営業職の志望動機の書き方|種類別・経験別の例文と面接での伝え方まで解説

営業職に挑戦したいけれど、「志望動機の書き方がわからない」と悩んでいませんか?実際、営業は人気職種であるため応募者が多く、差別化できない志望動機は埋もれてしまいます。

では、どうすればよいのでしょうか。

答えは、営業職の本質を理解し、関連する経験や強み、興味を応募企業に結びつけて伝えることです。

本記事の目次としては、営業職の種類や役割を整理したうえで、志望動機に盛り込むべき内容、経験・職種・業界別の具体例、さらには面接での伝え方や避けるべきNG例まで徹底解説します。

営業職を目指す未経験者からキャリアアップを狙う経験者まで、それぞれの立場に合わせたポイントを紹介しているため、自分に合った志望動機を構築できるはずです。

ぜひ最後まで読み進め、自身の強みと将来像を効果的に伝えられる志望動機を完成させてください。

会員登録

そもそも営業職とは

営業職とは、商品やサービスを顧客に届けるために、相手の課題を見極め、最適な解決策を提示する役割を担う仕事です。モノを売るだけでなく、信頼関係を築きながら、顧客の状況に即した提案を通じて価値を届ける姿勢が求められます。

たとえば、業務の効率化に悩む企業があれば、その背景や障壁を丁寧に聞き取り、自社のITツールを活用した改善案を提示します。この場面で求められるのは、製品の特徴を並べる営業ではなく、顧客視点に立って価値を再構成し、的確に伝える力です。

営業という職種は、成果が明確に数値へと反映されます。売上金額や受注件数、目標に対する進捗などが可視化されるため、努力が実感につながりやすく、高い達成意欲を持つ人には充実感を得やすい環境です。

また、顧客と企業の接点に立つ存在として、現場の声を開発やマーケティングの部門に届ける橋渡しの役割も担います。この点においては、販売するだけの人材ではなく、新製品の開発やシェア拡大を推進する中核と位置づけられます。

未経験から営業に挑む場合でも、こうした本質を理解していれば、志望動機に説得力が生まれます。

「人と話すのが好き」といった印象的なフレーズに頼るのではなく、相手の課題に寄り添い、結果につなげようとする姿勢を言葉にすることが、採用担当者の印象に残る第一歩となるでしょう。

営業職の種類

一口に営業職といっても、そのスタイルや顧客の種類、仕事内容、アプローチ方法によってさまざまなタイプがあります。自分が目指す営業の姿や、適性を見極めるためにも、各営業スタイルの違いを理解しておくことが大切です。

ここでは代表的な5つの営業職の一覧を紹介します。

 

種類 対象 特徴
個人営業 個人 保険・不動産などを提案。信頼関係が重要
法人営業 企業 経営課題を解決する提案型営業。論理性が必要
新規開拓営業 新規顧客 テレアポや訪問で接点を作る。行動力が重要
ルート営業 既存顧客 定期訪問で関係維持・拡大。信頼重視
インサイドセールス 見込み顧客 非対面で商談を創出。IT活用力が必。

 

個人営業

個人営業とは、個人を対象に商品やサービスを提案・販売する営業手法です。

代表的な例としては、保険の営業、自動車販売、不動産仲介ビジネスなどが挙げられます。取り扱う商材は、生活設計や人生の選択に関わるものが多いため、顧客の価値観や背景を丁寧にくみ取る姿勢が必要です。

購入の判断には、商品そのものの性能以上に、感情や信頼関係が強く影響します。そのため、契約後も継続的なサポートを通じて信頼を深める姿勢が欠かせません。一人ひとりとの対話を重視し、相手の変化に敏感に気づける人ほど、高い成果を残しやすい傾向があります。

法人営業

法人営業は、企業や団体を対象に商品やサービスを提案する営業職です。BtoBとも呼ばれ、システム開発やオフィス機器、業務用ソフトウェアなどを通じて、業務効率の向上や経営課題の解決を図る提案が主軸となります。

商談では、決裁者が複数にわたることや、交渉が長期化する場面も少なくありません。こうした環境では、論理的に話を構成する力に加えて、戦略的に物事を進める視点が不可欠です。

また、信頼関係を築く姿勢が成果に直結しやすく、部署を横断した調整が求められる場面では、社内外を巻き込む調整力が問われます。

新規開拓営業

新規開拓営業は、これまで接点のなかった顧客に働きかけ、取引のきっかけを生み出す営業スタイルです。テレアポや飛び込み訪問、展示会への出展など、自ら接点を築く行動が求められる点に特色があります。

信頼関係が築かれていない状態から始まるため、提案内容の質に加え、相手の意図をくみ取るヒアリング力や断られても動じない粘り強さが問われます。

成果まで時間がかかる場面もありますが、工夫を重ねることで結果に結びつく経験は、営業としての基礎を鍛える上で意義深いものとなります。

ルート営業

ルート営業(ルートセールス)は、既存の取引先を定期的に訪問し、関係を維持しながら取引の拡大を目指す営業スタイルです。新規開拓とは異なり、信頼関係をより深めながらリピートやアップセルの機会を見出す役割を担います。

顧客の変化にいち早く気づき、状況に合わせて提案の内容を調整できれば、継続的な取引や満足度の向上につながります。相手の話をしっかりと受け止め、きめ細かい対応ができる人に向いている傾向があります。

インサイドセールス

インサイドセールスは、電話やメール、コンテンツ、オンラインツールを活用し、非対面で営業活動を行うスタイルです。基本的にマーケティング部門が集めた見込み客に対してニーズを聞き出し、マッチ率の高い顧客を商談へとつなげる役割を担います。

訪問を必要としないため業務効率が高く、リモート営業が浸透した現在では新しい仕事として注目が集まっています。必要とされるのは、相手の意図を引き出すヒアリング力、わかりやすく伝える文章力、ツールを使いこなす操作スキルです。営業経験がなくても始めやすい点も特徴のひとつです。

顧客との信頼関係を築く入り口として、フィールドセールスと連携しながら役割を分担する体制が一般的になりつつあります。

営業職の志望動機と自己PRの違い

志望動機と自己PRは混同されがちですが、それぞれの目的は明確に異なります。

志望動機は、企業や職種に関心を持った理由を伝えるものであり、「なぜ営業職を選んだのか」「なぜこの企業に魅力を感じたのか」を語る場です。一方の自己PRは、自分の強みや実績を示し、それが企業のニーズとどう結びつくかを説明します。

たとえば、志望動機では「貴社の〇〇サービスが市場の課題を解決しており、営業としてその価値を広めたい」といった共感や方向性を伝えます。一方で自己PRでは、「前職で培った顧客対応力を活かし、信頼関係を築く営業として成果を上げられる」といった形で、自分の経験と企業への貢献を結びつけます。

この2つを別々に考えるのではなく、軸をそろえて書いてみることで、一貫性が生まれます。志望動機で企業との接点を明確にし、自己PRで具体的な強みを示せれば、選考での説得力が高まるでしょう。

 

項目 目的 内容のポイント
志望動機 なぜその企業・職種を選んだかを伝える 興味を持った理由や共感する点を示す
自己PR 自分の強みを企業にどう活かせるかを伝える 実績やスキルを具体的に説明する
書き方のコツ 一貫性を持たせる 志望動機で方向性を示し、自己PRで強みを裏づける

 

営業職の志望動機で書く・伝えるべき内容

営業職の志望動機を考える際、やる気や憧れだけを述べても、選考を突破するのは難しくなります。

求められるのは、営業という仕事への理解を踏まえたうえで、自分の経験や強みをどう活かせるかを具体的に示す姿勢です。加えて、その企業で働く理由に納得感があるかどうかも重視されます。

ここでは、説得力のある志望動機を組み立てるために押さえておきたい、4つの重要要素を解説します。

営業職への理解

まず前提として、営業職の役割を正しく理解したうえで志望していることを伝える必要があります。営業は、商品を売るだけの仕事ではありません。顧客の課題やニーズを見きわめ、最適な解決策を提示することで価値を届ける職種です。

この視点が欠けたままでは、「数字を追うのが得意」「人と話すのが好き」といった動機は浅く受け取られがちです。説得力のある志望動機を目指すには、たとえば「顧客の本音を引き出す力に関心がある」「課題解決を通じて信頼関係を築きたい」といった観点を盛り込むのが効果的です。

企業側は、営業という仕事を単なる手段ではなく、価値を生み出すプロセスとして捉えているかどうかを見ています。

自身の経験と営業に求められるスキルの接続

次に重要なのが、自分の経験を営業にどう結びつけるかという視点です。たとえ未経験であっても、接客や販売、カスタマーサポートなど、人と関わる仕事をしてきた経験があれば、その中に営業との共通点を見出せます。

たとえば、アルバイトで多くの顧客に対応していた経験を、「相手の反応を観察し、最適なタイミングで提案する力」へと転換できれば、それは営業における強みになります。

経験が直接的でなくても、対人スキルや関係構築の意識など、共通する要素に焦点を当てることで、志望動機に現実味と深みが加わるのです。

志望企業で実現したいこと

どれほど営業への意欲を語っても、その企業を選ぶ理由があいまいでは、他の応募者との差は生まれません。企業に対する関心や共感が具体的に伝わってはじめて、説得力のある志望動機になります。

〇〇業界で◯◯という課題に向き合う御社の姿勢に共感し、その価値を届ける営業として関わりたい、という内容であれば、企業理解と貢献意欲の両方を示せます。企業の公式サイトやIR情報、ニュースリリースを事前に調べておけば、動機の深さが伝わる内容にできます。

自分がどう貢献できるか

最後に、その企業でどのように貢献できるかを具体的に示す視点も欠かせません。これは自己PRと重なる部分でもあり、自分の強みを志望企業の営業活動にどう結びつけるかが問われます。

たとえば、初対面でも臆せず話せる強みを活かし、未開拓の顧客層へのアプローチを積極的に進めたい、といったように、自分の特性を行動や成果のイメージに落とし込めば、企業側も入社後の姿を描きやすくなります。

営業職の志望動機を書く際のポイント

志望動機は、自分の思いを一方的に述べる場ではありません。採用担当者に、この人に会ってみたい、話を聞いてみたいと思わせる内容に仕上げる必要があります。特に営業職は応募者が多く、他の候補者と差をつける視点が欠かせません。

ここでは、営業職の志望動機を考えるうえで意識しておきたい3つのコツを紹介します。

抽象的ではなく具体的に書く

志望動機を考える際によくあるのが、内容が抽象的なまま終わってしまうケースです。

たとえば、「コミュニケーション能力がある」「人と接するのが得意」といった表現だけでは他の応募者と似通いやすく、印象に残りにくくなります。具体性が欠けていると、自分の強みや経験が伝わらず、説得力のある志望理由にはつながりません。

こうした抽象的な表現を避けるには、実体験をもとに、どのような行動を取り、何を学び、どのスキルが身についたのかを言葉で示す必要があります。

大学時代にカフェでアルバイトをし、1日あたり100人以上を接客していた経験がある場合、相手の表情や声のトーンから要望を読み取る力が磨かれた、というように具体的に伝えれば、自分らしいエピソードになります。

可能であれば、数字も交えると効果的です。
売上の伸び、目標達成率、担当顧客数などを数値で示せば、実績に裏付けが生まれ、信頼性が高まります。「3か月連続で販売目標を120%以上達成」「顧客満足度調査で平均90点を獲得」などのデータは、自分の働きぶりを客観的に伝える材料として有効です。

このように、志望動機は自己評価にとどめず、経験を通じて得た成果やスキルを明確に示すことが大切です。内容を具体的に落とし込み、他の応募者との差が伝わる文章に整えていきましょう。

企業研究を踏まえて差別化する

どの企業にも当てはまりそうな一般的な志望動機では、書類選考を突破するのは難しくなります。

採用担当者が本当に知りたいのは、数ある企業の中からなぜその会社を選んだのか、という明確な理由です。この問いに答えるには、企業研究にもとづいた理解をもとに、動機を深く掘り下げていく必要があります。

企業の事業内容や業界での立ち位置、提供しているサービスや商品にどのような独自性があるのかを軸に、自分がどこに魅力を感じたのかを明確に言語化しましょう。特定の業界に特化したサービスを展開している企業であれば、その専門性や社会的な意義に注目し、どのような関心を抱いたのかを自分の言葉で伝える姿勢が求められます。

企業の取り組みや方針に共感した理由を具体的に示すことで、志望動機には説得力が生まれます。中小製造業向けにクラウドERPを提供し、生産性向上に貢献している企業であれば、社会課題の解決に取り組む姿勢や、現場に寄り添った設計への共感を通じて、企業への理解の深さを表現できます。

このように、理念への共感だけにとどまらず、事業やサービスそのものに目を向けることで、他の応募者との差が生まれます。企業のウェブサイトやIR情報、プレスリリース、業界動向などを丁寧に読み込み、自分なりの視点や考察を加えることで、文章に厚みが加わります。

企業への関心の深さは、志望動機の説得力に直結します。表面的な情報をなぞるのではなく、自分の経験や価値観と重ねて語ることが、他の候補者との差別化につながります。

将来像やキャリア展望を盛り込む

営業職を志望する際は、目先の意欲だけでなく、将来どのように成長していきたいのかという視点も欠かせません。企業が注目しているのは、今の適性や熱意だけではなく、採用後に長期的な戦力として活躍できるかどうか、育成に値する人材かどうかです。

そのため、自分が描いているキャリアの方向性や成長のイメージを伝えることは、志望動機に深みを加える要素になります。

たとえば、まずは個人営業で経験を積み、将来的には法人営業やチームマネジメントへと領域を広げていきたい、というように具体的なビジョンを示せば、短期と長期の両面に目を向けている姿勢が伝わります。

成長意欲を語る際は、志望先の制度や組織構成とも照らし合わせると説得力が増します。社内に明確なキャリアパスが用意されている企業であれば、その仕組みをどう活用し、どのような力を身につけていきたいのかを言葉にすることで、将来像が現実味を帯びてくるでしょう。

こうした展望は、長く働く意志や企業との相性を判断する材料にもなります。自分の成長と企業の方向性がどこで重なるのかを丁寧に示すことで、意欲が伝わるだけでなく、主体的にキャリアを築いていく人物として印象づけられます。

【経験別】営業職の志望動機の作成ポイントと例文

営業職の志望動機では、経験の有無によって重視されるポイントが変わります。未経験者の場合は、ポテンシャルや転職理由の妥当性が見られます。一方で経験者には、実績やスキルをどのような環境でも発揮できるかといった再現性が求められます。

ここでは、立場の違いに応じた志望動機の考え方と、それぞれの例文を紹介します。

未経験

未経験から営業職に挑戦する場合、企業が重視するのは、なぜ営業を選んだのか、なぜ今のタイミングなのかという点です。そのためには、これまでの経験を通じて身につけたスキルや姿勢が、営業の仕事にどう結びつくのかを具体的に示す必要があります。

接客業やコールセンターでの経験があれば、顧客対応やヒアリング力を軸に志望動機を構成できます。さらに、チームでの連携や課題に対する主体的な行動も、営業職で評価されやすい要素です。

【例文】

人と関わる仕事にやりがいを感じてきた中で、顧客とより深く向き合い、課題の解決を通じて価値を届ける営業職に関心を持ちました。アパレル販売では、お客様の悩みや要望を丁寧にくみ取り、最適な商品を提案する姿勢を大切にしてきました。この経験を活かし、相手の立場に立ちながら信頼を築ける営業として成長していきたいと考えています。

経験者

営業経験がある場合、これまでの実績や営業スタイルを明確に伝え、それが志望先の営業環境でも活かせると示すことが重要です。成果を並べるだけではなく、どのような考え方や行動を通じて成果につなげたのかを合わせて伝えることで、説得力が高まります。

また、今回の転職が消極的な理由によるものと受け取られないよう、キャリアの前向きな展開であることを示す姿勢も必要です。

【例文】

新規開拓営業として年間150社にアプローチし、そのうち30社との契約を実現しました。商談では、相手の課題を丁寧に聞き出し、複数のサービスから最適な組み合わせを提案することで、継続率の向上にも貢献しています。貴社の法人向けITサービスは顧客ごとに柔軟な提案が求められる点に強みがあり、自分の提案力をさらに高められる環境だと感じました。より複雑なニーズに対応しながら、深く価値を届けられる営業を目指したいと考えています。

【職種別】営業職の志望動機の作成ポイントと例文


営業職といっても、そのスタイルによって求められるスキルや顧客との関わり方は大きく異なります。そのため、志望動機を考える際は、自分が応募する営業スタイルに合わせて内容を適切に調整することが重要です。

ここでは、代表的な3つの職種に分けて、それぞれの特徴に応じた志望動機の考え方と例文を紹介します。

法人営業

法人営業では、顧客企業の課題を把握し、複数の関係者と連携しながら提案を進める力が求められます。そのため、論理的な思考や調整力に加え、長期的な信頼関係を築く姿勢を示すことが効果的です。

商談期間が長くなる傾向もあるため、粘り強さやプロセスを管理する力も評価されやすい要素です。

【例文】
法人営業に魅力を感じたのは、顧客企業の根本的な課題に対して、中長期の視点から解決策を提案できる点にあります。前職では、業務用機器の導入にあたり、現場担当者だけでなく経営層や技術部門とも連携しながら提案を進め、大口契約の獲得につなげました。貴社の〇〇事業は、業界の課題に真摯に向き合っており、その価値をより多くの企業に届ける営業として貢献していきたいと考えています。

個人営業

個人営業では、顧客の価値観やライフスタイルを理解し、それぞれの状況に寄り添った提案が求められます。共感力や丁寧な対応を心がける姿勢に加え、長期的な視点で信頼関係を築く意識を示すことが効果的です。

顧客一人ひとりと深く関われる営業スタイルが、自分に合っていると伝えることで、志望動機に説得力が生まれます。

【例文】
接客の現場で、人の想いや背景に耳を傾ける力を磨いてきました。個人営業には、顧客の暮らしや人生設計に深く関わり、責任を持って提案できる魅力があります。とくに、貴社の住宅ローンサービスは、顧客の将来に直結する重要な領域であり、丁寧なヒアリングを通じて安心と納得を提供できる営業を目指しています。

インサイドセールス

インサイドセールスは、Web上、つまり非対面で顧客と接点を持ち、ニーズを深掘りしながら商談へつなげていく役割を担います。スピード感や業務効率が求められる一方で、限られた情報から本質を見抜くヒアリング力や、得られた内容を整理・共有する力も重要です。

マーケティングやフィールドセールスと連携しながら、成果を最大化する意識を持って取り組む姿勢が評価されやすい領域です。

【例文】
前職では、問い合わせ対応やメール提案を通じて、非対面でのコミュニケーション力を磨いてきました。インサイドセールスには、短時間で顧客の意図を把握し、次のアクションにつなげるスキルが求められると考えています。貴社のようにマーケティング部門との連携が進んだ環境で、データに基づいた提案精度を高めながら、自分のヒアリング力と分析力をさらに伸ばしていきたいと思います。

【業界別】営業職の志望動機の作成ポイントと例文

業界によって取り扱う商材の性質や顧客との関係性、求められるスキルは大きく異なります。そのため、志望動機では業界特有の視点や共感を盛り込み、自分がなぜその領域で営業として働きたいのかを明確に伝える必要があります。

ここでは、代表的な4つの業界を取り上げ、それぞれに適した志望動機の考え方と例文を紹介します。

IT・SaaS業界

IT・SaaS業界の営業では、専門的な機能を理解する力とあわせて、導入によって得られる価値をわかりやすく伝える力が求められます。業務効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れを踏まえ、自身の関心や問題意識を言葉にして伝えることで、志望動機の説得力が高まります。

【例文】
業務の非効率をシステムで解決できる点に魅力を感じ、IT業界に関心を持ちました。なかでもSaaSは、業種を問わず多様な課題に対応できる柔軟性があり、顧客ごとに最適な提案ができる点にやりがいを感じています。前職では業務改善の提案を評価され、社内で表彰を受けた経験があります。この視点を活かし、顧客の事業成長を後押しできる営業を目指しています。

金融・保険業界

金融・保険業界では、商品の内容そのものよりも、信頼や安心感が重視されます。顧客のライフプランに深く関わるからこそ、誠実な姿勢や丁寧な対応が必要です。加えて、複雑な情報をかみ砕いて伝える力や、提案に伴う責任感も重要な評価軸となります。

【例文】
人生設計に関わる意思決定を支える役割に魅力を感じ、金融業界を志望しています。私は大学時代にFP(ファイナンシャルプランナー)資格を取得し、正しい金融知識を伝えることの重要性を学びました。知識と寄り添う姿勢を活かしながら、お客様が将来に安心感を持てるような提案を届けられる営業を目指しています。

不動産業界

不動産業界では、契約金額の大きさや手続きの複雑さから、信頼関係の構築と誠実な対応が欠かせません。

扱う商材がライフスタイルや将来設計に直結するため、顧客の話を丁寧に聞く力や、納得感のある提案を行う力、背中を押すタイミングを見極める判断力が求められます。

【例文】
住宅購入は人生の大きな節目であり、そのプロセスに寄り添える営業職に魅力を感じました。前職では、年間200組以上の顧客対応を担当し、要望や不安を丁寧に聞き取る力を培っています。不動産という高額な商材を扱うからこそ、誠実な姿勢で信頼を積み重ねながら、お客様が納得して前に進めるような提案を行っていきたいと考えています。

人材業界

人材業界の営業は、企業と求職者の双方に向き合いながら、それぞれの課題を深く理解し、最適な提案につなげていく役割を担います。営業力だけでなく、コンサルティングやキャリア支援の視点をあわせ持つことが、差別化につながるポイントです。

【例文】
企業の採用課題と求職者のキャリア形成をつなぐ人材業界の営業に関心を持ちました。大学時代にはキャリア支援のボランティアに取り組み、人の可能性を引き出す仕事にやりがいを感じてきました。貴社のように中小企業と密接に関わる提案スタイルのもとで、経営と人材の両面に寄り添う営業として価値を届けていきたいと考えています。

メーカー業界

メーカー業界の営業は、製品開発・品質管理・物流など多くの部門と連携しながら、顧客の課題を製品を通じて解決する提案型の営業が求められます。自社製品への誇りや技術理解力、現場の声を反映する力が強みになります。

【例文】
自社製品を通じて社会や産業を支えるメーカー営業に魅力を感じています。前職では法人向け製品の品質改善提案を行い、顧客満足度の向上に貢献しました。貴社のように開発部門と一体となって顧客課題を解決できる環境で、自社の技術と価値を誇りを持って届けていきたいと考えています。製品を「売る」ではなく「活かす」営業として、信頼されるパートナーを目指します。

営業職の面接での志望動機の伝え方

書類選考を通過しても、面接でうまく伝わらなければ内定に至りません。

営業職はコミュニケーションが重視される職種であるため、志望動機の内容だけでなく、話し方や表現の明確さ、姿勢も評価対象となります。ここでは、面接で志望動機を効果的に伝えるために意識したい3つのポイントを解説します。

結論ファーストで簡潔に伝える

営業職の面接では、冒頭で理由を明確に伝えることが好印象につながります。

回りくどい言い回しは避け、「営業職を志望する理由は〇〇です」と最初に結論を述べるのが効果的です。そのうえで、背景となる経験や考えを補足する流れを意識しましょう。

この話法は、実際の営業現場にも通じます。要点を簡潔に伝える力を面接で示せれば、説得力も高まります。内容を整理し、1〜2分ほどで要点をまとめて話せるよう準備しておくと安心です。

エピソードを交えて具体性を出す

面接官の印象に残る志望動機には、具体的なエピソードが含まれていることがほとんどです。過去の経験を通じて、なぜ営業職に関心を持ったのか、自分にはどのような強みがあるのかを語ることで、自分らしさを自然に伝えられます。

たとえば、アルバイトで提案した商品が実際に売れた経験や、クレーム対応を通じて信頼を回復できた場面などは、説得力のあるエピソードになります。数字や成果が伴っていれば、あわせて伝えることで印象がさらに強まるでしょう。

身振りや表情も含めて熱意を示す

営業職では、言葉だけでなく、声のトーンや表情、身ぶりといった非言語の要素も重視されます。面接では、こうした表現力を含めて、営業に必要な資質が備わっているかどうかを見られています。

話す際は、相手の目を見て姿勢を整え、明るくはっきりとした声を意識しましょう。表情が硬いままだと緊張感が伝わるだけでなく、顧客対応への不安にもつながりかねません。

本番を想定し、鏡の前で話したり、自分の話し方を動画で確認したりするなど、事前に準備しておくことが大切です。

営業職の志望動機で避けるべきNG例

どれだけ熱意を持っていても、内容によっては誤解を招いたり、評価を下げてしまう志望動機もあります。営業職は応募者が多く、面接官も日々さまざまな志望理由に触れているため、曖昧な表現や的外れな伝え方はすぐに見抜かれます。

ここでは、避けたい代表的なNGパターンとその改善例を紹介します。

お金や待遇だけを理由にする

営業職のなかには、インセンティブ制度や歩合給など、成果に応じた報酬を得られる仕組みが整っている企業も多く見られます。そのため、収入面に魅力を感じて営業職を目指す考え方自体は否定されるものではありません。

ただし、稼ぎたいという思いだけを前面に出してしまうと、短期的な視点でしか物事を見ていない印象や、自分本位な姿勢を与える可能性があります。

求められるのは、報酬だけで動く人材ではなく、成果を通じて継続的に価値を提供できる人材です。したがって、収入に触れる場合でも、背景にある価値観や成長への意欲をあわせて伝える必要があります。

たとえば、報酬が高いから選んだのではなく、自分の努力や成果を正当に評価してもらえる環境に魅力を感じた、というように表現すれば、前向きな動機として伝わりやすくなります。

成果に応じた評価制度に魅力を感じ、自らの努力を数字で示したいという意欲を語ることで、責任感や成長意識を伝えるきっかけになります。さらに、評価制度をどう捉えているか、報酬だけでなくスキルやキャリア形成との関わりまで言及できれば、志望動機に一層の説得力が生まれます。

収入を得る意識は働くうえで重要な要素のひとつですが、それを主軸に据えるのではなく、仕事を通じて得たい経験や成長と結びつけて語ることが、営業職を目指すうえで適切なアプローチといえます。

どの企業にも通じる抽象的な理由

営業職を志望する理由として、会話が好き、コミュニケーションに自信があるといった内容を挙げる応募者は多く見られます。これらの表現自体に問題があるわけではありませんが、どの企業にも当てはまる一般的な内容になりやすく、印象に残りにくい傾向があります。

とくに注意が必要なのは、企業の事業内容や提供サービスにまったく触れていない場合です。そのような志望動機は、企業への理解や関心が浅いと受け取られかねず、結果として他社でも通用する汎用的な志望理由に見えてしまいます。

こうした抽象的な動機を避けるには、応募先企業ならではの事業や業界での取り組みに触れながら、自分がその企業で営業として働く意味を、自分の言葉で語る必要があります。

具体的には、特定の市場に特化した製品を扱っている、あるいは独自の営業手法を導入している企業であれば、その点に関心を持った理由と自分の経験を重ねて説明することで、説得力のある内容になります。

また、事前の企業研究を通じて、競合との違いや独自性に触れられれば、志望度の高さも自然に伝わります。営業職そのものに関心があるだけでなく、その企業で営業として活躍したいという意志を明確に伝えることが、選考を突破するうえでの鍵となります。

根拠のない自己アピール

「必ずトップ営業になります」といった根拠のない自信や気持ちは、かえって逆効果になることがあります。印象に残るアピールには、過去の経験や具体的な行動を根拠として示すことが欠かせません。

たとえば、学生時代に学園祭の出店責任者を務め、企画から集客までを担当し、前年の1.5倍の売上を達成したというような実績があれば、主張に説得力が生まれます。

単に意欲を語るのではなく、努力や工夫の積み重ねを通じて何を成し遂げたかを伝えるほうが、面接官の印象にも残りやすくなります。

自信を持つこと自体は悪いことではありませんが、それを裏づける行動や成果をセットで語ることが、信頼を得るうえでの第一歩です。

ネガティブな転職理由をそのまま書く

転職理由を伝える際に陥りやすいのが、前職への不満をそのまま表現してしまうことです。

一例を挙げると、職場の人間関係の悪さや過度な業務負担を理由にすると、たとえ事実であっても、採用担当者には共感されにくく、責任転嫁と受け取られる可能性があります。その結果として、「困難な状況から逃げがちな人物ではないか」という印象を与えてしまうこともあります。

こうしたリスクを避けるためには、過去の環境要因に焦点を当てるのではなく、自分が目指す方向性や新たに挑戦したい分野を中心に据えて、前向きな動機へと言い換える工夫が効果的です。

転職を、目的意識を持ったキャリア選択として語ることで、意欲的な姿勢が伝わりやすくなり、印象も大きく変わります。たとえば、前職で顧客対応やサポート業務を経験していた場合、その経験を土台に、より直接的に顧客の課題に関われる営業職にステップアップしたいと考えるのは自然な流れです。

このように、これまでの経験と今後の目標を結びつけることで、転職理由にも一貫性と説得力が生まれます。

あわせて、自分がどのような環境で力を発揮しやすいか、また、どんな働き方を理想としているかといった未来志向の視点を加えると、志望理由全体に厚みが出てきます。重要なのは、過去の不満を並べることではなく、それらの経験を通じて何を得て、どこへ向かおうとしているのかを明確に言語化することです。

ネガティブな背景に触れる場合も、それを起点としてどのような学びを得たか、そして今後にどう活かすつもりかに焦点を移すことで、企業側にも前向きな印象を与えられます。

営業職に求められるスキル・資質

営業職は、売上を上げることだけが目的ではありません。顧客との信頼関係を築きながら、自社の価値を社会に届けるという、本質的な役割を担っています。その役割を果たすためには、特定のスキルや資質をバランスよく備えている必要があります。

ここでは、営業職において重視される4つの力を紹介します。これらの要素を理解し、自分の経験と照らし合わせながら志望動機に組み込むことで、より具体的で説得力のある自己アピールにつなげられます。

行動力

営業職では、受け身の姿勢では成果につながりません。自ら顧客にアプローチし、課題を見つけ出して改善策を提示するためには、常に主体的に探す・動く姿勢が必要です。とくに新規開拓型の営業では、断られる場面も多いため、粘り強さと行動力が結果を左右します。

見込み顧客への電話を重ねてアポイントを取りつけた経験、自分なりに営業手法を見直して成果を高めた経験があれば、それを志望動機に落とし込むことで、説得力のある活躍イメージを伝えられます。

コミュニケーション力

営業においては、話す力以上に「聞く力」が問われます。

顧客が本当に困っていることや、まだ言葉になっていないニーズを引き出すためには、相手の話にじっくり耳を傾け、共感を持って受け止める姿勢が欠かせません。さらに、自社の商品やサービスを、相手の状況に応じて平易に伝える力も重要です。

たとえば、初対面でもすぐに相手と打ち解けられる人、相手の立場に配慮した説明を意識してきた経験がある場合、それらは営業職への適性を裏付ける要素として有効に働きます。

課題解決力・提案力

顧客の課題に対して、自社の商品やサービスをどう活用すれば解決につながるかを考え、最適な提案につなげる力が求められます。そのためには、表面的な要望にとどまらず、本質的な課題を見抜く視点と、それに応じた解決策を導き出す柔軟な発想が欠かせません。

提案書を作成した経験や複数の選択肢から状況に応じて最適な組み合わせを提案し、成果を上げた実績があれば、それを例に示すことで実務に即したアピールにつながります。

数字への意識と粘り強さ

営業職は、目標や成果が数値として明確に表れる仕事です。売り上げや受注率などのKPIを常に意識しながら行動する姿勢が求められます。また、思うように結果が出ない局面でも、試行錯誤を重ねながら継続的に取り組める粘り強さも欠かせません。

「1日◯件の架電を地道に続け、初めての受注までに3カ月を要したが結果につなげた」といったエピソードがあれば、数字と向き合う覚悟や継続力を具体的に示す材料になります。

営業職の志望動機を考えるなら転職エージェントの活用がおすすめ

営業職を目指すうえでは、自分の強みや経験をどのように志望動機へとつなげるかに悩む方も多いでしょう。

とくに未経験から挑戦したい場合や業界を変えたいと考えている場合は、「何をアピールすべきか」「どんな企業や勤務条件と相性が良いのか」が見えにくくなりがちです。そんなときは、転職エージェントを利用することで、一人では気づきにくい視点を得られます。

エージェントを通じて、以下のようなサポートを受けられます。

・キャリアの棚卸しや診断を一緒に進められる
・志望動機や自己PRの内容を客観的に磨ける
・自力では見つけにくい非公開求人に出会える
・面接対策や企業ごとの傾向を事前に把握できる

とくに営業職は、ポテンシャル重視や育成前提で採用を行う企業も多く、エージェント経由での応募によって書類選考を通過しやすくなるケースがあります。志望動機の添削や、業界ごとのアピールポイントについても具体的なアドバイスを受けられるため、自己流で準備するよりも説得力を高めやすくなります。

営業職への転職を本気で考えるなら、専門的な視点を持つエージェントの支援を受けることは、役立つ手段のひとつです。

9Eキャリアは営業職に特化した転職支援サービスで、履歴書添削や非公開求人の紹介はもちろん、未経験者向けのサポート実績も豊富です。初めての転職やキャリアチェンジを検討している方は、まずは気軽にご相談ください。

営業職の志望動機に関するよくある質問

志望動機を作成する際に、多くの人が抱える疑問について、簡潔に回答します。面接や書類作成の前に確認しておくと安心です。

未経験でも営業職を志望できる?

十分に可能です。未経験でも、過去の接客や顧客対応の経験を活かして、営業職への適性や成長意欲を伝えれば、ポテンシャルを評価してもらえるケースは多くあります。

短所は正直に伝えるべき?

伝え方次第でプラスに変えられます。たとえば、初対面で緊張しやすい場合も、それを克服するために工夫している姿勢を加えれば、誠実さや努力する姿勢があると思ってもらうことが可能です。

志望動機は長い方がいい?

長さよりも中身が大切です。簡潔で要点が整理されていれば短くても問題ありませんが、具体的なエピソードや企業への理解が記載されていれば、ある程度のボリュームがある方が説得力は高まります。

営業職の志望動機は「理解・経験・企業研究」で差をつけよう

営業職への志望動機を構築するうえで重要なのは、営業という仕事の本質を正しく捉えたうえで、自分の経験や強みと結びつけ、さらにその企業で働く意義を具体的に作ることです。

他の応募者と差をつけるためには、抽象的な表現にとどまらず、自分の体験や価値観を具体的なエピソードとして言語化する姿勢が求められます。また、業界や職種、経験の有無に応じて内容を柔軟に調整し、自分に合った表現で伝える工夫も欠かせません。

本記事で紹介した考え方や例文を参考にすれば、あなた自身の思いや経験を企業に伝わる形で表現できるはずです。形式にとらわれすぎず、自分らしい言葉でストーリーを組み立ててみてください。

営業職への第一歩は、明確な意志と着実な準備から始まります。

9Eキャリアで後悔のない営業職転職を

9Eキャリアは、営業職への転職に特化した転職エージェントです。営業未経験者にも対応しており、キャリアの棚卸しから書類添削、面接対策、検索では見つからない非公開求人の紹介まで一貫して無料で支援しています。

また、営業職への転職に特化した”求職者のことを1番に考える”伴走型転職エージェントです。
①“特化型”だからできる、他では出会えない厳選求人
②企業の裏側まで熟知したエージェントによる支援
③書類も面接も通過率が上がる、伴走型の転職支援
という特徴があります。
営業職で年収を高めていきたい方はぜひ以下ボタンから会員登録いただき、面談のご予約をお願いいたします。

 

 

 

この記事の監修者

荒川 翔貴

学生時代に100名規模の営業団体を設立後、大手メーカーで新人賞、売上4,000%増を達成。その後人材業界に転身し、ベンチャー企業にて求職者・企業双方を支援。プレイヤーとして社内売上ギネスを塗り替えながら、3年で事業部長に昇進し組織マネジメントも経験する。

 

現在は株式会社9Eのキャリアアドバイザーチームリーダーとして、入社半年で再び社内ギネスを更新するなど、常に成果を追求し続けている。▶︎詳しく見る

MENU