営業に向いていない人、苦手と感じる人がいる理由はなにか?特徴や克服する方法を解説
営業職に就いているものの、「営業が苦手」「毎日がつらい」と感じている方はいるのではないでしょうか。営業が苦手に感じる原因やその理由を明らかにし、自分に合った克服法やキャリアの選択肢を知ると、気持ちがとても楽になるはずです。
本記事では、営業が苦手な人の特徴や意識の持ち方、克服するための方法について解説します。
営業が苦手と感じる人は意外と多い
営業が苦手と感じる人は少なくありません。特に未経験で営業職に就いた場合、想像以上のプレッシャーに直面し、苦手意識を強く感じやすくなります。ここでは、営業が苦手と感じる人の背景や営業職に対してもつイメージ、離職率の高さなどを分析し、本質的な課題と向き合っていきます。
営業職へのネガティブなイメージ
営業と聞くと、どのようなイメージを持たれるでしょうか。一般的に「押し売り」「ノルマが厳しい」「精神的にキツい」など、ネガティブな印象を持つ人が多い傾向にあります。特に飛び込み営業やテレアポなどで何度も断られる、成果主義が強く他人と比較される、という点は、ストレスを感じる人も多いです。こうした先入観が、営業=自分には向いていないという思い込みにつながり、モチベーションに影響を与えてしまうのです。
営業職の離職率
営業職は全職種の中でも離職率が高く、早期退職のリスクが特に大きいポジションとして知られています。厚生労働省のデータ(※1)によると、2023年の就業者全体の平均離職率は15.4%であり、営業職はこれよりも高い傾向にあると言われています。
営業職の経験者の中には、適性を疑問視し転職を考える人も多く、定着率の向上が業界全体の課題となっています。
※1 参考:厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/24-2/dl/gaikyou.pdf
離職率が高い職種
営業職の中でも、不動産営業や保険営業は特に離職率が高い業界として知られています。なぜなら、高額商品を取り扱う営業職では、成果が出るまで時間がかかり、精神的な負担が大きいためです。思うように成果が上がらないと、やりがいを感じられないと考える人も少なくありません。こうした状況を考慮すると、営業が苦手と感じることは自然な反応といえます。
なぜ営業が苦手なのか?その主な理由とは

営業職を苦手に感じる背景には、明確な理由が存在します。ここでは代表的な理由として、以下の3点に焦点を当て、それぞれの要因が苦手意識につながる過程を解説していきます。
・顧客とコミュニケーションがうまく取れない
・成果主義とノルマのプレッシャー
・業務が多く疲弊してしまう
それぞれについて、詳しく解説します。
顧客とコミュニケーションがうまく取れない
営業では「顧客とのコミュニケーション」が得意でないと、会話自体にストレスを感じてしまいます。特に初対面の相手との距離感や会話の内容、タイミングを見極めることが難しいでしょう。これが続くと、日々の業務に強いストレスを感じ、自然と営業に苦手意識を感じてしまいます。
成果主義とノルマのプレッシャー
営業職の多くは成果主義が基本です。成果が出ているときはやりがいにつながりますが、結果が出ない時期には自信を喪失しやすくなります。また、毎月のノルマに追われる日々は、焦りやプレッシャーを生み出し、精神が不安定になる要因にもなります。努力と結果が直結しない営業という仕事に対して、無力感を感じてしまうことも、苦手と感じる理由のひとつです。
業務が多く疲弊してしまう
営業の仕事は商談以外にも、多くの仕事があります。例えば、以下のような作業です。
・商談の事前準備
・報告書や資料作成
・アポイント管理
これらの仕事は、複数の顧客を担当する人はさらに多くなっていきます。さらに移動や外回りも加わると、時間的・体力的負担は予想以上に大きくなり、毎日疲弊する状況に陥りがちです。業務量の多さに加えて、突発的な対応も多いため、環境に耐えられず、営業という仕事を苦手に感じてしまう人が多いのです。
営業が苦手な人の共通する特徴

営業に苦手意識を持つ人には、共通する特徴があります。ここでは、その特徴を3つ解説します。もし営業への転職を考えている人は、これらの特徴に合致していないか、事前に確認してみるとよいでしょう。
内向的な性格の人
内向的な人や、人とのコミュニケーションをとるのが苦手な人は、営業職には不向きとされがちです。営業職は、基本的に多くの人と積極的にコミュニケーションを取る必要があるからです。特に初対面の相手に話しかけることに強い抵抗を感じることが多い人は、提案や交渉の場面では緊張して本来の力を発揮できないケースもあります。
一方で、内向的な人は「聞く力」や「共感力」に優れる面もあり、信頼関係を丁寧に築く営業スタイルにおいては、むしろ強みになることもあります。自分の特性に合ったアプローチを探してみましょう。
見た目を気にしない人
見た目を気にしない人は、営業に向いているとはいえません。なぜなら、営業職では第一印象が非常に重要だからです。見た目をあまり気にしない人は、身だしなみや表情、話し方に無頓着になり、結果として顧客に不信感を与える原因になることもあります。
いくら話の内容が優れていても、清潔感のない服装や無表情な態度では、相手から信頼は得られないでしょう。最低限のビジネスマナーや見た目への意識を持つだけでも、成果に大きな違いが生まれます。
計画どおりに作業を進められない人
営業活動には多くの仕事が発生するため、自己管理能力が求められます。計画性がなく、感覚的に仕事を進めてしまう人は、タスクの抜け漏れや納期遅れが生じやすく、信頼を損なう原因となります。営業職は計画的に物事を進めるための「段取り力」や「計画実行力」が不可欠です。これが不足していると業務そのものが負担になるのです。
営業が苦手でも活躍できる人の意識の持ち方

営業で活躍する人は、誰もが営業に苦手意識を持っていないというわけではありません。営業に対して苦手意識があっても、意識の持ち方ひとつでその壁を乗り越えることは可能です。ここでは、営業が得意でなくても現場で結果を出している人たちに共通する3つの意識の持ち方を紹介します。
毎日の業務を振り返り、自分を客観視する
営業がうまくいかないと感じたときほど、日々の業務を振り返りましょう。例えば、その日の営業トークや提案の流れ、商談時の相手の反応、自分の感情の動きなどをメモしておくと、自分の強みや改善点が見えてきます。特に営業が苦手な人ほど、失敗を避けたがる傾向にありますが、客観的な振り返りこそが成長への第一歩です。毎日の業務に対して自己分析と改善を繰り返すことで、着実に自信と成果につながります。
常に学び続ける姿勢をもつ
営業に苦手意識がある人ほど、学び続けることでその苦手意識を克服することができます。例えば、営業テクニックに関する書籍の読書、先輩社員のトーク観察、ロールプレイによる練習、フィードバックの受け入れなどは、日常の中でできる学びの機会です。自分に足りない部分を把握し、成長しようとする姿勢を持つことで、着実にレベルアップしていきます。
営業は会話ではなく「課題解決」と捉える
営業という仕事を「話す仕事」や「売り込む仕事」と捉えると、苦手意識が強くなりがちです。しかし、実際の営業は「相手の課題を見つけて解決すること」が本質です。この視点を持つことにより、トークスキルや押しの強さよりも、相手の話を聞き出す力や、適切な提案力の方を重視するようになります。営業に自信がない人でも、「相手の役に立ちたい」「課題を解決したい」という気持ちを持つことで、自然と会話の質が向上し、結果的に信頼を得やすくなるのです。
苦手を克服するための対処法

営業に苦手意識がある人は「戦略的な対処法」を取り入れることが重要です。ただ漠然と頑張るのではなく、再現性のある工夫を積み重ねていくことで、少しずつ自信と成果がついてきます。この章では、特に即効性がありながら継続しやすい3つの方法を解説します。
話す内容を事前に用意する
商談前に話す内容を事前に準備し、シミュレーションしておきましょう。営業が苦手な人の多くは、「何を話すか」が曖昧なまま商談に臨んでしまい、途中で焦ってしまうケースが多いです。そのため、事前に話す内容を用意しておくことが効果的です。あらかじめ自己紹介の一言からヒアリング項目、商品の説明、クロージングの流れまでを整理しておくことで、緊張や焦りがなくなります。また、心の余裕も生まれ、相手の話にしっかり耳を傾けることができます。
メンタルトレーニングを活用し、失敗体験から学びを得る
営業での失敗体験は誰にでもあるものですが、それを単なる「苦い記憶」にしてしまうのはよくありません。失敗を成長の材料として捉えるには、メンタルトレーニングが有効です。例えば、自己肯定感を高める呼吸法やポジティブな言葉を意識的に使う練習は、日常的な不安の軽減に効果的です。「いつも商談のときは緊張して言葉が出ない」という人は、メンタルトレーニングをして心を落ち着かせる練習をしておくとよいでしょう。
先輩や同僚からアドバイスをもらう
営業が苦手なとき、自分一人で抱え込まずに周囲の力を借りましょう。経験豊富な先輩や同僚に相談すれば、自分が気づけなかった視点や改善策を得ることができます。特に、実際のトーク内容や提案資料の見せ方についてフィードバックをもらうと、具体的にどこが弱点かが明確になります。また、先輩の営業スタイルを観察したり真似したりすることで、自分に合ったやり方を見つけるヒントにもなります。
自分に合った営業スタイルを確認しよう

営業にはさまざまなスタイルが存在します。「営業が苦手」と感じる理由は、スタイルが自分にあっていないことが少なくありません。自分に合う営業スタイルを選択することで、大きくパフォーマンスが変わることもあります。この章では、代表的な営業スタイルであるインバウンド型、提案型、そしてITスキルを活かしたスタイルについて紹介します。
インバウンド型営業
インバウンド型営業とは、問い合わせや資料請求など、顧客側からアクションがあった後に対応する営業スタイルです。自らアプローチするアウトバウンド営業に比べて、押し売り感が少なく、会話の主導権を顧客が持っているケースが多いため、内向的な人や聞き上手な人に向いています。顧客のニーズが明確な場合が多く、売り込むというよりも「説明・提案」が中心になるのが特徴です。営業に不安を抱えている人でも、取り組みやすいスタイルの一つといえるでしょう。
提案型営業
提案型営業は、単に商品を売るのではなく、顧客の課題やニーズを丁寧にヒアリングし、それに対する解決策を提案する営業スタイルです。顧客との信頼関係を構築しながら進めるため、コミュニケーションに自信がなくても「聞く力」「情報整理力」があれば十分に成果を上げることが可能です。また、提案内容に納得してもらえれば価格競争に巻き込まれにくいというメリットもあります。物を売るのが苦手でも、「問題を解決すること」にやりがいを感じる人におすすめです。
ITスキルを活用した営業
近年では、ITスキルを活かした営業スタイルも注目されています。例えば、CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援ツール)、クラウドサービスを活用した営業、またはマーケティングとの連携による効率的なアプローチなどです。ITが得意な人は、これらのツールを駆使することで、データに基づいた科学的な営業活動が可能です。人と話すことが苦手でも、数字分析やシステム設計に強みがある人なら、営業を支える役割も担えます。
営業職は他にも多様なスタイルがある

先ほどご紹介した営業スタイルに合致する営業職の中でも、特に近年需要が高まっている「インサイドセールス」「カスタマーサクセス」「キャリアアドバイザー」の3つの営業スタイルについて詳しく解説します。自分の性格やスキルにマッチする営業職を探してみてください。
インサイドセールス
インサイドセールスは、電話・メール・オンライン商談などを活用して、訪問せずに営業活動を行うスタイルです。対面営業に比べて移動の負担がなく、顧客との接点も効率的に管理できます。また、データをもとにしたアプローチが重視されるため、論理的に話すのが得意な人や、落ち着いて業務を進めたい人に向いています。顧客との初期接点を担うことが多く、信頼関係の第一歩を築く役割として、現在では多くの企業が導入を進めている注目の営業手法です。
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスは、商品やサービスを売り込むのではなく、既存顧客の継続利用や満足度向上を支援するポジションです。新規獲得をメインとする営業とは異なり、「売ること」よりも「関係性を育てること」を目的とする、提案型の営業です。ヒアリング力や問題解決力が重視され、長期的な信頼構築が求められるため、丁寧な対応が得意な人に特に向いています。特にIT業界やSaaS企業での需要が高く、将来性のあるキャリアパスとして注目されています。
キャリアアドバイザー
キャリアアドバイザーは、求職者に対して仕事の紹介やキャリア相談を行う職種で、人材業界を中心に活躍の場があります。単なる「営業」ではなく、「人の人生に寄り添うサポート役」としての側面が強いため、コミュニケーションに不安があっても「誰かの役に立ちたい」という気持ちがあれば成果を出しやすい仕事です。求職者と企業の両方に対するヒアリング力やマッチング力が必要ですが、営業経験を活かしてキャリアチェンジを目指す人にも人気の高い職種です。
営業職に向いていないと感じたら

「営業がどうしても自分には合わない」と感じることは、決して甘えではありません。適性や性格に合わない業務を続けることは、心身の不調やキャリアの停滞につながる恐れもあります。大切なのは、逃げるのではなく「正しく見極めて、適切に行動する」ことです。この章では、営業に向いていないと感じたときに取るべき3つの選択肢を解説します。
上司に相談する
営業が辛いと感じたとき、まず最初に取るべき行動は「信頼できる上司に相談すること」です。自分だけで悩みを抱えていても、状況は改善しません。相談の際は、ただ「営業が嫌です」と伝えるのではなく、「こういう場面で困っている」「このような工夫をしているがうまくいかない」といった具体的な状況を共有しましょう。上司の視点からは意外なアドバイスや業務調整の提案が得られることもあり、職場内での選択肢が広がる可能性があります。
部署異動を願い出る
社内で営業以外の職種が存在する場合は、部署異動を希望するという選択肢も有効です。同じ会社内であれば、これまでの実績や信頼関係を活かしてスムーズにキャリアチェンジできるケースもあります。たとえば、事務職・マーケティング部門・カスタマーサポートなど、営業経験が活かせる部署は少なくありません。営業が苦手でも「コミュニケーションは得意」「数字の管理は得意」といった強みがあれば、別の職種で十分に活躍できる可能性があります。
転職する
どうしても営業が合わず、職場内での改善も難しい場合は、転職を視野に入れることもひとつの選択肢です。大切なのは、自分の苦手や限界を理解したうえで、次に向けて前向きな一歩を踏み出すことです。「営業が苦手だから」という理由で転職してしまうと、次の転職先では悪い印象を与えてしまう可能性があります。営業で得た経験やスキルは、他の職種でも活かすことができます。転職活動では、自己分析を丁寧に行い「自分はどんな環境・業務なら力を発揮できるのか」を明確にしましょう。
営業が苦手に感じたら他のスタイルも考えてみよう
営業を苦手と感じる理由はさまざまです。代表的なものとして、顧客とのコミュニケーションがうまく取れないことや、成果主義のプレッシャー、業務過多による疲弊などが挙げられます。しかし、日々の仕事ぶりを振り返って改善を繰り返したり、先輩や同僚に相談してフィードバックを得るなど努力することで、その苦手を克服することも可能です。また、営業スタイルが合わないと感じる人は、他の営業職への転職を検討することも方法の1つです。
弊社では、営業職に関するノウハウを持つだけでなく、本記事でご紹介したインサイトセールス、カスタマーサクセス、IT・SaaSセールスへの求人も紹介しています。無料相談も受け付けておりますので、転職支援をご希望の方は、ぜひご連絡ください。
9Eキャリアで後悔のない営業職転職を
9Eキャリアは、営業職への転職に特化した”求職者のことを1番に考える”伴走型転職エージェントです。
①“特化型”だからできる、他では出会えない厳選求人
②企業の裏側まで熟知したエージェントによる支援
③書類も面接も通過率が上がる、伴走型の転職支援
という特徴があります。
営業職で年収を高めていきたい方はぜひ以下ボタンから会員登録いただき、面談のご予約をお願いいたします。
この記事の監修者
荒川 翔貴
学生時代に100名規模の営業団体を設立後、大手メーカーで新人賞、売上4,000%増を達成。その後人材業界に転身し、ベンチャー企業にて求職者・企業双方を支援。プレイヤーとして社内売上ギネスを塗り替えながら、3年で事業部長に昇進し組織マネジメントも経験する。
現在は株式会社9Eのキャリアアドバイザーチームリーダーとして、入社半年で再び社内ギネスを更新するなど、常に成果を追求し続けている。(▶︎詳しく見る)

