営業が難しいと感じるのはなぜ? 状況別の理由の解説に加えて解決方法も紹介!
営業という職種はほとんどの企業に存在しており、多くの人が従事している仕事です。感じ方は人それぞれですが、営業が難しいと感じている人は少なくないといえるでしょう。また、その理由はさまざまです。
この記事では、営業が難しいと感じる理由の解説に加えて、解決方法も紹介します。
営業の仕事はプレッシャーから難しいと感じやすい
営業が難しいという話はよく聞きますが、何をもって難しいとするのかは人それぞれです。営業職に限らず仕事には成果が求められます。そのため、成果が出ない、出にくいケースでは難しいと言われやすいのが仕事です。また、誰でもできる仕事とはいえない場合は難しいと思われやすく、精神的・肉体的にきつい仕事も難しい、労働時間が長くてきつい仕事も難しいなど難しい要素は複数あります。
そのなかで、そもそも営業の仕事はさまざまなプレッシャーがあり、難しいと感じやすい要素が多いといえるでしょう。
見ず知らずの顧客と向き合うプレッシャー
一部には友人や知人を顧客とする営業職もありますが、営業の仕事は基本的に知らない人と会うことから始まります。新規開拓の飛び込みセールスだけでなく、内勤営業であるインサイドセールスであっても知らない人と話さなければならない点は同じです。既存顧客を担当するルートセールスなら知っている人だといえなくもありませんが、初めて担当となったときや先方の担当者が変わったときなどは初対面に変わりありません。
また、営業の仕事は断られることへの恐怖も付いて回ります。人と接するのが大好きな人でなければ、見ず知らずの顧客と向き合うプレッシャーや、初対面の人からアッサリ断られるプレッシャーから営業は難しいと感じても不思議ではありません。とくに、営業をやったことのない人にとっては、このような話を聞くだけで難しいと感じてしまいがちだといえるでしょう。
売上・利益の目標という名のノルマによるプレッシャー
営業に達成すべき売上・利益の数字は付きものであり、毎月どころか毎日進捗を管理されるプレッシャーがあります。ノルマや目標未達成なら全員の前で叱責を受けることもあるなど、難しいと感じる人が多くなるようです。
常に人に見られているプレッシャー
営業は顧客との関係では会社の看板を背負っている代表的な存在であり、常に他者の目を意識する必要があります。身だしなみや言動など、いつも注意しておかなければならないプレッシャーに加え、人に見られているという事実が大きなプレッシャーであり、難しいと感じる要素です。
マルチタスクのプレッシャー
DX社会の進化とともに業務が効率化され、営業スタイルも多様化しているものの、さまざまな業務をマルチタスクでこなす部分は昔の営業と大きな違いがありません。限られた時間でミスなく予定を回すプレッシャーは営業が難しいと感じる要素です。
商品知識を深めるプレッシャー
扱う商材が少なく簡易なものである場合はともかく、多種多様で複雑な商材を担当する営業マンにとって、商品知識を深めるプレッシャーも大きなものだといえます。中途半端な理解では顧客の質問に答えられないため、気苦労が絶えず難しいと感じる要素です。
営業が難しいと感じる理由~業界や会社など自分側の問題

営業という職種全体にあるプレッシャーとは異なり、業界や会社など自分側に特有の事情があって難しいと感じる理由になっていることがあります。
業界に理由があるケース
・専門性
それぞれの業界で、営業職にも業界に特化した専門的な知識が求められるものです。とはいえ、よほど特殊な業界や商材でない限りは、教育や経験で知識とスキルを備えます。高度に専門的な知識を要する場合には、初めから適任者の採用がなされるでしょう。しかし、入社後に高度な専門性を身に付ける必要があるケースがないわけではありません。そういったケースでは、専門性が自分に合っていないと難しいと感じる理由になり得ます。
・数をこなす営業
業界によって営業スタイルは異なります。じっくりゆっくりと営業活動を進める業界もあれば、毎日のように新規案件の獲得が求められる業界もあり、その程度も会社によっては激しいものとなっているようです。数をこなさなければならない業界では、息つく暇もない状況に陥ってしまい難しいと感じます。
・新しいタイプの営業
SaaS業界のように新しいタイプの営業や、分業化したプロセスで行なう営業は発展途上であり、馴染みがない営業マンには難しいと感じる理由になり得ます。営業プロセスの分業化といえば、よく知られているのがマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの4プロセス・職種での分業です。それぞれのポジションに特化しつつ、横の連携が欠かせません。一匹狼タイプの営業職と親和性の高い人が難しいと感じても不思議ではないでしょう。
・営業が難しいと言われている業界
世間では営業が難しいと言われている業界があります。先に述べたプレッシャーが他の業界よりも強い可能性が高いと言われがちな不動産や金融業界、カーディーラー、新聞販売や保険業界などです。
これらの業界は営業が難しいと感じる理由を多く抱えているといえるでしょう。もちろん、あくまでも業界の一般的な傾向の話であって、個別にはプレッシャーや営業が難しいと感じる理由が少ない企業もあります。
企業文化に問題があるケース
業界に関係なく、企業文化に問題があるケースでは営業が難しいと感じる可能性があります。たとえばブラックと呼ばれる企業文化です。目標という名のノルマが厳しく、時間外労働や休日出勤が事実上の強制となっており見返りが少ないなどの特徴があります。ブラックではなくても、企業には長年にわたって形成された文化があり、すべての人が馴染めるとは限りません。営業の企業文化が自分に合っていないと難しいと感じる理由になり得ます。
また、会社全体や部署など組織そのものではなく、自分の上司との相性も営業が難しいと感じる理由のひとつです。各企業で悪しき伝統を見直す空気が強い昨今では、企業文化そのものよりも上司やメンバー間での個人的な問題が大きいといえるかもしれません。
就業条件・状況が自分に合っていない
ブラック企業のレベルではないまでも、残業が多い、休日出勤が多いといった会社ではプライベートの予定が組みにくいなどの弊害が生じやすくなります。とくに、顧客相手の仕事である営業職は他の職種よりもイレギュラー対応が多くなりがちです。ワークライフバランスを重視するなかで、こうした環境のミスマッチは労働意欲の低下につながりかねず、営業が難しいと感じる理由のひとつになっています。
スキル不足
自分のスキルが営業の仕事に合っていないケースでは、単にきついだけでなく成績不振にもなりやすく、結果的に難しいと感じる理由になり得るでしょう。スキルの問題については次で解説します。
営業が難しいと感じるスキルの問題

自分が持っているスキルの関係で営業が難しいと感じるケースは少なくないようです。しかし、実は他の理由も多くはスキルに関係しているといえます。
コミュニケーションが苦手
コミュニケーションは営業の基本であり、苦手意識があると仕事が進みにくく営業が難しいと感じてしまうでしょう。営業の仕事はあいさつ、ヒアリング、プレゼンテーション、クロージング、フォローなど一連のプロセスで必ず顧客とのコミュニケーションを必要とするためです。コミュニケーションのスキルは以下の各スキルのベースとなるため、より重要度が高いといえるでしょう。
ヒアリング力が低い
現代の営業は顧客のニーズ、課題を正確に把握しなければ成果につながらないケースが多いといえます。顧客ニーズや課題の把握に必要なスキルはヒアリング力です。ヒアリング力が低いと商談の前提となる情報がつかめず、的外れな商談を行ってしまうおそれがあります。その結果、成果を上げにくくなり営業が難しいと感じる理由になり得ます。
課題解決力が低い
顧客ニーズや課題が明確になったとしても、どのように解決に導くかが思いつかなければ商機に結びつかないといえます。課題解決力は解決策を見出して、合致する自社のソリューションを選定するスキルです。課題解決力はトラブル対応力にも通じるスキルであり、イレギュラーな状況が発生しやすい営業の仕事には必要不可欠だといえます。
また、課題解決にはあくまでも自社の商品・サービスを提案する必要があることから、商品の理解が不足している場合もスキル不足につながり、営業が難しいと感じる理由になるでしょう。
プレゼンテーション能力が低い
プレゼンテーションスキルが低い場合も営業が難しいと感じやすくなります。ソリューションを構築できたとしても、導入につなげるためには顧客に現状のデメリットと導入するメリットを的確に理解してもらわなければなりません。そのための活動がプレゼンテーションであり、顧客が納得するプレゼンテーションを行う必要があります。
押しが弱い
営業は売ってナンボの仕事です。プレゼンテーションがよければ売れるとは限らず、押しが弱くて最終的に契約成立とならないケースもあります。契約が成立しなければ営業に求められている数字は計上できません。そんなことが続けば、営業が難しいと感じる理由になり得るでしょう。顧客が迷っているときなどには、押し売りではなく、もうひと押しの強さがスキルとして求められます。
スケジュール管理が下手
最初に述べたようにマルチタスクで忙しい営業は、時間の使い方やスケジュール管理が下手だと難しいと感じやすい仕事です。スケジュール管理は営業に欠かせないスキルですが、支援ツールなどの活用でカバー可能なスキルでもあります。
ストレス耐性が弱い
ストレス耐性も一種のスキルであり、営業はストレス耐性が弱いと難しいと感じやすい仕事です。多くのプレッシャーに囲まれているだけでなく、イレギュラーが発生したときや無理な要求を受けたとき、暴言を吐かれたときなどのストレスも相当なものだといえます。
担当する顧客によっては営業が難しいと感じる理由になる

業界や会社、スキルに問題がなくても営業が難しいと感じる理由として、担当する顧客が問題となるケースがあります。
法人相手と個人相手の違い
営業先には一般的に法人顧客と個人顧客の区別があります。法人相手と個人相手では営業のやり方が異なり、真逆になるケースもあることから、一方が得意でも他方が苦手という営業マンも珍しくありません。
(法人営業が難しいと感じる主な要素)
・決裁のプロセスが複雑で導入までの期間が長くなりがちなためすぐに結果が出ない
・堅苦しさがある
・顧客が営業電話などのアプローチになれているため相手にされないケースが少なくない
・顧客の業界や事業内容などの理解が必要なケースが多い
・顧客の営業時間や業務進行の都合に合わせる必要がある
・接待がある
(個人営業が難しいと感じる主な要素)
・顧客の気分やノリで商談の結果が左右されるケースがある
・飛び込みなどの新規開拓中心の活動がほとんど
・法人顧客のような看板を気にする意識が顧客にないため辛辣な言葉を投げられやすい
・休日や夜間の対応が多くなりがち
・単価が低く予算達成のハードルが高いケースがある
地域による違い
地方によっては地域の結びつきが強固で排他的とまでは言えないものの、地元との関係性の強弱が営業の行方を左右する空気があります。その地方独特のやり方があり、異なる方法だと受け入れられない、長く付き合いのある営業マンや会社としか取引しないなどの傾向が見受けられるエリアも残っているようです。外部から地域性を強く持った顧客が多いエリアの担当をすると、営業は難しいと感じる理由になり得ます。
官公署が相手
省庁や地方自治体などが顧客の場合は、民間企業向けの営業とは大きく異なる取り組みが必要になります。そもそも指名競争入札などでは、粘りや人間関係とは無関係なケースが多いため、人間関係を構築してリードナーチャリングを行うタイプの営業スタイルが染みついている営業マンには難しいと感じるかもしれません。ただし、随意契約が認められるケースもあり、外郭団体などでは人間関係からの紹介を期待できるケースもあります。
扱う商材が理由で営業が難しいと感じるケース

俗に鉛筆から戦車までなどと、扱い品目の多様さを表現されるのは総合商社ですが、この世の営業が扱う商材にはありとあらゆるものがあります。
カタチのないサービスの営業は難しい
物販であれば、極端な話として現物を見てもらうことで営業は可能です。しかし、カタチがないものは目に見えないよさを伝える能力を必要とするため、物販よりも難しいと感じられるケースが多いといえます。
サービスのなかでも目に見えないものはより難しい
物販以外でもたとえば、清掃サービスや事務的なサービスであれば、商材自体にカタチは無くてもサービスの提供を目で見ることは可能です。しかし、コンサルティングなどのサービスではプレゼンテーションやレポートなどを見せることはできても、サービス自体は本番でなければ抽象的で事前に見せることが困難です。そのため、より難しいと感じてしまう営業の種類だといえるでしょう。
営業が難しいと感じるときの解決方法

営業が難しいと感じるとき、行き詰ったと思うときの解決方法を解説します。
周囲に相談する
営業が難しいと感じる理由を考えたとき、自分で抱え込んでいても解決する可能性は低く、悪化するおそれがあることから上司や同僚など周囲の人に相談することが重要です。客観的な視点から自分では気づかない有益なアドバイスを受けることで、解決につながる可能性が高まります。
行動を変える
いまのやり方で難しいと感じている以上、同じことを繰り返しても結果は同じになる可能性が大です。したがって、思い切って営業手法など行動を変えてみることが解決の糸口になる可能性があります。
スキルを磨く
スキル不足が感じられる場合は、自分に足りないスキルを洗い出して強化する必要があります。ただし、スキルアップは簡単なことではないため、ロールプレイングや同行営業などを含めて周囲の協力を得たり、セミナーに参加したりといった積極的な動きが大切です。
顧客情報を見直す
コンサルティングセールスが当たり前になっている営業現場では、顧客情報の正しい理解と分析が営業の成功に欠かせません。顧客に対する勘違いやヒアリング不足があれば修正、追加のヒアリングを行います。効果的なヒアリングを行うためには、5C分析やSPIN話法などのフレームワークやヒアリングシートの活用も重要です。
商品理解を深める
営業が難しいと感じる理由の少なくない部分に商品の理解不足があると考えられます。自社の扱い商品を徹底的に知ることで、これまで思いつかなかったソリューションになるなど、新たな展開への期待が可能です。また、それ以前の話として、そもそも商品をよく知らない、商品が好きではないといった状態では、自信を持って売れません。
顧客に応じた対応方法を知る
地域性の問題であればその地域の習慣などをリサーチし、官公署が相手なら新規登録や入札のシステムを理解して漏れのない手続きを行うといったように、顧客に応じた対応方法を知って実践することが重要です。また、こういった特殊ともいえる状況の顧客を相手にする場合、どのような状況でもアシストしてくれる人脈を作ることも考えておきましょう。
見切りをつける
営業が難しいと感じなくなるように頑張ったからといって、必ずしも事態が好転するとは限りません。構造的な問題であれば、状況が変わらないままというケースも少なくないでしょう。ここまでやってもダメだったというタイミングで見切りをつけて、新天地へ向かう決断も必要です。
営業職の転職を成功させるために

難しいと言われたり、難しいと感じやすかったりする営業ですが、それを承知のうえで営業職の転職を成功させるために必要なことを解説します。
営業のやりがいを再確認する
転職先で営業職として活躍を目指すなら、難しいと感じる理由を理解したうえで、それを上回るやりがいを再確認してモチベーションを維持・向上させることがポイントになります。主なやりがいは以下の通りです。
・社会に貢献できる
・達成感が得られる
・顧客に感謝される
・自己の成長を感じられる
・報酬への反映
・さまざまな出会いと人脈作り
スキルの棚卸
営業が難しいと感じるときの解決方法とも重なりますが、自分のスキルの棚卸は営業職の転職成功に欠かせません。スキルのミスマッチを防ぎ、不足があれば強化することで転職の成功に近付けます。
営業職特化型の転職支援サービスの活用
自己流よりも転職支援サービスを活用した転職活動のほうが効率よく結果を追求できます。さらに、営業職特化型のサービスなら、より深い部分で成功を目指せるでしょう。
転職先選びを成功させて営業を難しい仕事ではなくならせよう
営業は難しいと言われています。その理由は業界や会社に起因するもの、自己のスキル不足が原因のもの、顧客の特性によるものなどさまざまです。営業が難しいと感じたときは、理由に応じた解決策を試してみるとよいでしょう。営業への転職は転職先選びを成功させることが重要です。特化型支援サービスを活用するなどし、転職先選びが成功すれば、営業が難しい仕事ではなくなる可能性が大きくなります。
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この記事の監修者
荒川 翔貴
学生時代に100名規模の営業団体を設立後、大手メーカーで新人賞、売上4,000%増を達成。その後人材業界に転身し、ベンチャー企業にて求職者・企業双方を支援。プレイヤーとして社内売上ギネスを塗り替えながら、3年で事業部長に昇進し組織マネジメントも経験する。
現在は株式会社9Eのキャリアアドバイザーチームリーダーとして、入社半年で再び社内ギネスを更新するなど、常に成果を追求し続けている。(▶︎詳しく見る)

