飛び込み営業とは? 成功のコツやメリット・デメリットなど基本を解説
営業の手法で飛び込みといえば古くから行われている定番といえるスタイルです。しかし、飛び込み営業にはキツイ、時代遅れといったイメージもあり、簡単な仕事ではありません。この記事では、営業職での転職の選択肢となる主に法人相手の飛び込み営業について、成功のコツやメリット・デメリットなど基本を解説します。
営業の定番的手法といえる飛び込みとは
飛び込み営業とは、事前のアポイントなどなしで顧客を訪問する営業スタイルのことで、古くから多くの営業現場で行なわれている営業手法です。どの顧客を営業先としてピックアップするかも含め、基本的に営業する側の都合だけで決めることや、手当たり次第に飛び込むことなどから、非効率だ時代遅れだといった指摘もあります。
飛び込み営業が行われる頻度は業種や企業によって異なります。毎日が飛び込み営業というケースもあれば、普段はやらないが日程を決めてローラー作戦と称する地域総当たりの飛び込み営業を行うケース、新人研修のプログラムとして飛び込み営業を採用しているケースなどが代表的な例です。また、営業マン個々の状況に応じた新規開拓の手段として、時間が空いたときなどに適時行うケースもあります。
飛び込み営業は業種にかかわらず実行できる手法ですが、数をこなそうと思えばターゲットが分散している業種には向いていないといえるでしょう。
数をこなせて飛び込み営業が向いているといえるのは、商売の内容にかかわらず使用するモノを商材として扱っている業種です。たとえば、OA機器販売なら顧客の商売の内容にかかわらず、コピー機やパソコン、通信機器を売り込めるでしょう。また、銀行や証券会社なども飛び込み営業が可能です。預金や融資、有価証券の取引などは誰に対しても提案できます。飛び込み営業はターゲットが法人か個人かにかかわらず行える営業手法です。
飛び込み営業のプロセス

飛び込み営業の一般的なプロセスについて解説します。
事前準備
・情報取集
まずは事前準備です。訪問件数にもよりますが、どのエリアをどういったルートで回るのかを考慮した訪問先の選定、選定した訪問先の情報収集と整理を行います。相手のことがわかっていたほうが営業活動をやりやすいためです。
営業担当者ごとに細かくテリトリー分けをしている飛び込み営業の場合、エリア内で自社の商材のターゲットになり得る法人や個人のすべてが訪問先となるでしょう。飛び込み営業の初回訪問は多くの場合、次回訪問につなげるための活動であり、事前に収集できる情報の有無に関係なく実施されます。
・トークスクリプトの作成
呼ばれてもいないのに訪問するのが飛び込み営業であり、相手の警戒心を突破するために何を話すかが重要です。初対面でいきなり突っ込んだ話を始めるのはご法度で、礼節をわきまえた挨拶から順を追って話を進めます。細かい部分などは咄嗟に言葉が出てこない可能性があるため、応酬話法を意識したトークスクリプト(台本)を作るとよいでしょう。
・ロープレの実施
トークスクリプトを作っても実践で活用できなければ意味がありません。また、顧客とのやり取りは生き物であり、予定通りには進まないものです。そのため、本番形式のロールプレイングを徹底的に繰り返し、スキルを向上させることが重要です。販売会社と呼ばれる企業の多くでは、毎日の朝礼後にロープレを行うシーンが見られます。注意したいのは、毎度のことでマンネリ化してしまわないことです。惰性で行なうロープレは発声練習にはなりますが、本番に向けた訓練としては意味のないものになりかねません。
・身だしなみチェック
人間は初対面の印象でその後の対応が決まるといっても過言ではないでしょう。営業マンも同じです。飛び込み営業が自分の都合で訪問する点も踏まえれば、より訪問先に対して失礼がないように身だしなみをチェックします。
訪問
準備が整ったらいよいよ本番です。
・訪問時間
訪問先によって違いはあるものの、あまりに早い時間や遅い時間はさけるべきです。常識的な範囲でどの時間帯が妥当かはケースバイケースであり、飛び込み営業の実施企業によっては、夜討ち朝駆けのようなスタイルをとっているケースがないわけではありません。とはいえ、概ね無難な時間帯というものは存在しており、法人であれば始業からしばらくの間や終業間際は飛び込み営業に対応している余裕がないケースが多いと考えられています。
・訪問内容
飛び込み営業の初回訪問で商談まで進むケースはあまり多くないといえます。あくまでも顔見せ、顔つなぎであり即決を急がず次回訪問につなげることを意識しましょう。飛び込み営業でもコンサルティングセールスが重要であり、ヒアリング重視の姿勢が求められます。まずは自分を売り込み、最低限引き出すべき情報(商材に関する現状、担当者、決裁権者など)を聞き出すことが重要です。引き出したい情報を得られそうにない場合は無理をせずに辞去し、次回の課題とします。
帰社後
・訪問結果の確認
帰社してすぐにその日の訪問結果をまとめて確認します。営業日報を作成する際に訪問内容を振り返り、改善点などの検討を行うことも重要です。
・次回の準備
初回訪問を踏まえて、次回訪問の準備を行います。顧客からの宿題の回答や追加して提供する情報の精査などです。
・面談のお礼
また、飛び込み営業を実施する企業によってコスト面などで考え方に違いがあるかもしれませんが、訪問先に対して面談していただいたお礼を出します。相手の印象に残ることは間違いないでしょう。何かあれば問い合わせしてくれる可能性が高まります。訪問先に礼状を出す営業マンはそこまで多くないようですが、成績優秀な営業マンにはよく見られるようです。
かつてはハガキによる礼状が主でしたが、メールが使える現在ではコスト的なハードルは高くありません。ただし、インパクトの強さではハガキのほうが上回るでしょう。営業マンによっては、訪問先を退出したらすぐにハガキを書いて忘れないうちに投函するという人もいます。
飛び込み営業のメリット

飛び込み営業のメリットを解説します。
営業マンの研修に活用できる
飛び込み営業には以下のような営業マンに必要な要素が詰まっており、新人などの営業研修に活用できます。
・初対面での断りを次回訪問につなげる話法
・顧客とのコミュニケーションによる信頼関係の構築
・情報収集と分析
・見込み度の判断とリードナーチャリング
・営業プロセスに応じた迅速な顧客対応
飛び込み営業を研修に取り入れることで、これらのスキルが磨かれます。
タイムリーなアプローチができる
アポなし訪問の飛び込み営業は、訪問したいときに訪問できる点が大きなメリットです。新商品のキャンペーンなど、売り込みたいときに自社都合でアプローチできます。企業によっては、新規投入した商品の広報活動的な目的で飛び込み営業をかけるケースもあります。この場合、現場の営業マンとは別の部隊(たとえば営業マンから選抜された企画要員)が動くケースもあり、商談になれば担当営業に引き継ぐといった点は純粋な飛び込み営業とは別物です。
また、訪問のタイミングだけでなく訪問先を自由に選べる点もメリットのひとつで、用件がなければアポなしでは入れないような場所であっても、飛び込み営業が”用件“となることで入れる可能性があります。特殊な場所であれば、守秘義務に反しない範囲でその後の営業活動の話題にするなど、役立てることもできるでしょう。
営業プロセスの分業が不要
さまざまな分野で営業プロセスの分業化が進んでいますが、営業プロセスを分業するリソースを確保できる企業ばかりではありません。飛び込み営業であれば、分業できるほどのリソースがなくても体系的な営業活動が可能です。新規開拓から契約後のフォローまで1人の営業マンが対応できるためで、引継ぎや確認によるタイムラグがなく、スピード決着も見込めます。
直接相手と対面できる
訪問先に誰もいないケースでなければ、ターゲット企業の人間と直接会って話を聞くことができます。案件の担当者・決裁権者に会えるか否かはともかく、社員と対面して話すことで、電話やITツールなどを介したコミュニケーションとは異なり、相手の反応・手応えを微細に体感できる点は大きなメリットです。
即決が期待できる
飛び込み営業をかける営業マンは当然ながらクロージングもできるため、飛び込み営業に即決はつきものです。商材にもよりますが、飛び込み営業に従事したことがある営業マンなら、即決の経験がそれなりにあるのではないでしょうか。頻度はともかく、最初から対面で商談を進めることが可能なため即決が期待できるのです。
競合対策に向いている
顧客の事務所に直接出向いて対面で話すことにより、競合の動きを察知してリアルタイムで対応することが可能です。その場で状況を細かくヒアリングして、有効な対策が打てます。
飛び込み営業のデメリット

飛び込み営業のデメリットを解説します。
門前払いが前提
アポなしの飛び込み営業は、完全にこちらの都合だけで顧客を訪問するため、担当者に会うどころか、ロクに話も聞いてもらえずに門前払いされるケースが多くなります。多少の改善策はあるとしても、呼ばれていないのに訪問する以上、門前払いを前提に考える必要があります。
効率が悪くなりやすい
門前払いが増えると必然的に投入したリソースに対するリターンが下がり、効率が悪い営業スタイルになりやすい点が飛び込み営業の大きなデメリットです。門前払いだけでなく、ビルの上階まで行ったが不在だったというケースもあります。
訪問件数に対する見込み発生数などの数字上では効率が悪くなりがちな飛び込み営業ですが、多くの件数をこなすことで1日当たり、1ヶ月当たりの見込み発生数を引き上げるため、結果的にはそこまで効率が悪いとはいえません。
キツイと感じやすい
アポなし訪問の飛び込み営業が門前払い前提であることは既述しましたが、その際に邪険に扱われることが少なくありません。また、簡単には商談に進まないことなどから営業マンがキツイと感じやすい点がデメリットです。人によってはメンタルにきて、営業をやめてしまいたいと思うケースもあります。
イメージが悪い
さまざまな営業手法が広まっている現在、飛び込み営業のイメージは悪いと言われることがあります。
・時代に合っていない
情報発信のプラットフォームやコミュニケーションツールが進化して普及している現在において、アポなしで不在かもしれない顧客を訪問する行為そのものが、人海戦術的な雰囲気も含めて時代遅れだと考えられています。
・訪問先の業務の邪魔になってしまう
相手の都合を考えないで訪問することから、業務の邪魔になってしまうケースがある点は紛れもない事実です。地域や商材、時期にもよりますが、1日に同じ業種の飛び込み営業が5人も来たというケースは珍しくありません。
属人化しやすい
個々の営業マンがその場で臨機応変に対応する飛び込み営業では、営業マン個人の営業力が結果を左右しやすいといえます。また、営業プロセスの全般を1人で担当するため、活動内容が可視化されにくい点も飛び込み営業の特徴です。その結果、営業の属人化が起こりやすく、営業部門全体の強化につながりにくくなっています。
営業範囲が限られる
人海戦術でもある飛び込み営業は、その日に人が動ける範囲でしか営業活動を行えません。移動時間なども考えれば、より営業範囲が限られます。
飛び込み営業が得意な人の特徴

飛び込み営業が得意な人の特徴を紹介します。
ヒアリング力を含め自分の型がある人
営業マンには多かれ少なかれ自分の営業スタイル、営業の型というものがあります。効果的に営業活動ができる型です。とくに優秀と言われる営業マンほど自分の型にはこだわりがあるといってもよいでしょう。断られても自分の型を変えないで続けることが結果につながります。そのなかで、強力なヒアリング力を発揮できる人は深い話につなげやすく、効率よく商談を進めることが可能です。
打たれ強い人
飛び込み営業が得意な人で打たれ弱い人はあまり見かけないでしょう。門前払いや断り文句の連続が珍しくない飛び込み営業の現場では、何を言われても心が折れない打たれ強さが求められるためです。必然的に、飛び込み営業が得意な人の特徴には打たれ強さが入ってきます。稀に顧客に断られたと腹を立てて言い争う営業マンがいますが、打たれ強いかもしれないものの、この場合は飛び込み営業が得意とはいえないでしょう。
行動的な人
飛び込み営業は呼ばれたわけでもないのに客先に出向く必要があります。呼ばれたら行くが、呼ばれてもいないのに行くのは億劫だという人には務まりません。しかも、1日に何件も訪問する必要がある営業スタイルです。そんな飛び込み営業を得意とする人の特徴として、行動的な人が挙げられます。
成功率を重視する人
飛び込み営業が得意な人の特徴には成功率重視もあります。飛び込み営業は非効率な営業手法とも言われることがあるように、訪問した数に対しての見込み発生率や成約数など数字上の成功率は低いのが一般的です。しかし、だからこそ低い成功率を少しでも高くする意味で成功率を重視する人が得意とするといえます。断られることを気にするのではなく、客観的な成功率を重視し、営業精度を高めることに集中できる人です。
人間関係の構築を楽しめる人
飛び込み営業はナンパや男女の恋愛、ゲームに例えられることがあります。ナンパなどは何の接点もない初対面の相手に声をかけ、コミュニケーションをとって関係を構築するプロセスと必要なスキル、門前払いが前提の点で飛び込み営業とソックリといえるでしょう。人間関係の構築をゲーム感覚で楽しめる人は、断られることをマイナスに捉えることなく、臨機応変な対応でゴールを目指せることから飛び込み営業が得意だといえます。
飛び込み営業が向いていない人の特徴

飛び込み営業が向いていない人の特徴を紹介します。
対人関係が苦手な人
対人関係が苦手な人は飛び込み営業に向いていないといえます。人と接するのが苦手な人や初対面の人とうまく話せない人、臨機応変な対応ができにくい人であってもすべての営業がダメだというわけではありません。しかし、接点のない初対面の相手に門前払いを受け続けながら任務を遂行する必要がある飛び込み営業というスタイルにはマッチしないでしょう。
マニュアルに拘り過ぎる人
営業にはある程度のマニュアルがあります。中身は企業によって異なるものの、マニュアルに沿って活動することは仕事の基本です。しかし、営業現場は生き物であり、ときにはマニュアル外の臨機応変な対応が求められます。マニュアルに拘り過ぎる人は、相手のニーズに沿わない対応をしてしまうおそれがある点に注意が必要です。
打たれ弱い人
打たれ強い人の反対側です。面と向かって断られると心が萎えてしまう人、拒絶されることに恐怖心を抱いてしまう人は、飛び込み営業に向いていません。また、失敗が続くと自信を失ってしまう人も、門前払いが続く可能性が高い飛び込み営業は厳しいでしょう。
管理が苦手な人
飛び込み営業は会社から離れた場所で行なうため、自己管理やスケジュール管理、進捗管理など管理が苦手な人には向いていません。顧客に呼ばれていないということは、行かなくてもどこからもクレームや問い合わせが入らないということを意味しており、しっかりとした管理を行わなければ、効果的な活動ができなくなるおそれがあります。
また、管理が苦手というよりもサボりグセがある人も飛び込み営業に向いていないかもしれません。飛び込み営業には、訪問していないのに訪問したことにすることで、その日の仕事が済んでしまうというマイナス面があります。道路沿いから会社の看板を見て日報に記入するといった手法が一般的です。
訪問を証明する方法として、もらった名刺の枚数を重視する企業がありますが、その対策としてエリア内で出会った営業マンから名刺を貰う強者までいます。どちらのケースもまともな営業活動をしていないため、結果が出るはずもありません。
当該企業から連絡がくることもないため、会社がしっかりチェックしない限り発覚しにくいといえます。ただ、結果を出している飛び込み営業マンにはサボりグセのある人もいるため、オンオフの切り替えが曖昧な人が向いていないといえるでしょう。
飛び込み営業を成功させるコツ・ポイント

飛び込み営業を成功させるために使える10のコツ・ポイントを解説します。
事前準備をしっかりとやる
事前準備をしっかりと行うことは飛び込み営業に限らず、あらゆる仕事に共通するコツです。飛び込み営業においては、アポなし初対面であることから、出たとこ勝負のようなイメージがあることは否めません。しかし、アポなし且つ初対面であるからこそ、事前準備がより重要です。
訪問予定の企業情報を調査しておけば、受付を突破して担当者と面会できたときの会話に役立ちます。自社のことを何も知らない営業マンを相手にするよりも、利益がありそうだと思ってもらえるだけでなく、話の流れで核心を突く場面もあるため、可能な限り下調べをしておきましょう。第一印象を決める見た目のチェックも欠かせません。
アイスブレイクをやり過ぎない程度に活用する
アポなし・初対面という状況で、いきなり売り込みの話が弾むというケースは多くないでしょう。飛び込み営業初心者の場合は、何を話してよいかわからなくなってしまうかもしれません。気まずい空気にならないために、アイスブレイクを用意しておくことが重要です。アイスブレイクとは、初対面の緊張感をやわらげ、会話の糸口となるようなちょっとした話題や小ネタのことであり、話題や小ネタを使うことを指します。
趣味や出身地の話、好きな物など差し障りがなく話せる内容が適しています。注意したいのは、呼ばれていないのに訪問している立場を忘れないことです。アイスブレイクで時間をとってしまうと、時間切れになったり、何をしに来たんだと思われたりしかねません。
断られて当たり前だと考える
何度も触れているように、飛び込み営業は門前払いが前提としてあります。よく来てくれましたと歓迎されるケースは、文字通り万にひとつあればよいほうかもしれません。門前払いとは受付で断られる、名乗っただけで断られるなど、肝心の話に入るまでもなく追い返されることです。
門前払いされなかったとしても、結論として断られるケースが圧倒的に多いと覚悟すべきでしょう。アポなし初対面の営業マンに対して「買うよ」という顧客はあまりいません。初回訪問では断られるのが当たり前です。そのうえで、次回訪問のキッカケを作ることが重要なポイントです。
挨拶を重視して自分を知ってもらう
対人関係で挨拶は基本です。いつもやっているからと挨拶に無頓着になっている人もいるようですが、飛び込み営業では挨拶を重視して自分を知ってもらうことが重要です。そもそも営業マンという人間が商材を売っている理由は、御用聞きや情報伝達要員として動くためではありません。人間同士のコミュニケーションで信頼関係を構築し、ビジネスパートナーとして役立ちWin-Winの関係になるためです。そのためのコツとして、第一歩の挨拶をしっかりと磨いて自分に興味を持ってもらうこと、自分を売り込むことが挙げられます。
焦らずゆっくりと話す
初対面でしかも呼ばれていない状況では、お互いの時間を無駄にしないように焦る気持ちが生じやすいといえます。忙しそうな光景を見ればなおさらです。しかし、焦って早口で喋っても何をいっているのか伝わりにくく、説得力も低下しかねません。焦らずにゆっくり、しっかりと話すことが飛び込み営業を成功させるために大切なコツのひとつです。もし、そんなに余裕がなさそうだと感じたなら、後日改めて伺いたい旨伝えましょう。その際に、アポが獲得できれば成功です。
売り込み感を出さない
飛び込み営業が訪問すれば、顧客の側は売り込みが来たなと思います。商品やサービスを売る目的もなく、営業マンが回ってくることなど通常はあり得ないためです。売り込み感を出さないことがコツだといっても、相手にはバレているんだから意味がないのではと思うかもしれません。しかし、自分が顧客の立場になって考えてみたとき、アポなし初対面で売り込み感を出されたらより一層警戒するのではないでしょうか。わかってはいても、目の前にすると拒否感が生まれるものです。
特別感を出して関係構築を図る
特別感を出して関係構築を図ることは、飛び込み営業を成功させるうえで重要なコツです。その会社のために訪問していると感じてもらうことができれば、飛び込み営業は成功に近づきます。
企業には飛び込みを含めてさまざまな営業マンがやってきますが、その商材を欲しいと思っていたタイミングでもなければ、あなたは他の営業マンと同じ大勢のなかの1人です。また、この営業マンにとって、自社は数ある訪問先の1つに過ぎないのだろうとも思われがちでしょう。つまり、ただ訪問するだけでは心を動かすほどのインパクトがないということです。特別感を出すためには、事前調査はもちろんのこと、的確なヒアリングと相手に寄り添った臨機応変な対応が求められます。
相手の都合と課題解決を考える
特別感に通じる部分がありますが、相手の都合と課題解決を考えることは外せないコツです。現在の営業は具体的に顧客の課題や悩みを明らかにし、ソリューションを提案、成約につなげることが重要な任務となっています。
イエスと答える質問を増やす
円滑なコミュニケ―ションを通じて信頼関係を構築するためには、否定的な空気を排除する必要があります。また、イエスが続くと次もイエスと答えがちです。そのため、質問をする際にはイエスと答える質問を増やすことが重要になります。
「これはこうですか→イエス」
「これもこうですか→イエス」
「それならこれが必要ですか→イエス」となって成約です。
実際にはこんなザックリしたノウハウではありませんが、肯定するということは前向きの姿勢につながるポイントだといえます。
訪問後の管理を怠らない
訪問して終わりではないのが飛び込み営業です。その後の管理を怠らないことで、よい結果にもつながります。既述の礼状もそのひとつです。
・見込み度の判断
初回訪問の結果、見込みがありそうか、定期的な訪問の対象か、いまは見込みがなさそうでも次回訪問が必要か、しばらく間隔をとったほうがよいかといった判断を行います。
・判断に基づく行動
次回訪問や資料送付が必要であれば、段取りをつけます。また、休眠させている訪問先への再アプローチの準備も欠かせません。各顧客に応じたプロセスの業務をしっかりと行います。資料送付について、時間が合わない場合や至急欲しい場合には、ダウンロード可能な状態にして案内するなど、顧客満足を考慮した手法も必要です。
飛び込み以外の営業スタイル

飛び込み営業が自分に合わない場合でも他の営業スタイルがあります。営業職への転職を目指すならチェックしておきましょう。
ルートセールス
飛び込み営業の対極に位置する営業スタイルがルートセールスです。既存客を訪問するため飛び込み営業で考えられるようなデメリットがありません。よほど特殊な事情でもない限り、門前払いはあり得ないため、対人関係が心配な人でも安心です。
フィールドセールス
営業プロセスの分業化が進んでいる企業におけるフィールドセールスの役割は、商談をまとめあげてクロージングに持ち込み成果を出すことです。リードの育成は苦手でも、門前払いがない前提でのクロージングなら得意という人に向いています。
インサイドセールス
そもそも訪問しないオフィスでの内勤営業がインサイドセールスです。初対面の顧客との会話であっても、コミュニケーションツールを介しており、面前にいるわけではないため恐怖心を抱かずに信頼関係構築に励めます。また、分業化している場合はフィールドセールスに引き継ぐため、クロージングの責任がありません。
カスタマーサクセス
既存客のフォロー、アップセル(上位商材の販売)・クロスセル(関連商材の販売)を主な任務とするカスタマーサクセスは、信頼係が構築されている自社ユーザーとしか会話しない点が大きな特徴です。
飛び込みでもそれ以外でも営業職の転職成功は準備次第

営業職への転職を成功させるには、飛び込み営業であれ、フィールドセールスなどその他の営業職であれ、転職前の準備が重要です。どの会社をどのような基準で選ぶとよいか、どういった活動をするかなど自分だけでは準備が難しい点もあるでしょう。そこで役立つのが9Eキャリアのような営業職に特化した転職支援サービスです。
飛び込み営業の基本を知って営業職での転職を成功させよう
飛び込み営業は基本的にリードの発掘からクロージング、アフターフォローまで1人で担当する営業職です。また、フィールドでもオフィスでも活動します。そのため、さまざまな営業職に求められる要素がすべて詰まっているといってもよいでしょう。飛び込み営業の基本を知り、自分にあった営業職での転職を成功させてください。
9Eキャリアで後悔のない営業職転職を
9Eキャリアは、営業職への転職に特化した転職エージェントです。営業未経験者にも対応しており、キャリアの棚卸しから書類添削、面接対策、検索では見つからない非公開求人の紹介まで一貫して無料で支援しています。
また、営業職への転職に特化した”求職者のことを1番に考える”伴走型転職エージェントです。
①“特化型”だからできる、他では出会えない厳選求人
②企業の裏側まで熟知したエージェントによる支援
③書類も面接も通過率が上がる、伴走型の転職支援
という特徴があります。
営業職で年収を高めていきたい方はぜひ以下ボタンから会員登録いただき、面談のご予約をお願いいたします。
この記事の監修者
荒川 翔貴
学生時代に100名規模の営業団体を設立後、大手メーカーで新人賞、売上4,000%増を達成。その後人材業界に転身し、ベンチャー企業にて求職者・企業双方を支援。プレイヤーとして社内売上ギネスを塗り替えながら、3年で事業部長に昇進し組織マネジメントも経験する。
現在は株式会社9Eのキャリアアドバイザーチームリーダーとして、入社半年で再び社内ギネスを更新するなど、常に成果を追求し続けている。(▶︎詳しく見る)

