まだ取引がない潜在顧客に対して、テレアポや訪問営業などのアプローチで新規顧客の開拓を行います。一方、既存顧客に対しては、定期的にコミュニケーションを取って信頼を深め、新たな課題や需要を引き出します。

3. 商談
アプローチを通して具体的な日程が決まったら、具体的な商談を行います。クライアントの要望に基づいて資料を作成し、説得力のある提案を行っていきます。作成する資料は見積書、提案書のほか、商品やサービスの詳しい情報が記載された資料を用意します。サービスの利用規約に関する説明をしっかり行っておくと、導入後のトラブルを低減できます。

4. 契約締結
商談が成立したら、顧客の調整や社内の承認プロセスを経て、契約締結への手続きを行います。契約内容に誤りがあるとトラブルの原因になるため、慎重に行います。

5. 商品やサービスの納品、請求
契約内容に基づいて、商品やサービスを納品します。ここでもトラブルが発生すると、顧客との信頼を損ねる要因になりかねないため、丁寧に作業を進めます。

6. アフターフォロー
納品後の商品・サービスの活用状況や効果確認を行い、顧客の満足度を確認します。このプロセスで得られる顧客からのフィードバックをもとにサービスの改善や、次の商談へとつなげます。また得られた情報を管理し有効活用することで新規顧客の開拓にも効果的です。

営業では、顧客のニーズを深く理解し、最適な解決策を提示する力が求められます。特に法人営業では、技術や業務フローへの理解が必要な場面も多く、エンジニア出身者が活躍できるフィールドです。これらを理解することで、営業職への転職後に求められる実務のイメージがより明確になります。

営業職のやりがい

営業職は、単純な「商品やサービスを売る職業」ではありません。顧客との信頼関係を築き、課題解決に貢献することで、ビジネスに大きな価値をもたらします。特にエンジニアから営業職に転職した場合、これまで培った技術的な視点や論理的思考を活かしながら、人と直接関わる実感のある仕事ができる点に魅力を感じる方も多いです。ここでは、営業職で感じられるやりがいについて、3つをピックアップして解説します。

顧客から生の声を直接聞くことができる

営業職の大きな魅力のひとつは、顧客と直接対話し、商品やサービスに対する評価、導入後の課題、改善要望などの生の声を直接聞くことができる点です。エンジニアとして裏方の業務が多かった方にとっては、なかなかこのような機会は得られません。
自分の提案が顧客の反応として返ってくることで、仕事の手応えを感じやすくなります。ユーザー目線の感覚が磨かれることで、より顧客に対して価値のある提案ができるようになる点も大きなやりがいです。

努力が結果に反映されやすい

営業職は「数字」で成果が見える仕事です。営業戦略を立てて目標を設定後、行動し、その成果が出たときには報酬や評価が数値として明確に反映されます。
努力した分だけ成果が返ってくるため、モチベーションを維持しやすく、自己成長を実感しやすい点が大きなやりがいです。エンジニアとして業務を行っていたときは成果が見えにくかったと感じていた人にとって、営業のわかりやすい評価体系が非常に魅力的に映ることは多いです。

さまざまな知識が得られやすい

営業はさまざまな顧客と接することで、業界知識や商品知識、顧客業務への理解など、多岐にわたる知識が自然と身につく仕事です。商談相手の課題を深く理解する中で、自分の視野が広がり、専門性だけにとどまらないビジネススキルが養われます。
特にエンジニアから営業に転職した人にとっては、技術的な知見に加えて、ビジネス全体を俯瞰する力を身につける良い機会です。成長意欲のある方にとって、営業職は学びの多い環境といえます。

エンジニアから営業への転職が注目されている理由

近年、エンジニアから営業職への転職を選ぶ人が増えています。一見異なる職種に見えるかもしれませんが、実はエンジニアの論理的思考や専門知識は営業職で非常に重宝されるスキルです。加えて、成果が目に見える仕事であることや、キャリアアップ・年収アップの可能性がある点も、多くのエンジニアにとって魅力となっています。ここでは、エンジニアから営業職への転職が注目されている主な理由を3つ、詳しく解説します。

技術スキルが活かせる

エンジニアとして培った技術スキルは、営業職でも大きな武器になります。特にIT業界や製造業などの分野では、顧客の課題に対して専門的な視点で提案できる営業人材が求められています。例えば「プリセールス」や「ソリューション営業」といった職種では、技術と営業の両方の知識が不可欠です。エンジニア出身者ならではの理解力と説得力で、顧客との信頼関係を構築しやすく、高い成果を上げることが期待されます。

努力次第で年収アップが期待できる

営業職は、成果が数値として明確にわかるため、直接的に報酬に反映されやすい職種です。多くの企業ではインセンティブ制度や歩合給が導入されており、目標を達成すればするほど年収アップが可能になります。エンジニアとしてのスキルに加え、営業力を身につけることで、給与水準を大きく引き上げるチャンスが広がります。
固定給の傾向が強いエンジニア職から、成果主義の営業職に転向することで、自分の頑張りが直接収入に結びつくやりがいを感じる人も少なくありません。努力次第でエンジニア職の時と比べて大きな年収アップが期待できる点が、転職において注目される理由の1つです。

キャリアの幅が広がる

エンジニアから営業へ転職することで、将来のキャリアの選択肢が大きく広がります。営業の仕事を通して得られる業界知識や商品知識をもとに、例えばマネジメント、コンサルティング、事業企画などへのキャリア展開も視野に入ります。これにより、長期的に柔軟なキャリア形成が可能です。
特に、技術とビジネスの両方に通じた人材は「橋渡し役」として重宝され、企業内でも重要なポジションを担うケースが多くなります。エンジニアとして一つの専門職に特化した働き方から、特定の分野に縛られない働き方を目指す人にとって、営業職は大きなステップアップの機会となるのです。

エンジニアにおすすめの職種4つ

エンジニアから営業職への転職を検討する際、自分のスキルや性格に合った職種を選ぶことが成功のカギとなります。営業と一口に言っても、業務スタイルや顧客との関わり方は職種ごとに異なります。エンジニア出身者にとっては、論理的思考や課題解決力が活かせる職種を選ぶことで、未経験でも高いパフォーマンスを発揮しやすくなります。ここでは、特にエンジニアにおすすめしたい4つの職種を紹介します。

インサイドセールス

インサイドセールスは、電話やメール、オンラインツールを活用して見込み顧客との接点を作る営業職です。訪問営業とは異なり、オフィスやリモート環境で働ける点が特徴です。エンジニア出身者にとって、製品やサービスの技術的な知識を活かしながら、論理的に顧客を説得できるこの職種は非常に相性が良いとされています。定量的な評価がされやすく、チームでの分業体制も整っているため、営業未経験者の人や、対面で人と会話するのが苦手な人でも安心して始めやすい職種です。

インサイドセールスについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。興味がある方はこちらの記事もあわせて御覧ください。
 
「インサイドセールス」とは? 定義や役割、職種の特徴や他の営業職との違い、将来性などまとめて解説!
インサイドセールスの役割やメリットとは? 転職時に役立つ知識を詳しく解説

IT/SaaS営業

IT業界やSaaS(Software as a Service)業界の営業職は、IT技術に精通した人材が強く求められる分野です。自社サービスの機能やメリットを正確に説明するには、システム構成や使用している技術などの技術的背景の理解が欠かせません。
例えばWebシステムの開発やクリエイターなどの経験があれば、顧客の課題を即座に理解し、的確な提案を行えるため、営業としての信頼を得やすいポジションです。特にSaaS営業は、定期的な契約更新があるため、顧客との長期的な関係構築も重要な要素となります。

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスは、商品やサービスを売り込むのではなく、サービス導入後の顧客の成果を最大化する役割を担います。これは単なるサポート業務とは異なり、プロアクティブに課題を見つけ、解決策を提案する能力が求められます。
エンジニアとしての技術的な知見を活かして、導入支援や運用改善を行うことで、顧客満足度の向上に貢献できます。営業要素を含みつつも、より顧客寄りの立場で支援できるため、人との関わりを重視しながら技術力も活かしたい人に最適な職種です。

カスタマーサクセスの仕事内容や必要なスキルについて、詳しい情報がほしい方は以下の記事を御覧ください。
 
カスタマーサクセスの仕事内容はどの職種に分類される? 必要なスキルも含めて解説

キャリアアドバイザー

キャリアアドバイザーは、求職者の転職支援を行うコンサルティング職です。特にエンジニア専門のアドバイザーであれば、実務経験を活かし、現場での経験に基づいたリアルなアドバイスができます。また人事部門や採用部門に在籍していた経歴を持つ人や、関連した経験を持つ人にとって転職しやすい職種です。営業職の一種ではありますが、相手に寄り添うコミュニケーション力や、相手の潜在ニーズを引き出す力が求められるため、共感力や課題解決力がある人に向いています。自分の経験を活かして他人のキャリアに貢献できるという点で、やりがいのある選択肢といえるでしょう。

キャリアアドバイザーの仕事内容について、さらに詳しい情報は以下の記事で解説しています。こちらもあわせて御覧ください。

 
キャリアアドバイザー(人材紹介)ってどんな仕事内容?業務の詳細を徹底解説!

営業職に向いている人の特徴

営業職は成果主義の側面や顧客との関係構築の難しさなど、向き・不向きが出やすい職種でもあります。エンジニアから営業職に転職を考える際には、自分の性格や行動特性が営業に向いているかを知っておくことが大切です。ここでは、営業職に向いている人の代表的な特徴を3つ取り上げ、それぞれの理由と背景を詳しく解説します。

相手の立場で考えられる人

営業職では、顧客のニーズや課題を深く理解し、そのうえで最適な提案をすることが求められます。そのため、常に「相手の立場で考える」ことができる人は営業に非常に向いています。例えば、顧客が抱える問題を丁寧にヒアリングし、その背景や潜在ニーズに寄り添える力は、信頼関係の構築に不可欠です。顧客は自身が持っている悩みや課題を理解し、解決に導いてくれる人を求めています。
顧客に寄り添い、共に課題を解決していく人こそ、顧客から高い評価を得られます。エンジニアとして要件定義やユーザーサポート対応の経験がある人であれば、この「相手視点」を活かして営業職でも強みを発揮できるでしょう。

綺麗好きで清潔感のある人

営業職では、第一印象が非常に重要です。顧客との信頼関係は、見た目の清潔感や身だしなみによって左右されることもあります。清潔な服装や整った髪型、デスク周りの整理整頓といった細かな配慮が、ビジネスパーソンとしての信用につながります。
また、資料の作成やメール対応にも「綺麗さ」「丁寧さ」が求められる場面が多く、整った表現や丁寧な文章も好印象を与えます。綺麗好きで清潔感を保てる人は、営業職において自然と信頼を得やすい傾向があります。

粘り強く頑張れる人

営業職は、成果が数字で明確に評価される仕事です。成果がわかりやすくやりがいを感じられる一方で、努力した結果が必ずしもすぐに結果が出るとは限らず、何度も断られたり、長期間にわたる交渉が必要だったりすることも少なくありません。プレッシャーに弱い人は、そんな環境に心がくじけてしまい、営業が苦手と感じる人も多いです。

そんな時に重要なのが「粘り強さ」です。最初からいきなり成果が得られるものではありません。すぐに諦めず、試行錯誤を繰り返しながら目標達成を目指す姿勢が、営業としての成長につながります。営業で活躍している人は、商談の内容や顧客の反応をメモしておき、振り返って自身の改善につなげています。
また、エンジニアとしてエラー対応やトラブルシュートを粘り強く取り組んできた経験がある人は、この素質を営業にも活かすことができるでしょう。

営業職に転職するために必要なスキルと準備

営業職はコミュニケーション能力や提案力が重要視され、また「話し上手」であれば務まると思われがちですが、それだけではありません。顧客がもつ課題を解決するために、論理的な思考や課題解決力、的確なヒアリング力など、複数のスキルが求められます。
特にエンジニアからの転職を目指す場合、これまでのスキルと営業職に必要な能力とのギャップを理解し、それを埋めるための準備が重要です。

ここでは、営業職に就くために身につけておきたい代表的なスキルと、スキルアップに役立つ資格・学習方法について解説します。

論理的思考とコミュニケーション能力

営業職において重要なのは、単に話す力ではなく、「相手の課題を把握し、筋道を立てて解決策を提案する力」です。相手が持つ課題に対して提案する商品やサービスがなぜ有効なのか、納得できるように説明できることが求められます。そのためには、論理的思考と双方向のコミュニケーション能力が不可欠です。エンジニアとして設計や課題解決に携わっていた経験は、この論理的アプローチの面で大きな強みになります。

一方で、相手の理解度に合わせて言葉を選び、わかりやすく説明するといった営業ならではのスキルも重要です。例えば、エンジニアとしての経験やスキルがあると専門用語を使ってしまいがちですが、相手が理解しやすいようにわかりやすい言葉に置き換えて丁寧に説明することが求められます。
これらを意識的にトレーニングすることで、未経験からでも営業職で活躍するために必要なコミュニケーションの基礎を身に付けることができます。

スキルアップに役立つ資格や学習方法

営業職への転職準備として、資格取得やスキル学習は非常に効果的です。例えば「販売士検定」は営業の基本スキルや販売理論を体系的に学べる資格として有名です。またIT業界向けであれば「ITパスポート」や「基本情報技術者試験」「応用情報技術者試験」などの国家資格も有効です。キャリアアドバイザーであればキャリアコンサルタント資格など、営業職にあわせて技術知識を証明できる資格をもつと、営業活動に役立ちます。

さらに、ビジネス書やオンライン講座を活用して、ロジカルシンキングやプレゼン技術、商談マナーなど営業活動に必要なスキルを学ぶのもおすすめです。
特に動画学習や実践型ワークショップは、短期間で効果的に営業スキルを習得できる手段として人気です。

自分に合った営業職を探すには

営業職への転職を成功させるには、自分の性格や志向、営業スタイルに合った職種・業界を見極めることが不可欠です。営業といってもその働き方や求められるスキルは多様で、企業によって仕事内容も大きく異なります。
特にエンジニア出身者の場合、これまでの経験が活かせるフィールドかどうかを見極めることが転職後の満足度に直結します。この章では、営業職の業界・商材別の違いや、会社選びのポイント、転職でありがちな「ギャップ」に注意すべき点について解説します。

業界・商材・顧客タイプ別の営業の違い

営業職の内容は、扱う業界や商材、顧客タイプによって大きく変わるため、求められるポイントも異なります。例えば、IT業界のSaaS商材では論理的な提案力と継続的な顧客支援が求められ、製造業の機械営業では専門知識と現場理解が必要です。また、法人営業(BtoB)は長期的な関係構築が中心ですが、個人営業(BtoC)は短期決戦型で即決力が求められます。エンジニアのスキルを活かすなら、技術理解が求められる商材や、業界特化型の営業職が相性が良いと言えるでしょう。

会社選びのポイント

営業職として働く企業を選ぶ際は、「何を売るか」だけでなく、「どう売るか」「どんな環境か」まで総合的に見ることが大切です。
例えば、成果主義の強い社風か、チームワークを重視する社風かによって、働き方や評価のポイントが大きく変わります。また、営業職の教育体制やサポート体制が整っているかどうかも、未経験者にとって重要なポイントです。エンジニアから営業への転職であれば、技術部門との連携がスムーズな会社かどうかも確認しておきたい点です。

実際の仕事内容のギャップに注意

営業職の求人情報だけでは、実際の仕事内容が見えづらいことも少なくありません。例えば「提案営業」と書かれていても、実態は飛び込みやテレアポ中心というケースもあります。
転職後のミスマッチを防ぐためには、企業説明会やOB訪問、口コミサイトなどを活用して、リアルな情報を事前に収集することが重要です。
特にエンジニア出身者にとっては、業務の技術的要素がどれほど必要なのか、現場での役割が明確かなどを確認しておくと、後悔のない転職につながります。「実際に働いてみて当初聞いていたことと違った」と後悔してしまう状況に陥ることは、可能な限り避けたいものです。

エンジニアから営業への転職活動を成功させるコツ

エンジニアから営業職への転職は、スキルの方向性が大きく異なるため、慎重な準備と戦略が必要です。しかし、視点を変えれば、技術力を持った営業人材は市場で大きな価値を発揮できる存在でもあります。
重要なのは、自分の強みを的確に伝え、自分に合った職種・企業を見極めることです。

ここでは、技術スキルのアピール方法、面接での話し方、自分に合った営業職の選び方など、転職活動を成功に導くための実践的なコツを解説します。

技術の強みをどうアピールするか

営業未経験でも、エンジニアとしての技術的な経験や知識は大きなアピールポイントになります。例えば、「顧客の課題を技術的に分析し、最適な解決策を提示できる」といった実務での応用例を具体的に伝えると説得力が増します。また、これまで扱ってきたプログラミング言語やシステム、プロジェクトマネジメントの経験を、営業活動にどう活かせるかを整理しておくことも大切です。企業側は「技術がわかる営業」を求めているため、強みを営業の仕事にいかに活かせるか、を上手に語れることが成否を分けるポイントです。

面接での伝え方

面接では、自分の意欲だけでなく「なぜ営業職を選んだのか」「どのように貢献できるか」を具体的に語ることが重要です。特にエンジニアからの転職では、「技術職から営業職へ」というキャリアチェンジに納得感を持たせる必要があります。
そのためには、自身の経験の中から「人との関わりを重視した場面」や「課題解決を提案した実績」などをピックアップし、営業に近い動きができていたことを伝えると効果的です。論理的かつ熱意を持って語ることが信頼につながります。

自分に適した職種を選択する

営業職といっても、その働き方や求められるスキルは実に多様です。フィールドセールス、インサイドセールス、カスタマーサクセス、プリセールスなど、それぞれに向き・不向きがあります。エンジニア出身者にとっては、技術的な知識を活かせるソリューション営業やIT営業、顧客サポート寄りのカスタマーサクセスが相性の良い選択肢となることが多いです。
転職活動の初期段階で職種の違いをよく理解し、自分の志向や強みに合った職種を見極めることが、成功への近道です。

営業職への転職についてよくある質問

営業職は、専門知識よりも人間力が重視される職種といわれることもあり、他職種からの転職希望者が非常に多い分野です。特にエンジニアから営業への転職は「未経験で通用するのか?」「向いているかどうか不安」といった疑問を抱える方が多いのが実情です。
また、転職後のことも考慮し「営業経験を得ることでどんなキャリアが広がるのか」という点も気になる人がいるでしょう。

ここでは、営業職に転職を考える際によくある3つの質問に対して、解説していきます。転職活動を進めるうえでの不安を解消するヒントとしてご活用ください。

Q1. 未経験でも転職できる?

結論から言うと、営業職は未経験からでも十分に転職可能な職種です。特にIT業界やSaaS業界では、エンジニア出身者の技術知識を活かした営業人材が求められる傾向があります。企業側も、技術を理解できる営業担当が顧客との信頼関係を築きやすいことを認識しており、「未経験歓迎」「業界知識重視」の求人も多く存在します。
大切なのは、営業職に転向する動機を明確にし、自分の強みを活かせる職種・企業を選ぶことです。

Q2. どんな人が営業に向いている?

営業職に向いているのは、相手の立場で物事を考えられる人や、粘り強く努力できる人です。また、コミュニケーション能力が高いだけでなく、話す内容を論理的に整理して伝えられる能力も重要です。
エンジニア出身者であれば、要件定義の経験を活かして、課題を的確に捉えて解決策を考える力、丁寧なヒアリング力などが大きな強みになります。自分の性格やこれまでの経験を振り返り、営業職でどう活かせるかを具体的にイメージできるかが、転職の成否を分けるポイントです。

Q3. 営業経験を得ることで、どんなキャリアが広がる?

営業経験は、多くのキャリアの土台になります。例えば、マネージャー職への昇進、事業企画やマーケティング部門への異動、さらには起業・独立といった道も開けます。
特にエンジニアとしての技術知識と営業スキルを兼ね備えた人材は、プリセールスやプロダクトマネージャー、カスタマーサクセスの責任者など、専門性の高いポジションで重宝される傾向にあります。営業経験は、単なる「販売の経験」ではなく、ビジネス全体を理解する力として今後のキャリアに大きな価値をもたらします。

エンジニアから営業職への転職はキャリアを広げるチャンス

専門的なスキルをもった営業が求められている今、エンジニアから営業職への転職は、キャリアを広げる大きなチャンスといえます。例えばIT/SaaSセールスであれば、SaaSに対する深い知識があれば顧客の課題に対して適切な解決案を提案でき、深い信頼関係を構築することが可能です。また自身が持つスキルを活かせるだけでなく、営業での仕事を通してさまざまな業界知識や商品知識を得ることで、マネジメント職やコンサルティングへのキャリアが広がります。

エンジニアと営業職は仕事内容が大きく異なり、顧客とのコミュニケーションをとる機会が大幅に増えるため、不安に感じる人も多いでしょう。しかし本記事でご紹介した「営業職に向いている人の特徴」や「営業職に転職するために必要なスキルと準備」を押さえれば、営業職に転職した後も少しずつ成果を出していけます。
転職後に「こんなはずじゃなかった」と後悔することがないよう、事前にしっかり準備してすることが、成功への鍵となります。

弊社では、本記事でご紹介した「インサイドセールス」「IT/SaaS営業」「カスタマーサクセス」「キャリアアドバイザー」を含めたさまざまな営業職の求人を多数保有しており、転職支援を行っております。実際に転職されたお客様の中には、エンジニアから転職された方もおられます。
これまでの経験を活かしたキャリアアップや未経験からのキャリアチェンジなどのご相談も受け付けております。会員登録(無料)を行ったうえ、お気軽にご連絡ください。

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この記事の監修者

荒川 翔貴

学生時代に100名規模の営業団体を設立後、大手メーカーで新人賞、売上4,000%増を達成。その後人材業界に転身し、ベンチャー企業にて求職者・企業双方を支援。プレイヤーとして社内売上ギネスを塗り替えながら、3年で事業部長に昇進し組織マネジメントも経験する。

 

現在は株式会社9Eのキャリアアドバイザーチームリーダーとして、入社半年で再び社内ギネスを更新するなど、常に成果を追求し続けている。▶︎詳しく見る

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